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◆ポルシェ911(964)について
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1989年にポルシェ911はタイプ964として生まれ変わりました。964からは、快適な装備であるパワーステアリング、エアコンなどが備わり、またティプトロニックと呼ばれる新しいオートマチックトランスミッションも導入され、日本では当時の日本のバブル景気にも支えられ空前のセールスを記録しました。
ボディは一目で911とわかるように外観を継承、リヤのウイングは時速80km以上で自動的にせり上がり、15km以下で自動的に格納される電動式可動スポイラーが採用されました。
また機構的には初めて4WDが採用され、2WDモデルは1990年に発表されました。4WDモデルはカレラ4、2WDモデルはカレラ2と呼ばれ、見た目では後ろのエンブレムぐらいしか変わりませんが、ブレーキ系統が違い、カレラ2では通常のサーボに対して、カレラ4ではセンターとリヤのディファレンシャル用の油圧回路をブレーキの倍力装置としても使っていました。4WDと合わせてカレラ4のブレーキは現在の基準でもサーキットでもそのまま使えるほど強力無比なものでした。
1991年に追加されたターボモデルは、ボディは964となったもののエンジンは930時代のものとあまり変わらなかったことから不評を買い、改良されたターボSが81台だけ生産された後、1993年にカレラ2をベースとしたターボ3.6が発売されました。
その後、1994年にタイプ993にバトンを渡し、964は幕を閉じます。
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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介する車両は、ポルシェ911カレラ2のティプトロニックです。
現オーナーさんは、2010年に購入されます。
それから15年、苦楽を共にされます。
大きなメンテナンスとしては2019年に行なったエンジンのオーバーホール、エンジンオイル漏れが原因でしたとお話がありました。
メンテナンスはずっとポルシェ専門ショップで行なっています。
このポルシェ専門ショップはレースを得意としていますが、オーナーさんの意向でオリジナルを重視、楽しさと快適性を維持する整備を実施しているそうです。
見た目より機関を重視しているため、内外装は手を入れていないそうです。
エンジンOH後の走行距離は約5,000km、エンジンの吹き上がりもいいので、今がベストではないかな、と思っていますので、後は見学時に確認してくださいとお話がありました。
助手席にて試乗させて頂きました。通常ポルシェは、マニュアルでなければと言われることが多いのですが、マニュアルと比較してもティプトロニックは良く走るとなって感じです。また車体が軽い、ダイレクト感があり、スポーツカーの挙動を感じることができると改めて思いました。
屋根付きガレージに保管、雨の日には乗らなかったそうです。
売却理由は環境の変化により、あまり乗る機会がなくなってきていることが大きな理由と伺いました。
人気の空冷ポルシェ964、コンディションのいい個体が少なくなってきています。
一度は乗りたい空冷ポルシェ、今がチャンスかもしれません。
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◆外観
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ボディはきれいな状態ですが所々にキズがあります。
ボディカラーはアマゾングリーンメタリック、光の加減により、ダークブルーやダークグリーンへの変化が楽しめる希少なカラーです。
ライトレンズ類はきれいな状態だと思います。
バンパーにあるフロントサイドターンシグナルレンズ、フェンダーにあるサイドターンシグナルライトレンズはクリアレンズに交換しています。
フロントサイドターンシグナルレンズに割れがありました。
リヤガーニッシュは交換しています。
フロントガラスのバックミラー部にひび割れがありました。接着剤を注入しています。車検は通っています。
リヤワイパー付きです。
車体下部にアンダーフロアスポイラー(前後左右4個所)を装着しています。
アンダーフロアスポイラーはダウンフォースを発生させ、車体が浮き上がることを抑え、高速での走行安定性を向上させます。
アルミホイールは純正の993用17インチホイール、タイヤサイズはフロントが205/50R17、リヤが245/40R17です。
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◆内装
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ブラックの内装です。
シートは本革、全体的にはきれいな状態ですが、擦れやキズが多少見られます。
ドライバーズシートのシートクッションのステッチ部に破れがありました。
リヤシートのシートクッション部にタバコの火による溶け跡がありました。
インパネのグローブボックスの蓋が少し浮いています。
メーター、スイッチ類に不具合はありません。
天井に垂れはなく、エアコンも効いていました。
オーディオはカロッツェリア製のUSBポート付きCDデッキを装備しています。
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◆機関
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エンジンOH後、約5,000km走行、エンジンオイルの漏れなく、機関の調子もいいそうです。
◆エンジンスペック
・エンジン形式:空冷水平対向6気筒SOHC
・総排気量:3,600cc
・圧縮比:11.3:1
・最高出力:260PS/6,100rpm
・最大トルク:32.0kgm/5,000rpm
◆トランスミッションスペック
・ティプトロニック4速オートマチックトランスミッション
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◆足回り
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ノーマルの足回りです。
◆足回りスペック
・ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
・サスペンション形式(前):マクファーソンストラット+コイルスプリング
・サスペンション形式(後):セミトレーリングアーム+コイルスプリング
・ブレーキ形式(前後):ベンチレーテッドディスク
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◆メンテナンスについて
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以下にメンテナス内容を記します。(記録が残っているもの)
◆2015.7 車検 70,836km
・キルスイッチ取付け
・ブレーキフルード交換
・ドアスイッチスイッチグロメット交換
・ファンベルト、オルタネーターベルト、A/Cベルト交換
・フロント左右ロワーボールジョイントブーツ交換
・A/Cガス補充
・エンジンバルブクリアランス調整
・スパークプラグ交換
・フューエルフィルター交換
・バルブカバーガスケットset交換
・リヤワイパー&ブレード交換
◆2017.6 車検 72,073km
・エンジンオイル交換
・シールワッシャ交換
・ブレーキフルード交換
・A/Cガス補充
◆2019.7 車検 75,561km
・ABSリレー交換
・A/Cガス補充
・ブレーキフルード交換
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルエレメント交換
・シールワッシャ交換
・トランクフードダンパーステー交換
・エンジンフードダンパーステー交換
・フロントワイパーブレード交換
・リヤワイパーブレード交換
◆2019.12 一般整備 77,039km
○エンジンフルOH
・EXバルブガイド入替え 6
・バルブシート研磨 12
・バルブ献花 12
・バルブガイド内外径加工 6
○エンジン内交換パーツ
・スタッドボルト
・バルブガイド
・EXスタッドボルト錆付き加工交換
・ガスケットset(シリンダーヘッド廻り)
・ガスケットset(クランクケース廻り)
・ピストンリング
・コネクティングロッドベアリング
・ロッカーアーム
・ベアリング
・ピストンシリンダーset
・ロッカーシャフトset
・キャップボルト
・ワッシャ
・インジェクションホルダー
・P/Sポンプベルト
・ディスビキャップ
・ディスビローター
・ブローバスホース
・ファンベルトセンサー
・オイルフィルター
○油脂類
・エンジンオイル(EURO-R 10W50 SN)
・ATF
・P/Sフルード
○その他の整備
・E/Gスピードセンサー交換
・サウンドアブソーバー&左右リヤフードダンパー交換
・右内側ドライブシャフトブーツ交換
・フロント左右フードダンパー交換
・フューエルレベルセンサー交換
・フロントワイパーブレード交換
・リヤワイパーブレード交換
・リヤブロワーファン用ヒューズ交換
・ライセンスライトバルブ交換
◆2020.10 一般整備 78,426km
・パワーステアリングホース交換
◆2023.7 車検 82,163km
・エンジンオイル交換
・ブレーキフルード交換
・A/C高圧バルブ&低圧バルブ交換
◆2025.7 車検 82,232km
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルエレメント交換
・シールワッシャ交換
・ブレーキフルード交換
・A/Cガス補充
・フロントワイパーラバー交換
・フューエルリターンホース交換
・フューエル&油量メーターガラス交換
・スピードメーター内オドメーターギヤ交換
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。