| フォルクスワーゲン T4 マルチバン ウエストファリア |
1996年式 |
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| 車検 2028年2月 |
走行 141,000km |
備考 左ハンドル/AT/新車並行車/2オーナー/エアコン/8ナンバー/ポップアップルーフ オーニング/ETC/ドラレコ |
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| 長さ 465cm |
巾 184cm |
高さ 204cm |
重量 1880kg |
排気量 2460cc |
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| 取材日2026年4月18日 |
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ーロマンを、連れ出そう
同じカタチから生まれながら、その役割はひとつではない。
ただ、人を運ぶために整えられたものもあれば、その時間をどう過ごすかに余白を残したものもある。
マルチバンと称すこのT4は、決めすぎないという、やさしさを持っている。
そこにあるのは、座るだけでは終わらないシート。向き合うことも、くつろぐこともできる空間。移動のためだけではなく、ここで過ごす時間そのものを、大切にしたくなるカタチ。
そして、その自由さの奥には、無駄を削ぎ落としたドイツ車らしい堅牢な設計がある。日々の中で積み重ねられていく使用にも、静かに応え続ける、確かなつくり。
見えない部分に支えられているからこそ、この余白を安心して委ねることができるのであろう。
VWトランスポーターの祖でもあるタイプ2に憧れる理由は、きっとこの一台の中にも流れているはず。T4は、あの時代の憧れを、今の暮らしにそっと引き寄せた存在かのようである。
そして、この一台には、もうひとつの名前が重なっている。
その名も「ウエストファリア」
遠いヨーロッパの地で、旅と暮らしをひとつにしようとした人たちの手から、その物語は始まった。
フォルクスワーゲンのバンに、ただ移動するだけではない時間を重ねていくという発想。その源流には、VWタイプ2 から続く“人と暮らしを運ぶ”という思想が根づいている。
限られた空間の中に、眠ること、くつろぐこと、過ごすこと、日常も非日常も、そのぬくもりを丁寧に収めていく。
それは装備にはとどまらず、“どう在りたいか”という選択。
長い年月をかけて育まれてきたその思想は、この一台の中にもしっかりと息づいている。
だからこそ、この組み合わせには、どこか特別な響きがあるのかもしれない。
ー誰かのための時間と自分への楽しみが、ひとつのカタチに重なる空間
では、ここから家族と自分に向けカスタマイズされた、T4ウエスティーを見ていきましょう。
まずは空間、これには車内を広く使う工夫がなされています。
このモデルは、セカンドシートがフロントシートと背中合わせになるような格好で、対面式として固定されています。
それも完成された形ですが、その実走行中は酔いやすかったり、前を向いていたほうが快適な場面もあります。
そこでこの一台は、レールを敷き直し、セカンドシートを前向きに対応できる仕様にしています。
また、オリジナルでは回転できない助手席を、シートベースを変えて回転式に変更しており、セカンドシートを外した状態にして、サードシートと自然と向き合える空間が生まれるように工夫されています。
さらに、折りたたみ式のテーブルを追加装備、さながらダイニングのような空間と化します。これは、使い方を逆算してつくられたカタチであり、移動中の快適さと、家族で過ごす時間のどちらも無理なく成立させています。
また、床は張り替えており、その際に断熱材を敷き込みました。これにより耐候性がかなり高まっていると思われます。
ウエストファリアならではのポップアップルーフも健在です。
手動の動作はスムーズで、不安を感じることはありません。ルーフを持ち上げれば、そこにはロフトのような空間が現れ、もうひとつの就寝スペースが広がります。
ポップアップの生地も張り替え済みで、これからの時間も気持ちよく使っていける状態に整えられています。少しだけ高い場所で過ごす時間は、いつもの車内とは違う、特別な感覚を与えてくれることでしょう。
さらに床板は二分割されており、立って着替えるような動作も無理なくこなせる設計に。限られた空間の中で、過ごしやすさと、実用性と、少しのワクワクを両立させています。
キャンパーとして欠かせないFFヒーターも備わっています。
標準装備されるベバスト製ヒーターは、信頼性の高い装備として知られていますが、経年によってコンディションに差が出てくることもあります。
こちらはそうした点も考慮し、より信頼性の高い別のFFヒーターへと交換しております。灯油タイプのため扱いやすく、現在も安定して快適に動作しています。
非常によく効くそうですので、寒い季節でもエンジンに頼ることなく、静かでやわらかなぬくもりに包まれる時間が保たれるそうです。
快適に過ごすための装備、扇風機や追加した明るめのルームライトなど、季節や時間に合わせて心地よさを調整できる工夫があり、それらのスイッチ類は一つのパネルにまとめられ、直感的に操作できるよう配慮されています。
必要なものにすぐ手が届く、その小さな積み重ねが、過ごしやすさにつながっていきます。
電気系統もすっきりと整理されており、安心して使える状態に整えられています。
車内空間は全体的にキレイな状態で、走っていても、停めていても、快適に過ごせる環境が維持されています。
それぞれのシートにカバーをつけています。
フロントシートは、それがずれないように縫い付けてあります。よって詳細に状態を確認する子はできませんでしたが、カバーリングする前は、破れなどの大きな傷みはなかったそうです。
運転席周りではステアリングをイモラに変更、こちらはリフレッシュ済みで、傷みは見えません。なお、オリジナルはないそうです。シフトノブもウッドに変えました。
加えたひとつのアイテムとして、左右のAピラーアシストグリップがあります。これは地味ながらとても便利なもので、VW仲間からも評判がよく、事実乗り降りのしやすさに貢献しています。
次に外観を見ていきましょう。
カリビアングリーンと呼ばれる、爽やかで鮮やかさに長けたボディーカラーです。さらに、それを引き締めるようにオーナー様が手を加えました。
それは、黒く塗装されたホイールに、存在感のあるゴツゴツ系のオールテレーンタイヤ。フェンダーアーチや腰下もブラックでまとめられ、見るからにタフな印象をつくり出しています。
素のシティ派のスタイルでありながら、どこかオフローダーのようなワイルドさも感じさせる佇まい、リフトアップは施されていないものの、不思議と車高が上がっているような印象を受けます。
その理由は、フロントバンパー下部のカット。視覚的な軽さと抜けが生まれることで、よりラフで力強い雰囲気が引き出されています。
また、希少な純正マッドフラップが4輪に備わるのも、それに貢献しています。
ただ整えるのではなく、見え方まで計算されたカスタム。そこには、使うことと同じくらい、自分が楽しむという感覚がしっかりと息づいています。
コンディションを示すと、いくつかの小キズこそ見られるものの、全体としては良好な状態を保っています。
これには購入時にボディ全体をさらっと同色でリフレッシュ塗装が施されたのが効いていると思われ、現在もキレイな印象がしっかりと維持されています。
また、オーニングボックスや背面のサイクルラック、フロントグリルやバンパーもブラックで塗装、外観の一体感を高めながらコンディションも良好で、丁寧に手をかけられたことが伝わってくるきます。
ここまで、見た目や空間の工夫を見てきましたが、走りに関わる部分にも、しっかりと手が入れられています。
そこには、ひとつひとつの不調に向き合いながら整えられてきた時間、その積み重ねがこの一台の安心感をつくっています。
T4の代表的なウィークポイントでもあるATは、シフトに違和感が出たタイミングで135,000km時にオーバーホールを実施、相応のコストをかけてしっかりと手が入れられており、現在は好調な状態を保っています。
その他にも、デスビをはじめとした点火系一式やベルト類の交換など、基本となる整備も重ねられてきました。
さらに、エンジンマウントやミッションマウントの交換、フロント足回りのブッシュ一式交換など、走りの質に関わる部分にも手が入れられています。
これらの整備記録はありますが、特に前オーナーの分が多数残されており、長い時間の中でこの一台が大切にされてきたことを物語っています。
なお、気になるタイミングベルトについては、前オーナーから交換済みと聞いているものの、記録としての裏付けは残されていません。
現オーナー様も意識はしながら、大きく距離を伸ばす使い方ではなかったため、タイミングを計っていましたが、今回売却をすることを決めたため、この点は次のオーナーの判断に委ねられる部分となります。
電装系では、サブバッテリーを備えており、アクセサリー類の使用が多いこのタイプには安心感があります。こちらも交換済みです。
登録は車いす移動車になっており、8ナンバーです。車検用のスロープはありますので、お付けいたします。
エアコンは問題なく効くそうです。
キーレスを追加しています。
ドラレコ、ETCが付属します。
ドラレコは前後を記録しますが、バックミラーも兼ねており、後部座席乗車時に後方確認がしにくいタイプですので、非常に重宝するそうです。
その他付属品としては、停車時に使用するドアシェード、ポップアップシェード、後付けの運転席シートヒーター。
また、スタッドレス付きの純正ホイール4本もお付けいたします。
事故歴は現オーナー様に関してはありません。しかし、過去のものは不明です。
あらためて、この一台に辿り着いた理由を辿っていきます。
オーナー様にとってクルマとは、ただの移動手段ではありませんでした。それを通じ、家族と時間を重ねていくためのもの、その先にあった選択肢がキャンピングカーという在り方でした。
かつて所有していたのはフォードBCヴァーノン、アメリカンモーターホームの頂点とも称されるその一台は、圧倒的な広さと余裕を誇る、動く家そのものでした。
けれど、その豊かさは同時に制約でもありました。大きすぎるがゆえに、日常からは少し遠ざかってしまう存在。自由であるはずの旅が、いつしか選ばれた場所だけのものになりつつありました。
その傍らにあったのが同時に所有していたT4ヴァナゴン、すでにその良さは体感済みです。ならば、このサイズ、この距離感のまま、キャンピングカーとしての機能を持たせることができたなら、その答えが、このウエスティーでした。
ポップアップルーフが空間を解き放ち、家族5人がゆったりと過ごせる余白を生む。そのまま眠りに落ち、朝を迎えることもできる。
それでいて、街に出れば軽やかに走り、どこへでも自然に入り込んでいける取り回しの良さ、日常と旅が、切り離されることなく繋がっている、オーナー様にとってあふれる魅力がそこにありました。
同じT4でも、選ばれたのはユーロバンではなくマルチバン。
その理由は明快で、整いすぎない実用と整いすぎない美しさ。使うほどに、そのバランスの良さが滲み出てくる、そんなイメージからの選択です。
VWのバンには、積み重ねてきた時間があります。中でもオーナー様とってT3にはとりわけ強い想いがありました。
けれど、T3はRRの後輪駆動、ウインタースポーツも趣向するため、雪へと向かう道のりを考えたとき、前輪で路面を掴むT4という選択は必然でした。
しかし、駆動方式は違えど、その奥に流れているものは同じ。
T2から続くバンライフという思想。
ただのクルマではなく、暮らしと旅をつなぐ器としての存在、それを形取る水平に伸びるベルトライン、無駄を削ぎ落としたボクシーなフォルム。
それは、時代を超えて受け継がれてきた意思のカタチ、走ることも、使うことも、過ごすことも、全部がちょうどよく成立している、その変わらぬ流れにオーナー様は惹かれたのでした。
これまで自分なりに使い勝手を整え、日常の中でも快適に過ごせる仕様へと仕上げてきました。
家族で使うことを前提に、安全性と快適性をしっかりと意識して作り込まれており、現在も快適で良質なコンディションをしっかりと保っています。
とここまで居住性を主にお話ししてきましたが、一方で走りはと言えば、それはクルマの重さを感じることによる、全体的に少し無骨な乗り味。
また、走行中には架装車であるがゆえの、どこかしら擦れるような音が顔を出すこともあります。
けれど、それも含めてこのクルマの個性。
細かなことを気にするよりも、おおらかに付き合い、楽しんでいく、そんな関係性がよく似合いましょう。
実際にその空間に身を置いてみると、まず印象的なのは室内の広さです。
セカンドシートを取り外し、助手席を回転させた対面レイアウトにより、テーブルを囲んで過ごせるダイニングのような空間が現れます。
家族が自然と向き合い、ゆったりとした時間を共有でき、またポップアップルーフを展開すればロフトスペースが現れ、清潔感のある就寝スペースとしてしっかりと機能。
車内にいながらも、“ひとつ屋根の下”という安心感が感じられます。
そして、走り出してまず感じるのは、アイポイントの高さ。
フロントシートへは少し乗り込むような感覚で、見晴らしが良く、広いガラスエリアによる開放感も魅力です。
走行はスムーズで扱いやすく、決してスピードを求めるクルマではありませんが、ゆったりと流すように走らせることで、この車本来の快適性が際立ちます。
日常の延長線上にありながら、少しだけ特別な時間を感じさせてくれる、そんな一台であることを、実際の試乗を通して感じました。
オーナー様のクルマに対する信条は、いわゆる吊るしの状態から、自分の趣向やライフスタイルに合わせたカスタムをする、それをオーナー様はクルマを育てると言う表現をされていました。
走るだけではない、居住性と言う側面を併せ持つキャンパーだからこそ、腕をふるう甲斐が相当にあったことと思います。
とても気に入っていたから、手をかけ、時間をかけ、“育ててきた”このウエスティー。
しかし、育てきった今、車庫整理をきっかけにその役目を終えるときと判断、次のステージへ向かうことにしました。
吊るしの状態から、自分好みへと仕上げていく楽しさ。
このスタイルに魅力を感じていただける方に、この一台が、また新しい時間を運んでくれることを願っています。
自分の趣向と家族への思いを両立したT4ウェスティーは埼玉県にあります。
個人間売買のため、消費税や諸費用等はかかりません。
本車両は購入に際しては、自動車税の月割りとリサイクル券(¥17,940)の精算ご負担をお願いいたします。
【お問い合わせに際して】
このページの車両は、クルマの個人売買情報サイト「エンスーの杜」に掲載されたものです。
エンスーの杜は自動車販売店では無く、広告代理店であり掲載車両は個人所有の物で、オーナー様のご依頼により取材を行ったものを掲載しています。
過去の整備記録や修理歴など含めて現オーナー様が把握している範囲でのコメントと事故歴の有無含めて取材しております。
この中にはオーナー様が知り得ない事柄もあり、またエンスーの杜でその裏付けをとったものではないため、コンディションや走行状況も担当者の主観によるものです。
本記事は2026年4月18日現在の状態を掲載しております。それから時間の経過とともに写真や記事の内容に変化が生じる場合がございますことをご承知おきください。
掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお、現車確認はあくまで「購入を前提」として検討されているお客様のみとさせて頂きます。
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以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。 |
| 290万円 |
| 画像クリックで拡大出来ます |
あえて選んだマルチバン |
緑の中にカリビアングリーンが映える |
水平に伸びるラインが際立つ、潔いほどシンプルなシルエット |
シンプルなボクシースタイルの中に、どこかワイルドな気配 |
頼れる相棒としての安心感 |
積み、使い、走るためのリアデザイン |
黒いところはしっかり黒く、コントラストが鮮やか |
オーニングはキャンパーとしての必須アイテム |
レンズ類もキレイ |
バンパー下をカットした結果、タフな印象に |
左側面のキズ |
サイクルラック奥にある軽いヘコミ |
4輪に希少な純正マッドフラップが備わる |
ダンパーはビルシュタインが入っているよう |
サビ、ヒットの痕跡はない |
下回りにも傷みは見られない |
FFヒーターの排気管 |
お気に入りのシャレが効いたエンブレム |
シートカバーは縫い付けてあるので、ずれにくい |
助手席はベースを変えて回転式に |
内張も傷みはない |
アイポイントの高さがイメージできる |
乗り込むと言う感覚のステップ |
カバーの隙間から見る限り座面に傷みはなさそう |
ポップアップの開閉はここから |
リフレッシュしたステアリングは艶やか |
この頃のドイツ車らしい機能的なインパネ周り |
スケボーの積層を生かしたシフトノブ |
ここに付けたアシストグリップは地味ながらもかなり便利 |
セカンドシートを付けた状態ではこのような対面スタイル |
助手席を回転させたこのスタイルはゆったり空間 |
ここからの眺めはかなりルーミー |
ギャレーがないためサードシートは広くゆったり |
右側のテーブルは自作品 |
2箇所のオリジナルと追加した照明で夜は十分な明るさに |
このパネルから電装の操作がひとつに |
ポップアップの生地は張り替えにより、しっかりしている |
大人でもしっかり使える、実用的な就寝スペースが現れる |
車内側の生地も汚れはなく、清潔感がある |
網戸も破れはない |
床板を一枚上げれば、立って着替えができる |
セカンドシート用に敷き込んだレール |
オーニングの生地も傷みはなし |
ベバストから変更した灯油式のFFヒーター |
バランスのよさに定評のある2.5リッター直5エンジン |
重いリアゲートを支えるダンパーはしっかりしており、支えは不要 |
このクルマが道具であることを静かに物語るディテール |
床下にはこのように断熱材を入れてある |
オーニングを広げれば、そこには快適なアウトドア空間がすぐに完成 |
オーニングからもれる、やわらかな行燈の光のもと、家族との時間がゆっくりと流れる |
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