●ロータス エラン 1600 Sr1につきまして●
エラン(Elan )は、イギリスのスポーツカーメーカーであるロータス・カーズが1962年から1975年まで、製造していた乗用車です。エランのバックボーンフレームは、トヨタ・2000GTのシャシ設計にも大きな影響を与えたと言われています。また流麗なスタイリングは、1980年代末に登場したマツダ・ユーノスロードスターが手本にしたと言われています。
エラン Sr1は1962年に当初は1500ccで発売されました。後に1600ccに換装されて合計900台製造されました。Sr2と共にLotusNo.26でボディ形状はオープンボディに幌或いはハードトップを纏う形式で、Sr3(LotusNo35),Sr4(LotusNo45)はSr1,2とは異なって、クーペボディでオープンにするには屋根を取り去る形式、つまり、Drop Head Coupe(DHC)と呼ばれているので、Sr1,2とSr3,4は良く見ると違うボディ形状となっていることがわかります。
また、Sr1はテールランプが丸型4灯でSr2の横長形状と異なる形状、ウインドウはレギュレーターが無く手動で上下させる形式、メーターパネルにはラジオ用の穴は無く、グローブボックスも蓋が付いてないシンプルな内装となっているのが特徴的です。
●今回ご紹介するお車につきまして●
このお車は10000マイルの低走行、無事故車で、平成18年にイギリスのオークションで手に入れられて、日本国内ではオーナーさんのみのワンオーナー車です。
後述のとおりSr1では珍しい大変オリジナル度が高い希少な一台です。オーナーさんも気に入っていらっしゃって現在に至るまで20年程所有されてきましたが、複数台所有されており、あまり乗る時間がとれなくなってきたので、調子のいいうちに大事にしてくれる方に引き継いでいただければ、とのことで今回掲載の運びとなりました。
●外装●
やや朱色がかったレッドの外装は、63年当時のラッカーによるオリジナル塗装です。FRPボディなので一部塗装の浮きは確認できますが全体としては綺麗に保たれています。当時FRPボディは、ほぼ手作りなので表面が多少波打っている点が、オリジナル塗装の証でもあります。現在も雨天未使用、屋内ガレージでさらにボディカバーをかけて保管されています。
幌(ソフトトップ)も綺麗な状態で保管されており、使用可能です。
●内装、電装関係●
内装もオリジナルが保たれています。特にメーターパネル及びステアリングホイールがオリジナルのオイルフィニッシュ材のままなのは極めて稀少だそうです。スピードメーターは数年前に世田谷の日本計器サービスでオーバーホール済み、スピードメーターケーブルとドリブンギアも数年前に新品に交換済みです。現在もメーター類もオリジナルですべて正常に作動します。
●機関、足回り等●
ホイール、ホイールキャップはオリジナルでタイヤほぼ新品の状態です。
エンジンはOH済みで、OHの際にビックバルブ、ハイカム、ハイコンプピストン換装、オルタネーター換装、点火系はポイント式から電子式に換装、エグゾーストマニホールドはオリジナル、エグゾーストサイレンサーはステンレス製に換装、吸気システムはオリジナルでジェットセッティングはエンジンオーバーホールに合わせて調整済みです。また燃料ポンプは機械式から電磁式に換装されています。
熱対策も抜かりなく、冷却システムはオリジナルラジエーターに電動ファン追加に換装、オーバーヒートは真夏でも無縁です。撮影当日も気温33度の真夏日でしたが、始動、走行ともまったく問題ございませんでした。
現在もエンジンを含めて駆動系、ブレーキ、ステアリングは極めて良好でスムーズ
な状態を維持されていると思います。
●過去の主な整備履歴●
オーナーさんが所有された過去20年に渡る整備明細がございますのでご見学時にご覧いただけます。
主な履歴は下記の通りです。
(平成18年9月)エンジンOH、INバルブビッグバルブへ交換、タイミングチェーン、テンショナー、ウォーターポンプ交換、キャブレター(ウェーバー2)OH、フューエルポンプ電磁化
(平成20年9月)車検整備、オイル、クーラント交換、アッパーポイントジョイント左右交換
(平成21年4月)左右ドア下がり修理、バッテリー交換
(平成22年12月)ボンネットロック修理、エンジンマウント交換
(平成26年11月)イベント出走前点検、油脂類、クーラント交換、ベルト類点検調整、足廻り、ブレーキ類点検
(平成29年4月)スターターモーターOH、左右ドア落ち修理
(平成30年12月)車検整備、クーラント漏れ修理、エンジンオイル交換、クーラント交換
(令和3年1月)車検整備、エンジンオイル交換、ラジエーターロアホース交換、クーラント交換
(令和4年11月)車検整備、ブレーキ修理、エンジンオイル、オイルフィルター交換、フロント及びリヤブレーキホース交換、ブレーキフルード交換、デフオイル交換
(令和5年2月)タイヤ4本交換(ミシュランクラシック)
(令和6年12月)車検整備、スターターOH、ガスケット交換、エンジンオイル交換、クーラント交換、クラッチレリーズシリンダー交換、クラッチフルード交換、デフトルクブッシュ交換
●取材者私見●
一見して60年以上経過しているとは思えない綺麗なお車という印象です。朱色がかったレッドのボディは綺麗な状態を維持されています。内装も同様に綺麗なオリジナルの状態を維持されています。メーターパネル、メーター、ステアリングがオリジナルを維持されていてしかも綺麗に保たれているのは大変希少だそうです。さらにメーター類はすべて正常に作動します。オーナーさんが大事にお乗りになってきたことがお伺いできます。
車定期点検整備、車検整備はこの時代のお車が得意な懇意にされている整備工場で実施されており、現在も好調を維持されています。安心してお引き継ぎいただけるかと存じます。エラン Sr1でこれだけのコンディションのお車は大変貴重かと思われます。お探しの方はぜひご検討ください。
個人売買のため消費税はかかりませんが、リサイクル料金・自動車税月割り分相当をご負担いただきます。
現車は東京都内にあります。
上記は取材者の私見に基づくところもございますので、ご購入に際しては必ず現車をご見学の上でご納得されてからご検討ください。
なお、オーナー様ご多忙のため、ご見学については購入検討の方のみに限らせていただきます。