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旧規格軽自動車は”ライトウエイトスポーツカー”だ。
「軽いクルマは、もう二度と生まれない。」
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スズキ セルボモード E-CN22Sについて、少し時代背景についてもご説明しておきます。
1998年以前、日本の軽自動車は「全長3.3m・全幅1.4m・排気量660cc以下」という、世界的にもきわめて小さな規格のもとで開発されていました。
この枠組みの中で、メーカー各社は驚くべき創意工夫を凝らし、走ることの楽しさに満ちたモデルを次々と世に送り出しました。
小さく、軽く、よく走る──それが旧規格軽の最大の魅力でした。
スズキ セルボモード E-CN22Sも、そんな“走りの喜び”を体現する一台。
車重はわずか640kgほど。
5速マニュアルとキャブレター式F6Aエンジン(最高出力: 52ps/7000rpm)が生み出すドライビングフィールは、現代のどの軽にもない「軽やかさ」と「一体感」に満ちています。
「クルマが自分の体の一部になるような感覚」――
それを味わったことのある方なら、このセルボモードのハンドルを握った瞬間、きっと懐かしい“あの頃”を思い出すはずです。
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スズキ セルボモード E-CN22Sに宿る“あの時代の歓び”
キャブレター×NA×5速MT ―― ピュアな走りが、ここにある
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スズキ セルボモード E-CN22Sに搭載されるのは、F6A型・キャブレター仕様の自然吸気エンジン(NA)。
電子制御が主流となった現代では味わえない回転フィールと、ダイレクトに応答するアクセルレスポンスが、このクルマの走りを際立たせています。
特筆すべきは、NAエンジンならではの「引き出す楽しさ」。
ターボのような即効性こそありませんが、回転を積み上げていくごとに立ち上がるパワーと、それに呼応するエンジンの鼓動。
その一つひとつが、ドライバーの操作に応える快感へと変わっていきます。
だからこそ、このクルマには5速マニュアルという選択がよく似合います。
軽量なボディとの相乗効果で、ギアをつないでいくたびに軽やかに加速していく感覚は、まさに“操る歓び”。
走らせるたびに、「軽さ」が性能であることを実感できるでしょう。
さらに注目すべきは、その軽さゆえの懐の深さ。
高速道路でも120km/h巡航が可能という頼もしさを備えながら、日常の移動では常に軽快で素直な挙動を見せてくれます。
「速さ」ではなく、「気持ちよさ」を求める方へ――。
ターボにはない、じわりと染みる“走る味”が、この一台には詰まっています。
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希少な低走行・整備済・オリジナル度の高い一台
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そして、今回ご紹介するこの車両は、その中でも希少な低走行・整備済・オリジナル度の高い一台です。
写真では伝えきれない美しい外装と、当時の質感を残す内装。
そして、ガレージ保管と徹底整備によって保たれた機関系。
冷房はR134a化され、クラッチや冷却系もしっかり整備済。
まだまだ“走って楽しめる旧車”として、次のオーナーを待っています。
ただ古いだけの車ではありません。
「軽とは、本来こういうものだった」
そう語りかけてくるような一台です。
ぜひ、現車をその目でご覧になってください。
あなたの記憶と感覚が、静かに目を覚ます瞬間になるはずです。
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1998年、軽自動車の旧規格は安全基準の強化とともに終焉。
そして、失ったもの:「軽いからこそ」のドライビングプレジャー
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軽自動車にもより高い「安全性」が求められるようになり、衝突安全基準への適合が課題となりました。
1998年10月、それまでの規格は廃止され、軽自動車はひとまわり大きな新規格(全長3.4m、全幅1.48m)へと移行。新規格の導入によって、確かに軽自動車は進化しました。室内は広くなり、衝突時の安全性も格段に向上。
しかし、その代償は決して小さくありませんでした。
旧規格軽の車重は、わずか600kg前後。
それが新規格では800〜900kg台へと一気に増加し、かつての軽快さは確実に薄れていきました。
軽さは性能そのものではありませんが、「操作に対する反応の良さ」や「走りの一体感」は、軽さの恩恵があってこそ生まれるものでした。
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旧規格軽は「クルマ好きのための文化遺産」として
再評価されています。
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セルボモードは、速さを競うクルマではありません。
けれども、「走らせて楽しい」という価値においては、現代の車よりも遥かに優れています。
それはまるで、刃物のようなキレと、人懐っこい温もりが同居した乗り物。
機械と人が向き合っていた時代の名残を、ぜひあなたの手で確かめてください。
年式を聞いて驚かれる方が多いほど、外装・内装の状態は極上。
保管環境と丁寧な扱いが、このコンディションを実現しています。
旧車に不安を感じる方こそ、まずは“現車確認”をおすすめいたします。
今では珍しい、10万km以下&良コンディション個体
このセルボモードは、走行9万km台という極めて希少な低走行車。
長年屋根付きガレージ保管で、ボディの塗装ツヤも良好、加えて定期的に整備が行き届いた“生きた旧車”です。
今、キャブ車の整備済み個体を探そうと思っても、状態の良いものは非常に少ないのが現実。
「乗って楽しめる旧車」をお探しの方にとって、この一台はまさに“出会い”でしょう。
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スズキ セルボモード E-CN22S 整備内容一覧
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【令和6年7月3日実施】
単なる「通すための車検」ではなく、故障予防とリフレッシュを兼ねた実用整備が徹底されているという点です。エンジン、冷却系、駆動系、足回り、電装、視界、車体シーリングといった走行性能と信頼性に直結する項目を余さずカバーしており、「整備済み車両」として高い評価に値します。
●オイルエレメント交換 ●ドレンパッキン交換 ●ワイパーゴム交換
●ウォーターポンプ水漏れ → 交換 冷却水循環の中枢部。水漏れはオーバーヒートの原因になるため即交換。
●ミッションオイル交換 ギアの潤滑・保護のためのオイル。MT車にはとても重要。
●ファンベルト交換 エアコンや発電機を駆動するベルト。劣化は切断のリスクがあるため予防交換
●サーモスタット交換 冷却水の流れを制御。壊れるとオーバーヒートや暖房不良の原因に。
●アッパーホース交換
●ラジエーターファンスイッチ交換
●フロント右ロアボールジョイントブーツ交換 足回りの可動部。ブーツ破れはグリス漏れ・ガタの原因に。車検NG項目。
●ルーフモール交換 左右ルーフシール交換 屋根部分の雨仕切り。経年で劣化し、雨漏りや風切り音の原因に。
●ステアリングハンドル位置ずれ調整
●ラジオスイッチ交換
●ランプバルブ前後交換
【令和6年7月30日実施】
●エアコンコンプレッサー交換 冷房の中核部品であるコンプレッサーを交換。異音や冷え不良の根本対処。旧車では必須の修理項目。
●コンプレッサーオイル補充 コンプレッサーの潤滑用オイル。これがないと新しいコンプレッサーの寿命が著しく短くなる。
●エアコンガス充填 冷媒(R134aなど)の再充填。ガスが不足していると冷えが悪くなる。リフレッシュの基本工程。
●Oリング交換 エアコン配管の継ぎ目に使われるパッキン。経年劣化で冷媒漏れを防止。丁寧な整備を示す証拠。
●R134aは現在のエアコン整備・補充において最も一般的な冷媒であり、旧規格(R12など)からの移行は旧車維持のうえで非常に重要です。古い車両では、R12がすでに生産中止のため、補充が困難かつ高額になっており、R134a化は「今後も冷房を使い続けるための現実的な対策」。エアコンコンプレッサー、ホース、Oリング類がR134a対応に交換済みであるかを確認できれば、長期使用の安心材料になります。
【令和7年2月26日実施】
●クラッチディスク一式修理
クラッチの摩擦板(ディスク)を含む一式を整備。スムーズな変速を回復させる重要作業。
●クラッチレリーズベアリングにスプリング取付
ペダルを踏んだ際にクラッチを切る力を伝えるベアリングに補助バネを装着。作動改善と戻りの安定化。
クラッチ系の整備は部品代よりも工賃が高く、後回しにされがちな部分ですが、それをしっかり整備
特に「クラッチディスク&レリーズベアリングの整備+ミッションオイル点検」は、旧車を安心して“走らせる”ために欠かせない処置。整備記録として信頼性の高いポイントです。