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ロータス ヨーロッパ S2 1971年式
車検 一時抹消登録 走行 53,000km(メーター数値) 備考 右ハンドル 4MT 正規輸入車(国内新車登録)オリジナルコンディション
長さ 398cm 163cm 高さ 106cm 重量 660kg 排気量 1470cc
取材日2025年7月25日


「軽さ」こそが速さと駆る喜びの源
かのコーリンチャップマンはかく語る「Simplify, then add lightness.」(シンプルに、加わるものは軽さのみ)
この至言にロータスの設計思想が集約されており、そこから生まれるのは、走りを悦ぶことの純粋な価値観を伝える完璧なるスポーツカーである。

「106cm」驚異的とも言えるこの数値はS2の車高である。空気を切り裂くかのような低い低いプロポーション、ドライバーは地面すれすれの視線で路面と対話し、風はボディを撫でるように流れていく、それは駆ることの悦びを全身で浴びるために生まれてきたロータスヨーロッパの真髄であり、真のスポーツカーとしての存在を知るところである。

ここでロータスヨーロッパのモデル遍歴を少しばかり。
1966年に最初のモデルS1、タイプ46が「市販型ミッドシップスポーツカー」としてデビューを果たす。車重は610kgと走りに対しピュアで軽量なプロトタイプ的な存在であった。その後に誕生するのがS2、S1に比べ実用性とメンテナンスのしやすさを加えたバランスのよさが特徴であろう。のちに出るツインカムは明確なパワーアップモデル、軽量からくる性能はもちろん、より快適性を上げた仕上がりになっている。

今回の主役はS2、S1からの軽快さはそのままに、パワーウインドウを備えるなど質感を大幅に増し、クラシックスポーツを日常に引き寄せたバランスのよいモデルと言える。エンジンはルノー製1470cc OHV、ツインカムという響きもよいが、シンプルなOHVというのもクラシックの味わいのあるカムの位置である。
では、生産台数わずか3615台とされるうち、新車から日本にあったS2を見ていくことにしよう。

車検証の初年度登録には昭和46年7月の記載があります。まさに日本国内でその歴史を刻んできたのが、感慨深さを物語ります。
これだけの希少モデルですが、動態保存ならぬ静態保存とでも言うのでしょうか、不動の状態で引き取ってきたそうです。そこからは動態復帰に向け整備に取り掛かりました。

本来の走りを取り戻すべく、エンジン、足回りに手を入れています。その内容をお見せしますと、
■エンジンヘッドガスケット、前後オイルシール、カムシャフトシール交換(オイル漏れ修理
?■ウォーターポンプ、ラジエターコア、ベルト/シリコンタイプウォーターホースセット交換
■スターター交換(ハイトルクタイプ)
■ブレーキマスターシリンダー、キャリパーピストン、シール、リアホイールシリンダー、前後サイドブレーキワイヤー、全ブレーキホース交換

モディファイは一切加えず、オリジナルスペックを引き出しています。それでもスターターにハイトルクタイプを添える辺りは、扱いやすさも考慮入れたと言えます。
エンジンは見た目にもキレイになっており、新車時の無垢な印象を受けます。

いかにも空力を意識したのが見て取れるワイドでフラットなボディライン、それを形成する軽量なファイバーボディがヨーロッパの外観の特徴。それを赤で表されているのは鮮烈な印象を受けます。ツヤは申し分ありません。ただ、間近で見るとFRP特有のスクラッチやブリスターが散見されました。またFガラス下部にクモリが見られましたが、ただこれは視界を妨げるような位置にはありません。フロント・リアのガラスシールラバーは交換しています。また、メッキパーツの前後バンパー、ホイールキャップ、ホイールリングは再メッキを施しましたので、それらしい輝きです。外装のこの状態は年式とファイバーボディの特性を考えれば仕方のない範疇かもしれません。遠目にはツヤが勝ってさほど目立ちませんし、メッキがしっかり光っているので、オリジナル感を快適に味わえるのではないでしょうか。

シンプルながらも上質さを感じさせる内装は、機能性も考えられているのが見て取れます。イギリス車らしい木目を配したダッシュ、センターに並んだスミス製メーターが、機能美とクラシックスポーツの味わいが両立しています。高いセンタートンネルからはえる細身のシフトレバーは操作性も独特です。これらはオリジナルが保たれており、ウッドパネルにヒビがあるものの、当時を味わうには適したコンディションと見えます。シートは両座とも傷みはなく、ヘタリも感じませんでした。唯一オリジナルではないのがイグニッションキー、こちらは故障しており純正部品を探すも見つからないため、やむを得ず別にスイッチを設けて対処しています。パワーウインドウは左右とも当初不動でしたが、修理をして現在はキチンと動作します。

現在は一時抹消の状態です。車検は別途費用にて取得可能です。

さて、ここからは静態から動態へと復活を遂げたS2の走りを実際に体感した印象をお伝えします。
助手席に同乗と相成りましたが、ドアを開け乗り込む所作から小さな儀式の始まりかのようです。軽いドアを静かに開け、身を屈めながらシルを跨ぎ、足を滑り込ませる。シートに腰を沈めれば視線は一気に路面へと近づきます。カラダはグッと沈み込み包み込まれるかのような空間、木目のダッシュと整然と並ぶスミス製メーター、英国のクルマである空気を感じながらS2は走り出します。異次元のアイポイントの低さはいつもの風景も違って見えるのを体感する瞬間です。ルノー製OHVの心臓は必要にして十分な印象、スポーツカーとしては控えめですが、澄んだ排気音を残しスムースに軽い車体を進めていいきます。街中でもぐずる気配は一切なく、しっかり整備がなされた結果を見ることができます。

以前筆者も別のヨーロッパを運転したことがあるのですが、驚いたのは鼻先の軽さでした。ステアリングを切ればスッと向きを変えてくれる、この小気味よさが心地よかったのを思い出しました。強烈な加速とか絶対的なスピードとか、そこじゃあない、交差点を曲がるだけでも自分を中心に行きたい方向に向かう感覚は、ミッドシップレイアウトと軽さの賜物、全てはコーナーを素早く抜けるためのチャップマンの設計と思想は、レースシーンでハイパワー車をコーナーで追い詰める様をリアルに想像させます。この感覚を街中でも、誰でも味わうことができる、50年も前の空気と温度が蘇るようです。ただ速さを求めるものではない、快適性も無視されていない、そのムリのないバランスのよさが「駆る悦び」という純粋な価値観をもたらせる。その走りの中に息づくのは、チャップマンが生涯求め続けた“軽さ”という思想。その真髄を垣間見る印象を受けました。

昭和46年式、まだ日本ではミッドシップスポーツが珍しい時代に、このS2は新車の輝きを纏いながら海を越えやってきました。あれから半世紀あまり、時代は流れ、街並みの移ろいを見つめながら時を重ねてきた1台です。一時はガレージの奥で静かに眠っていた時期もありましたが、今再び息を吹き返し、慣れた日本の道と陽の下へ舞い戻ってきました。走りだけでない、日本で生きてきたその歴史をまとう存在感こそが、このS2の最大の魅力と映りました。

新車から日本にいるS2は現在埼玉県さいたま市にあります。

本車両は法人名義ですが車両価格には消費税が含まれます。購入の際には車検取得費や登録費用が別途かかります。詳細は下記までお問い合わせください。

【お問い合わせに際して】
このページの車両は、クルマの個人売買情報サイト「エンスーの杜」に掲載されたものです。
エンスーの杜は自動車販売店では無く、広告代理店であり掲載車両は個人所有の物で、オーナー様のご依頼により取材を行ったものをFOR SALEとして掲載しています。
過去の整備記録や修理歴など含めて現オーナー様が把握している範囲でのコメントと事故歴の有無含めて取材しております。
この中にはオーナー様が知り得ない事柄もあり、またエンスーの杜でその裏付けをとったものではないため、コンディションや走行状況も担当者の主観によるものです。
本記事は2025年8月22日現在の状態を掲載しております。それから時間の経過とともに写真や記事の内容に変化が生じる場合がございますことをご承知おきください。

掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお現車確認はあくまで「購入を前提」として検討されているお客様のみとさせて頂きます。

以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。
750万円
画像クリックで拡大出来ます
1971年式 シリーズ2 
新車にて国内登録の正規輸入車 
オリジナル度が高い 
全高106cmの低いプロポーションが映える 
ヨーロッパならではのリアビュー 
4つの冷却ルーバーも特徴のひとつ 
空力が重視されたデザイン 
バンパー、ライトリングのメッキパーツが輝く 
ホイールカバー、ホイールリングも再メッキされている 
滑らかな曲線で描かれたボディライン 
リアバンパーも再メッキ、レンズ類もクリア 
ガラスシールは交換済み 
ドアも曲面で構成されているのがわかる 
タイヤサイズは165SR13 
ボディ全体にスクラッチがある 
フロントガラスのクモリ 
エンブレムは健在 
ボディ下部にも傷みはない 
希少な右ハンドル 
細身でクラシックなレーシングスタイルのステアリング 
オーディオは新車当時に国内で取り付けられたのであろう 
ウッドパネルにクラックはあるものの、剥がれや割れはない 
とても軽いドア 
シートは形状も独特 
パワーウインドウはキチンと左右とも動作する 
センタートンネルの高さが際立つ 
シートはしっかり張りがある 
メーターはキロ表示 
シフトフィーリングも特徴的 
センターコンソールパッドも状態は良好 
タイトなペダル間隔もレーシングカーに座ったかのような感覚 
イグニッション故障につき、始動はこちらのスイッチで 
潜り込むかのような乗り降りの動作もヨーロッパならでは 
スピーカーカバーも時代に合った味わいがある 
天井、バイザーも問題なし 
いかにもコクピットと呼びたくなるデザイン 
整然と並ぶスミス製の4連メーターが雰囲気を盛り上げる 
トランクがあるのは、日常でも使えるスポーツカーとしての位置付けの要素であろうか 
不動から蘇ったエンジンは見た目にもキレイ 
ハイトルクスターターにより始動性も良好 
シフトフィールはミッションにロッドで繋がっていることから由来する 
リアフードもとても軽い 
この位置に出るマフラーは目立ちすぎず、シンプルさを感じる 
フロントにはスペアタイヤと純正のジャッキ 
コーションプレートもキレイに残っている 
かの有名なスタビラーザー チャップマンは軽量化のため本当は外したかったとか 
油脂類の汚れが見られないのは整備された証し 
ヨーロッパと言えばこのリアガラス、走りのために視界を切り捨てたと言わんばかりの形状 
昭和48年の記録簿が残されていた 
当時の車検証入れにあったオーナーズブックは英語 


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