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取材日2025年9月6日 |
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↑↑↑上記アーカイブ動画、是非音声ありでご覧ください・・・。
「手で描いたデザインでないと絶対に表現できない・・・、CAD中心の今の自動車デザインではもう二度と現れることがないであろう・・・。」 真夏の太陽の下、トライアンフらしいオリジナルカラー、ダムソンレッドが太陽光線を浴びて、ミケロッティが感性で描いた流麗な長いノーズの表情が刻々と変化する様子は、眺めているだけでも感銘的・・・。 サイドラインは1960年台の英国車にみられる、リア・フェンダーからボリューム感たっぷりに盛り上がるデザインの残響を見せながら、テールエンドに至ってはまさにTR6最大の見どころで、仮想ロングテール“コーダ・トロンカ”処理が施され、流麗なロングテールを途中で切り落とすことで、 学生時代から英国車に強い憧れを抱いておられたというオーナー氏・・・。 この75年式の個体を手に入れたのは、今から5年前のこと・・・。 奥様もまた、かつてクラシック・ミニを愛用されていたとのことで、いつもガレージでTR6を一緒に整備したり、出かけたり・・・。 これは、5年以上手厚いメンテナンスを受け、家族同様に大切にしてこられた一台のTR6・・・。 そこには単なる旧い英国車という姿だけではなく、稀有なデザイン含め、自動車文化そのものを愉しみ尽くした軌跡が明らかに存在します・・・。 次章では、その源流・・・、トライアンフという名が築いた歴史と、TR6の系譜から、更にこの貴重な一台を深掘りしてご紹介して参ります・・・。
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戦後の英国スポーツカー史を語るとき、トライアンフの名を外すことはできません・・・。 そのトライアンフによるTRシリーズの誕生は1953年の「TR2」に遡ります・・・。 周知の如く、シリーズ誕生以来、TRは英国車の一つの文化的象徴ともなります・・・。 なぜトライアンフはミケロッティにTR4のデザインを依頼したのか・・・? 1950年代後半、トライアンフ社は北米輸出を中心とした戦後のスポーツカー市場で急速に成長していました・・・。 しかし1950年代末、アメリカではすでにスポーツカーの近代化の波が押し寄せおり、ジャガーEタイプ、MG-A、そしてイタリア勢のアルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダーなど、より洗練されたスタイリングと快適装備を備えた車が続々と登場していたのです・・・。 当時のトライアンフ社長、サー・ジョン・ブラック氏は、こうした時代の潮流に対応すべく、「古典的ロードスターから脱却し、イタリア的モダンデザインを纏ったグランドツアラーへ進化させる必要がある」と強く感じていました・・・。 その答えが──イタリア人カロッツェリアの巨匠ジョヴァンニ・ミケロッティ氏へのデザイン依頼だったのです・・・。 1957年、トライアンフはミケロッティにTR3をベースにした「プロトタイプ・クーペ」のデザインを試作として依頼します・・・。 TR4は結果として、英国車でありながらイタリアの美意識と、英国の自動車工学が融合した初の“インターナショナル・ブリティッシュ・スポーツ”として高く評価され、そのデザインDNAは、このTR6にまで連綿と受け継がれてゆくことになります・・・。 TR4は、当時としては画期的な直線基調のデザインを持つもので、フラットなボンネットと張り出したフェンダーライン、そして美しいサイドのプレスラインが特徴・・・。それはもはや“スポーツカー”というよりも、“グランドツアラー(GT)”の風格を備えていたものでした・・・。 その後TR5では、ミケロッティのデザインを受け継ぎつつ、機構的にもさらに革新が進みます・・・。 しかしながら、他メーカー同様・・・、第一次オイルショックなどを経験し、自動車を取り巻く環境はいつも刻々と流れを変えて行くもの・・・。 そこで採られたのが、TR5のボディ構造をそのまま流用し、フロントとリアのエクステリアのみをドイツのカロッツェリア、カルマン社に委託するという手法でした・・・。 その結果、TR6は「イタリアン・エレガンス」と「ドイツ的合理性」を融合した、極めて完成度の高いデザインを手に入れました・・・。 TR6の心臓部に搭載されるのは、トライアンフ伝統のブリティッシュ・シックス・2.5リッター直列6気筒OHVエンジン・・・。 英国仕様のTR5が、初のルーカス製メカニカル・インジェクションによって150bhpを誇ったのに対し、TR6では当時の北米排ガス規制に対応するため、ゼニス・ストロンバーグ製CD175ツイン・キャブレターによる吸気システムが採用されました・・・。 また、このもう二度と今後作られることないエンジンこそTR6を心から楽しむ重要な要素・・・! アルミ合金製ロッカーカバーの下に鋳鉄製ブロックを持つ、堅牢なプッシュロッド駆動の古典的OHV方式は、現代的なOHCに比べるとものすごくシンプルですが・・・、なんと言っても機械としての“密度感”と金属的フィーリングが味わい強く感じられるもの・・・。 この75年式の個体もツイン・ストロンバーグ・キャブの同調がバッチリ取れており、アクセルオンでのフィーリングは格別・・・! そうこのクルマは・・・、眉間に皺を寄せて、見えない彼方を必死に見開きながら6000rpmを超えて無理に回すような性格で全くありません・・・(笑)。 低いボンネットに収まった、この古典的ブリティッシュ・シックスを眺めるのもまた味わい深いもの・・・。 トランスミッションは堅牢な4速+オーバードライブ付きで、3速と4速でオーバードライブが機能する独特のものです・・・。 シャーシは、60年代英国スポーツカーを表現する“バックボーン・フレーム”をベースに、TR4A以降の独立懸架サスペンションをモダンに採用・・・。 ブレーキはフロントがディスク、リアがドラム・・・。 総じてTR6は、決してものすごく速いクルマではありません・・・。
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ブラウンの要素を帯びた濃厚なバーガンディ(トライアンフカラー・ダムソンレッド)は、英国車の伝統とイタリアン・デザインの気品を絶妙に融合させた色調であり、このクルマの時代と文化を象徴する存在でもあります・・・。 シャーシ番号CF35089UO・・・ ボンネットを開けると、そこに鎮座するのはトライアンフ製2498cc直列6気筒OHVユニット。 シャーシには防錆処理としてシャーシブラックが丁寧に塗布され、下回りの状態も極めて良好です・・・。足回りはフロント・ダブルウィッシュボーン/リア・セミトレーリングアームの独立懸架・・・。 ホイールはオリジナル15インチのスチールリムに、ハイトの高いタイヤ(215/65R15)が装着されています・・・。 各種クロームリングの輝き・・・、グローブをしていても触れるという、大きめのスイッチ類の質感、そしてレバーの手応え・・・、どれもが半世紀の時を経てなお生き生きとしています・・・!
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取材中にオーナー様が語られたコメントが印象的でした・・・。 ミケロッティの美学とカルマンの現実主義が交錯する狭間で生まれた英国製トライアンフ最終進化型グランツーリスモ・・・。 ちょうどこの原稿を書いている真っ最中に新たなご家族の誕生を迎えられたオーナー様・・・(本当におめでとうございます・・・!) 撮影中も、合間を見てはこのクルマを磨いておられたオーナー様・・・、手放すことは決めたものの、「次の想いを引き継いでいただける、新オーナー様との素敵な出会い・・・。」があってこそ、「この人ならば・・・」と託されることと思います・・・。 イタリアの美学とドイツ的現実主義が融合した英国生まれの稀有なグランツーリスモに心奪われる・・・!1975年式トライアンフTR6は、直6エンジンが生み出すビッグ・トルクと、乾いたエキゾーストが風と一体化する一台だった・・・! 是非オーナー様の想いに触れる貴重なトライアンフTR6見学にお越しください・・・。
個人間売買のため、消費税や諸費用等はかかりません。 【お問い合わせに際して・・・】 過去の整備記録や修理歴など含めて現オーナー様から詳細ヒアリングを実施、事故歴の有無含めて取材しております。大きな事故歴があった場合、また現オーナー様の所有歴が極端に短く詳細がわからない場合は取材をお断りし、購入されるお客様に可能な限り安心をお届けする工夫を実施しております。 本記事内容は、2025年9月6日晴天下10時より、約3時間の取材時間の中で、オーナー様インタビューしたものを元に執筆作成したものです。かぎられた時間での確認につき、現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があります。また執筆内容に関しても全て裏づけを取ったものでは無く状態等のコメントも、あくまで取材時の天候状況及び筆者の主観によるものという事ご承知おき下さい。 掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお個人間での取引となりますので、冷やかし防止のため、現車確認はあくまで「購入を前提」として検討されているお客様のみとさせて頂きます。 何卒宜しくご検討下さい。 |
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以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。 整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。 |
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390万円 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
画像クリックで拡大出来ます | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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