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◆カルマンギアについて
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フォルクスワーゲンの主要なラインアップは、タイプ1、タイプ2(バス)、タイプ3(セダン、ワゴン他)です。その中のタイプ1の派生車で流麗な2ドアスポーティーカーが今回ご紹介するカルマンギア・コンバーチブルです。
カルマンギア自体は1955年にイタリアのカロッツェリア、ギア社のデザインと、ドイツのコーチビルダー、カルマン社の技術の合作から生まれた車です。
初期モデルの特徴は少し低く位置するヘッドライト、2本ヒゲと呼ばれるフロントグリルと角テールライトで、ヴィンテージモデルとして根強い人気が有ります。
1957年にはコンバーチブルが追加、1959年にはヘッドライトが見慣れた一般的な位置へ、加えてフロントグリルが3本ヒゲに、テールライトも柿の種テールライトへデザインが変更となります。
1965年には1300ccへ、1966年には1500ccへ変わると同時に電装が6Vから12Vへ。
ホイールも5穴から4穴へ。この辺は同年のビートルと並行しています。しかしフロントにディスクブレーキが標準装備されたのは、カルマンギアだけでした。
1969年には1600ccへ、フロントウインカーレンズが丸型から横長の4角形に、テールライトも立体的に若干大きめになり、1970年にはエンジンをデュアルポート化、1971年には縦長の大型テールライトになり、バンパーも鉄道バンパーと呼ばれるものへ形状変更。1973年まで40万台以上が生産されました。
この車の最大の特徴は「カスタム」という文化を持つことです。ビートルと同じく改造しても価値を認められる傾向が強いです。もちろん角テールライトや初期の6Vモデルはヴィンテージとしてオリジナルを好まれる方もいますが、年代に関係なくローダウン、ホイールを交換、オールペンなど珍しくありません。また排気量アップ、キャブ交換、外観をキャルルック、ハイテックカスタム、ハワイアン、ヴィンテージカスタム、Proレーサー仕様、ドラッグ仕様、他さまざまで多岐にわたります。
因みに車名のカルマンギアは、ボディのコーチワークを担うカルマン社と車両デザインを手掛けたギア社のネーミングを組み合わせて「カルマンギア」と名乗ることになりました。
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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介する車両は1960年モデルのカルマンギア・コンバーチブルです。
現オーナーさんは、欧州車の専門ショップで購入します。
オーナーさんは若い頃、ビートル(タイプ1)に乗っていたそうです。昔からカルマンギアに興味があり、一度は乗っておかないと思い立ち、3年ぐらい探し求め、やっとの思いで今の車に巡り合います。
このカルマンギア・コンバーチブルは、オールペイント、内装張り替え、幌張り替え、クーラー装備、フロント車高ダウン、1.6リッターエンジンに換装など、レストアが仕上がった状態の車両だったのですぐに購入となったそうです。
休日のドライブカーとして楽しまれてきたのですが数年まえからトライクを乗るようになり、めっきり乗る機会が減ってきたそうです。
そのため、1年前には一時抹消、車庫に眠っていたのですが、これでは車が可哀想と思いはじめ、好きな方にお譲りした方がいいと思い、エンスーの杜への掲載依頼となりました。
購入後、以下の整備を実施します。
・ウェバーキャブレター交換(サイズアップ)
・インマニ交換(キャブ交換のため)
・ヒーター新設
※以前装着していた2基のキャブレターはありますので付けて頂けるそうです。もちろんインテークマニホールド付きです。
雨の日は乗らなかったそうです。
程度のよいカルマンギア・コンバーチブルは数少ないと思います。
ボディカラーも年代を感じます。いい個体だと個人的に思いました。
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◆外観
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恐らくドンガラにして、オールペイントしていると思います。大変きれいな状態です。
幌はジャーマン生地、破れなどはなく、リヤウインドウスクリーンも透明でした。
前後のバンパーはダブルバンパー、スチール製、輝きはありますがサビが見られます。
フロントバンパーのセンターに凹みがありました。
右フロントフェンダーのホイールアーチ部にキズ、右サイドモール部にキズがありました。
エンジンフードはヒンジ部にエクステンションを取り付け、少しすき間があくようにして、エンジンルームの熱を逃がしています。
フロントターンシグナルはクリアレンズに変更していますが、オレンジのレンズはあります。
フロントのフォルクスワーゲンのエンブレムは歴史を感じます。
ホイールはスチール製、ホイールキャップ付きです。
タイヤサイズは165/80R15です。
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◆内装
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ドアトリムとシートは、張り替えています。擦れもなく、きれいな状態です。
スピードメーターは、VDO製のマイル表示です。
燃料計は可動していましたが時計は不動でした。
オーディオはCDデッキが装備、シート後にスピーカーが2個あります。
クーラーの送風は、センターのエアアウトレットから吹き出します。
クーラーユニットはフロントラゲージルーム内に設置しています。
クーラーはよく効くそうです。
別体式ヒーターを設置しています。
エンジンが後にあるので、エンジン熱だけでは室内は暖まらないそうです。
ヒーターを稼働させる燃料タンクがシート後部に置いてありました。
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◆機関
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1600ccのエンジンに換装されています。
ウェバーのツインキャブレター仕様です。
トランスミッションは4速マニュアルです。
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◆足回り
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オリジナルの足回りですが、手は入っています。詳細はわかりませんが見る限り、フロントショックアブソーバーはビルシュタイン製に交換されていました。
車は岐阜県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用は、別途清算させて頂きます。