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ポルシェ 911E 2.4 クーペ 1973年式

車検 2025年12月

走行 不明(メーター読み:30,279マイル) 備考アメリカ並行車、マッチング車両、メカポン、5速マニュアル、クーラー装備
長さ 417cm 161cm 高さ 125cm 重量 1120kg 排気量 2340cc
取材日2025年8月31日

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◆ナロー・ポルシェについて
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1963年のフランクフルトモーターショーにおいて356の後継である911のプロトタイプ“ポルシェ901”が登場します。
翌年から本格的に生産が開始されますがプジョー社が中央に0の入る3桁の数字によるタイプNo.を登録していたため、“901”という車名は使用できず“911”と改め発売を開始します。
エンジンは空冷水平対向6気筒エンジンをリヤに搭載、サスペンションはトーションバー式の4輪独立懸架の採用、ミッションは5段M/T、4輪ディスクブレーキなど高性能スポーツカーにふさわしい仕様となっており、発売と同時に好評を博します。

1965年にはより高性能なモデルを求める声に応じて911Sが登場します。911Sのエンジン901/02は、鍛造ピストン、強化コネクティング・ロッドの採用、バルブ径の拡大、9.8:1に高められた圧縮比、ウェーバーキャブなどの変更により、馬力が130HPから160HPへ出力アップ、最高速度が225km/h、0−100km/hの加速が7.9秒と高性能モデルにふさわしいスペックとなっていました。

1968年には従来のモデル911が911Lと名称が変更になります。またこの年、新たに911Tモデルが追加されます。これでモデルとしてはL、T、Sの3グレードとなります。この3グレードはエンジンのクーリングカバーでも区別ができます。Lは緑、Tは黒、Sは赤となります。さらにこの年スポルトマチックと呼ばれるセミA/Tが登場します。

1969年には911T以外のモデルにボッシュ機械式燃料噴射装置が採用されます。これにより911Lが911Eとなり、最高出力が140HPにアップ、911Sは170HPとなります。
1969年の8月に発表された1970年モデルではすべてのグレードのエンジンが2.2 リッターに拡大されます。これにより各モデルの最高出力は911Tが125HP、911Eが155HP、911Sが180HPとなります。911Sは最高速度230km/h、0−100km/hの加速が7.2秒をマークします。
1972年、年々に厳しくなる排ガス規制にため、エンジンの排気量が2.4リッターとなります。これにより各モデルの最高出力は911Tが130HP、911Eが165HP、911Sが190HPとなります。

1973年には注目すべき911RS 2.7が登場します。これは911のボディを軽量化し、2.7リッターエンジンを搭載したもので当時のカテゴリであるグループ4スペシャルGTとしてのホモロゲーションを取得するため、限定生産されたレーシングモデルのロードバージョンです。
911RSの最高出力は210HP/6300rpm、最大トルク26.0kg-m/rpm、最高速度240km/h、0−400mの加速が14.1秒と素晴らしいスペックとなっています。
また、RS2.7をベースにしたレーシングバージョン“RSR 2.8”が49台製作されています。RSのエンジンをボアアップ、排気量を2808ccとし、最高出力は308PS、0→100km/hの加速が4.1秒、0→160km/hの加速が9.2秒、最高速は265km/hという性能を発揮しました。
RSR 2.8は1973年のデイトナ24時間をはじめ、多くの耐久レースでGTクラス優勝を果たしています。翌年、ビックバンパーが登場し、ナロー・ポルシェの歴史は閉じられます。

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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介する車両は1973年モデルのポルシェ911E 2.4クーペです。

オーナーさんはショップから購入しています。
購入したときは未登録のアメリカの並行車だったため、新規で登録後、納車となります。

車台番号、エンジン番号のマッチング車両です。
ポルシェ社から発行の「CLASSIC TECHNICAL CERTIFICATE」もありました。
実車の番号も確認しています。

購入後、気になる個所の整備を実施します。
・エンジンオイル漏れが気になり、エンジン降して整備を実施、ガスケット類、ホース類を交換、メカポンの点検調整
・エンジンオイルクーラー交換
・足回り整備
・クーラーのコンデンサー増設(冷房能力アップ)

ボディカラーはモスグリーンメタリック、元色はシグナルイエローです。
アメリカで塗装しています。
元色が分かるのはフロントラゲージルーム内のヒューズボックス部だけです。
モスグリーンは1980年代のポルシェ911ターボで使用されていたカラーとお聞きしました。
大人のポルシェカラーですね。

ずっと乗るつもりで整備してきましたが、主治医からこのままポルシェに乗り続けると車椅子生活に・・・ドクターストップが入ります。
一旦離れると決意、エンスーの杜の掲載依頼となりました。

オーナーさんが過去に1971年モデルのポルシェ911Eを所有、メカポンの調整は難しく、その当時は、いいメカニックがいなくて苦労したそうですが、このポルシェは、いいメカニックに出会えたため、エンジンは完調ですとお話がありました。

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◆ボディ
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クリアもあり、きれいなボディカラーだと思います。
シャッター付きガレージに保管、乗るのは秋冬春、夏の間は休息期間です。
フロントスポイラー付き、リヤワイパーは外しています。
アロイホイールのサイズは6Jx15、タイヤはミシュランXWX、サイズは185/70VR15です。

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◆インテリア
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内装はブラックカラー、大変きれいなコンディションなのでインパネ、スイッチ類、シートなどをレストア、交換していると思います。
ドライバーズシートは現オーナーさんが交換しています。
AM/FMラジオが装備していますが聞くことはできません。
そのかわり、ブルートゥーススピーカーをシート下に置いています。
時計は作動していました。
クーラー用のコンデンサーを3個装着、クーラーはよく効いていました。

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◆機関
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オリジナルのエンジンだと思います。
下回りの汚れはなく、きれいな状態です。
エンジンは2回下ろしています。
ホース類はすべて交換、メカポン調整、エンジンオイルクーラー交換などの整備を実施しています。
◆エンジンの仕様
種類:空冷水平対向6気筒SOHC
総排気量:2,341cc
最高出力:165hp/6,500rpm
最大トルク:21.0kgm/5,200rpm

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◆足回り
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コニーのショックアブソーバーに4本とも交換しています。
車高を少し下げています。
◆足回り
ステアリング形式:ラック&ピニオン式
サスペンション形式(前):マクファーソンストラット+トーションバー
サスペンション形式(後):トレーリングAアーム+トーションバー
ブレーキ形式(前):ディスク
ブレーキ形式(後):ディスク

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◆メンテナンス
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以下にオーナーさんが購入してからのメンテナンスの履歴をご紹介します。
◆2025.2 コーティング
・クリスタルキーパー施工
◆2024.8 一般整備 21,500km
・エンジンオイルクーラー交換
・エンジンオイル交換(15W‐50)
・コンデンサー圧力漏れ検査
・エアコンコンデンサー設置(エンジンルーム1個、床下2個)
・運転席側ウインドウレギュレーターのグリスアップ、調整
◆2024.2 一般整備
・アイドル調整、エアー、6スロ、同調
・メカポン、アイドル調整、3ノッチ戻し
・点火時期調整、ATDC 10°→BTDC 5°→TDC 0°
・プラグ点検
・メカポン、アクセルOFFスイッチ、リレー点検修理
◆2024.5 一般整備
・エアコンガス充填
・車高調整、前後半周ダウン
・運転席キャッチ清掃
・メカポン、2ノッチ、リーン
◆2024.6 一般整備
・エンジンオイル追加(15W-50)
・5極リレー交換(エアコン用)
・BOSCHリレー交換
◆2024.10 一般整備
・エンジンオイル交換(15W-50)
◆2024.11 一般整備
・ヘッドライトゴム交換
・ヘッドライトインナーゴム交換
◆2023.4 一般整備
・フロントAアームブッシュ交換
・ターボタイロッド交換
・フロントショックアブソーバー KONI インサート交換
・アッパーマウント交換
・スタビブッシュ交換
・リンクブッシュ交換
・リヤショックアブソーバー KONI交換
・スプリングプレートブッシュ交換
・リヤハブベアリング交換
・スタビブッシュ交換
・リンクブッシュ交換
・車高調整 F 63cm R 64cm
・アライメント測定/調整
・ブレーキマスターシリンダー交換
・右ブレーキキャリパーバンジョー部Oリング交換
・ブレーキフルード交換
・ペダルブッシュオーバーホール(塗装、グリスアップ)
・シフトブッシュオーバーホール
・ボールソケット交換
・フリクションリング交換
・スライドブッシュ交換
・ハンドスロットル点検/調整
・オペレーティングレバー交換
・アイドル調整、エアー、6スロ、同調
・メカポン、アイドル調整、3ノッチ戻し
・点火時期調整、ATDC 10°→BTDC 5°→TDC 0°
・プラグ点検
・メカポン、アクセルOFFスイッチ、リレー点検修理
・エンジンオイル量追加
・ミッションオイル交換(75W-90)
・ボンネットチリ調整
・フロントドアストッパー交換
・ウインドウオープンハンドル交換
・エアコンガス充填
・マフラーガスケット交換
・エンジンオイル漏れ修理
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■エンジン整備■
・ブローバイガスガスケット交換
・Oリング交換
・オイルパンガスケット交換
・オイルリターンチューブ交換
・オイルプレッシャーリターンOリング交換
・インタミカバーガスケット交換
・フライホイールシール交換
・オイルクーラーガスケット交換
・フライホイールブッシュ交換
・フライホイールボルト交換
・チェーンカバーガスケットLH交換
・チェーンカバーガスケットRH交換
・チェーンカバースタッドボルト交換
・チェーンハウジングタイムサート加工
・タペットカバーガスケットセット交換
・タペット調整
・オイルプレッシャープラグOリング交換
・オイルプレッシャーホースLH交換
・オイルプレッシャーホースRH交換
・ユニットナット交換
・ファンベルト交換
・メカボン用オイルホース交換
・メカボン用オイルリターンホース製作
・オイルインテークホースターボ用交換
・オイルブリーザーホース ケースタンク交換
・コネクティングホース タンクエアクリ
・ブリーザーホース製作エアクリ
・エアクリボックス コネクティングワレ修理
・ヒーターホース メカポンサーモ外周
・ヒーターホース メカポンサーモ内周
・インジェクション Oリング交換
・メカポン トゥースベルト交換
・メカポン カッパーワッシャー交換
・メカポンシールキット交換
・インマニガスケット交換
・スロットルガスケット交換
・スターター用燃料ホース交換
・アクセルロッド交換
・アクセルリンケージブッシュ交換
・オイルタンクセンサーパッキン交換
・タンクセンサー調整
・エキゾーストガスケット エキマニ交換
・エキゾーストガスケット マフラー交換
・エキゾーストスタッドボルト交換
・ヒートエクスチェンジャー、マフラーセラミック塗装
・ヒーターホース ヒートEX-ボディ交換
・ヒーターホース EG-ヒートEX LH交換
・ヒーターホース EG-ヒートEX RH交換
・ヒーターホース ヒートEX-メカポンサーモ交換
・エンジンマウント/ミッションマウント交換
・エンジンハンガー溶接修理
・エンジン本体 パーツ洗浄
・クラッチリペアキット3点交換
・クラッチケーブル交換
・燃料ライン交換(フロント2本、リヤ9本)
・燃料タンク下部サビ止め塗装
・燃料タンクフィルター交換
・フューエルフィルター交換
・デスビキャップ、ローター洗浄
・プラグコード交換
・スパークプラグ交換
・エンジンオイル交換(15W-50)
・エンジンオイルフィルター交換
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・フロントブレーキローター研磨
・フロントハブベアリング交換
・ウインカーリレー交換
・ウインドウシール リヤクォーターLH交換
・ウインドウシール リヤクォーターRH交換
・バンパーガードゴム交換
・運転席シートリペア
・コールドスタートノズル交換
・オイルパン交換
・ストレーナー交換
・ブローバイ ブリーザー交換
・クラッチペダル テンションスプリング交換
・ペダルブラケット加工 溶接

点火系を改善しようと思い、123デスビスイッチ式を購入しましたが使いませんでしたのでストックパーツとして付けて頂けます。

シャッター付きガレージに保管、雨の日には乗りません。
車の調子を維持するため、たまに乗りますので走行距離が伸びることをご承知おき願います。

車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。

以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。
 2500万円
画像クリックで拡大出来ます
モスグリーンメタリックのボディカラー 
 
光の加減で色が変わって見えます 
ポルシェのスタイル、カッコイイですね 
 
 
 
フロントスポイラー 
ヘッドライトはヨーロッパ仕様 
 
 
4角のドアミラー(視認性がいいそうです) 
 
左サイドシルアンダーボディ部 
右サイドシルアンダーボディ部 
テールライト 
エキゾーストマフラー 
アロイホイール 
コックピット 
 
5連メーター 
 
 
 
 
 
ドライバーズシート 
パッセンジャーシート 
リヤシート 
ブルートゥーススピーカー 
 
天井、垂れ無し 
ABCペダル 
 
ドアパネルLH 
ドアパネルRH 
エンジンルーム 
エンジン番号打刻位置 
 
 
クーラーコンデンサー(エンジンフード1個) 
クーラーコンデンサー(床下2個) 
フロントラゲージルーム 
スペアタイヤ 
 
 
車台番号打刻位置 
フロントフード裏 
ジャッキ、ファンベルトなど 
各サスペンション部 


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エンスーの杜 愛岐オフィス
TEL/090-4853-3008(アサカワ)

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エンスーの杜車両問い合わせ
asakawa-m@msh.biglobe.ne.jp

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