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◆フォルクワーゲン・TYPE1について
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フォルクスワーゲン・TYPE1は、1945年にkdFの残存部品により生産を開始、国策による公社ではなく、民間企業フォルクスワーゲン(VW)社として道を歩み始めます。
そして58年後の2003年7月にメキシコでの生産を終えるまで、単一車両としては他に類例がない2150万台が生産され、ワールド・スタンダードカーとしてその名を残します。この記録は現在も破られていません、今後も破られることはないと思います。
しかし、単一とはいうものの、改良は毎年続けられ、進化をしていきます。そのため仕様は無数にあり、区別をすることは難しいのですが大きく仕分けすると以下のように分かれます。
グループ1:リヤウインドウガラスがSPRIT WINDOW(1949−1953年)
グループ2:リヤウインドウガラスがOVAL WINDOW(1953年−1957年)
グループ3:リヤウインドウガラスがSQUARE WINDOW(1958−1966年)
グループ4:12V(1967年−1978年)
日本に正規輸入されたのは1953年モデルからです。梁瀬自動車(現ヤナセ)が105台輸入したことから始まります。「寒冷時の急な往診にも速やかにコールドスタートできる頑丈なドイツ製品」というキャラクターが開業医に好まれ、「ドクターズカー」として使われる例が多かったようです。そのため、昭和30年代には「お医者さんの車」として一般大衆にも知られる存在になります。
巷ではよくビートルと呼ばれますが、これは通称名、正式にはフォルクスワーゲン・TYPE 1と呼ばれます。TYPE 1とはフォルクスワーゲン社の1号車を示しています。
フォルクスワーゲン・TYPE 1は、その丸っこいボディと愛らしいフロントフェイス、シンプルなインパネ、空冷エンジンの独特なエキゾーストノートなど多くのエンスーの方
から愛される一台です。
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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介する車両は、アメリカ並行物のフォルクスワーゲン・TYPE1 1500です。
現オーナーさんは約3年前にフォルクスワーゲン専門店から購入します。
現オーナーさん、いつかは旧車に乗ろうと思っていたそうです。
そして、自分にあった旧車に出会います。
それがフォルクワーゲンタイプ1です。
選択理由は空冷エンジンであること、空冷エンジンは構造がシンプルで壊れにくいということが決め手でしたとお話がありました。
エンジン以外の機構も至ってシンプル、旧車の入門編にはベストチョイスかもしれません。
また、パーツの入手性もいいと聞いています。
購入時にショップでエンジンのOHをしているそうです。
休日の趣味の車とし長距離の旅行などに使用したこともあり、トラブルはなかったそうです。
色々楽しんで来られましたが環境などの変化により、車を売却することを決意、エンスーの杜への掲載依頼となりました。
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◆外観
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塗装は、オリジナルのままで55年経過していますので所々サビが見られます。
サビの出方は全体にありますが、酷いサビではなく、腐りなどもありません。
左フロントフェンダーと右リヤサイドパネルは板金塗装をしています。(塗装がきれいなので見てわかります)
右リヤサイドパネルは塗装のブリスターがありました。
メッキバンパーはオーバーライダー付き、多少のボツボツはあるものの輝きはありました。
全体のヤレ具合は年代を感じますが、この状態に価値を感じられる方にお勧めしたいと思います。
バックミラーは新しいですね。
タイヤサイズは165/80R15、ホイールはスチールホイール(4.5J)+ホイールカバーを装着、本来この年代のホイールサイズは4.0Jですが、この車両は4.5Jです。スペアタイヤのホイールサイズは4.0Jが装備しています。
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◆内装
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内装は、きれいな状態だと思います。
ただし、アメリカ仕様は、インパネの周囲にプラスチックの保護パーツが付くようですが、この車両には購入時より無かったそうです。
シート類は表皮を張り直しているため、破れや擦れはありませんでした。
オーディオは、AM/FMラジオを装備、フロントシートの後ろにスピーカー2個がありました。
シフトレバーノブはウッド製に交換していますが、オリジナルのものはありますので付けて頂けます。
ステアリングホイールのホーンリングの右側は割れています。
クーラーは装備していません。
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◆機関
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エンジンはエンジン番号からみますとナンバーマッチングしている車両と思われます。
エアクリーナーには寒冷時にサーモスタットとワイヤーで作動するホットエアコントロールフラップが装備、ディストリビューターはバキューム進角付きです。
オーナーさんからこの2つの装備がない車両が多く、オリジナルが好きな方にはお勧めですとお話がありました。
エンジンは一発で始動、アイドリングも安定していました。
キャブレターは、ウェーバーのシングルキャブレターを装備しています。
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◆足回り
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オリジナルの足回りです。
足回りの仕様は、サスペンションが前後ともトーションバー/トレーリングアーム式、ブレーキがフロントディスク/リヤドラム、ステアリングギヤボックスはウォーム&ローラ式です。
リヤの車高が経たり、下がり気味だったため、調整しています。
そのときに4輪のホイールアライメントも調整しています。
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◆メンテナンス
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オーナーさんが実施した整備の内容です。
◆2021.12 一般整備
・ドアシールラバー左右交換
・フロントフードシールラバー交換
・エンジンリッドシールラバー交換
・フレッシュエアコントロールボックスガスケット交換
◆2022.3 一般整備
・リヤトーションバーグロメット交換(内外左右)
・リヤ車高調整
・ポイント点検
・点火時期点検
・エンジンオイル交換
・フロントサスグリースアップ
・トー調整
◆2023.1 車検 66665マイル
・フロント足回り点検、グリースアップ
・ブレーキ点検、調整
・フューエルホース点検
・ミッションオイル点検
・エンジンオイル交換
・ベルト点検
・ポイント点検
・点火時期調整
・ハザードスイッチ交換
・4輪アライメント測定、調整
・スイングアクスル調整
◆2023.9 一般整備
・ワイパーピボットグロメット交換
・フロントフードハンドルガスケット交換
・ウインドウウォッシャーノズル交換
・ディストリビューターキャップ交換
◆2023.10 一般整備
・フロントシートカバー交換
◆2023.12 一般整備
・スパークプラグ交換、ギャップ調整
◆2024.2 一般整備
・エンジンオイル交換
・エアクリーナー清掃
・ポイント調整
・ファンベルト点検
・左右フロンシートフレームフック取付け
◆2024.6 一般整備
・ステアリングギヤボックスの内部清掃、オイル交換
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◆所感
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空冷の独特のエンジンは、ポルシェ(空冷のポルシェ)に通じるものがあり、音を聞いているとわくわくします。
エアコンが付いてないので夏は厳しいのですが、その時は3角窓を開けます。結構な風が入ってきますよ。それでもダメな方は扇風機の設置ですね。
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◆付属品
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以下の付属品がありますので付けて頂けます。
・オーナーズマニュアル(中古)
・ディストリビューターキャップ
・ファンベルト
・アクセルレーターケーブル
・クラッチケーブル
車両は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。