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フォルクスワーゲン・タイプ2(T1 コンビ) 1959年式
車検 2021年7月 走行 不明 備考 トランスミッション4MT 左ハンドル 車体番号4172XX(下2桁伏字)
長さ 428cm 179cm 高さ 178cm 重量 1030kg 排気量 1490cc
取材日2021年3月

今回紹介するワンボックス型ワゴンは、タイプ2とかワーゲンバスと呼ばれる、アメリカを中心に世界中で愛好家に人気のモデルです。
1950年に登場したタイプ2ですが、「ビートル」の愛称で世界的に愛された「1型」から派生したワンボックス型の小型乗用車&商用車です。つまり、ビートルのプラットフォームにワンボックスワゴンのボディを載せたミニバンということになります。エンジンは空冷式でリアに搭載され、後輪で駆動します。

今回のモデルは1950年に誕生したタイプ2第一世代(T1)のワーゲンバス。運転席と助手席に分かれた2枚のフロントウィンドウと、Vラインのフロントマスクが特徴のアーリータイプとなります。
様々なバリエーションがありますが、これはコンビと呼ばれるタイプで、7人乗りになります。

【所有されるまでの経緯】
オーナー様のこだわりで、ご自身の誕生年(1959年)と同じ年式のタイプ2を業者に委託して探され、アメリカのテキサス州の納屋で見つかったというこのお車を輸入し、日本でレストアを依頼して購入されています。アメリカでもこの年式のものは少なく、古き良き「フィフティーズ」の車ということで希少価値があり価格も高いとのことです。
アメリカの乾燥した土地にあったものですからボディの状態もかなり良かったようです。

車体はオーナー様の希望でロータスホワイト(色番L282)に塗装し、エンジンはリビルトエンジンに換装しています。この状態で国内新規登録されており、日本での初年度登録は2010年となっています(そのため自動車税の割増はまだありません)。

【外装】
ロータスホワイト(一般的にはアイボリーと言っていい色)のボディは艶も十分で色褪せ感や洗車傷なども少なく綺麗です。
タイプ2といえば塗り分けられたツートンカラーが頭の中に思い浮かぶのですが、派手なツートンカラーのように目立ち過ぎず、しかしクラシックさを感じるアイボリー色のセンスが素敵ですね。しかし、これでも道行く人の視線をかなり感じました。

ボディやフロアの腐食も無く、ボディの程度も上々ですが、錆が全く無い完璧な状態というわけではありません。窓枠などのエッジ部分の小錆や一部に塗装の痛みなどの年式なりの小さな欠点はいくつかあります。しかし、このお車に関してはそこが「味が出ている」と言ってもいいように思えます。ともかく、全体として見ると程度は良いです。
また、ガラスに紫外線防止(あるいは熱防止)の透明フィルムを貼られています。

【内装】
内装も外装と同様で、特に目立つ痛みも無く綺麗です。
フロアマットの下も確認しましたが、腐りなどはなく奇麗な状態でした。
内装も外装色同様のアイボリー色に、細身の大径ステアリング。
シートの状態も良く、破れやへたりは感じません。

前席シートもエンジンが座面下にあるキャブオーバー車とは違い、座面の厚みを十分に取れますから、ソファーのクッションのように柔らかくて良好な座り心地です。後席シートも同様で奇麗ですし、倒せばフラットになりますので車中泊にも最適ですね。
チェックの可愛いカーテンも付いており、明るく清潔感のある奇麗な車内がとても魅力的でした。

なお、取材時にはセカンドシートはありませんでしたが(タイプ2の場合、オーナー様同様に外して乗られている方が多いようです)、セカンドシートもありますので、画像にてご確認下さい。

【機関】
エンジン、足回り等、快調で問題はありません。結構長い距離を試乗させていただき、運転もさせていただきましたが特に気になるようなところはありませんでした。
矢のような直進安定性や、素晴らしいコーナリング性能、強力な制動力など、特筆するものは何一つありませんが、速くはなくとも車の流れには乗れますし、普通に運転できます。
62年前の車が普通に運転できて実用になるということを考えると素晴らしいなとも思いましたし、技術の進歩とはいったい何なのだろう?ということも考えさせられました。

また、リアエンジンで前席からエンジンまでの距離があるため、思いの外、車内もうるさくありません。
後付けのクーラーも冷たい冷気が出ており、前席は夏も涼しいとの事で、60年前の旧車だからと言って我慢を強いられることが無く乗れるのは有難いです。
また、エンジンは夏場のストール対策としてオイルサンプを付け、オイル容量を増やしています。

タイヤは荷重のかかる後ろ側が交換時期となっておりました。

【後付けパーツ】
・吊り下げ式クーラー
・CDデッキ、スピーカー

【整備履歴】
日本に輸入しレストア後は11年で約39,000Kmを走行されています。
2010年購入時 94414マイル(151,062Km)
2013年車検時 12267マイル(19,627Km)
2015年車検時 15130マイル(24,208Km)
2017年車検時 15989マイル(25,582Km)
2019年車検時 16500マイル(26,400Km)
2021.2.取材時 18682マイル(29,891Km)
購入後のTOTAL 24268マイル(38,829Km)

記録簿はあまり残されておりませんが、オーナー様が過去の整備記録をびっちりとノートに残されており、お車への愛情の深さがうかがえます。
整備に関しては、空冷ビートルを得意とする福岡の有名工場にてしっかりと整備されています。

今まで走行中に車が停まってしまうようなことも無く、重整備は無く維持されてきており、車検代は15万円〜20万円の範囲で収まっているそうです。
燃費は10〜12Km/lとのことでした。

使用状況ですが、オーナー様が所有されているのはこのお車のみで、普段使いもされています。高速道路を使って広島まで行かれたこともあるとのこと。
ただ、普段使いといってもあまり車には乗られておらず、雨天時はなるべく乗らないようにしているとのことでした。

ご家族でキャンプ等にも行かれていたとのことですが、お子様も巣立たれて夫婦二人になったため、小さい車に乗り換えるというのが売却を決められた理由です。

【取材担当者からの一言】
天気も良く撮影場所まで海岸線を走ったのですが、いつもの海がフロリダのように見えたのは私の気のせいでしょうか(笑)
撮影していて思ったのですが、どの角度から撮ってもホントに絵になる車です。思わず雑誌風に、いつもより少しお洒落に撮影してしまいました。

この車で車中泊しながら日本を旅して回りたい・・等、限り無く妄想が膨らんできます。
夢が膨らみ、大袈裟に言えば人生観が変わる車です。そんなに他人と競争せずに、おおらかに我が道を進もう。そんな気持ちにさえなってきます。
事情が許せば私も欲しいと思いました。

同じ価格で新車のミニバンを購入して、10年後の価格はいくらになっているでしょうか。一方、このお車の10年後は、車の価値は更に高まっているのではないでしょうか。
そう考えるとかなりお買い得なお車かと思います。

実車は福岡県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。

以上の記事内容は、オーナーさんのコメントと取材をもとに作成したもので、わかる欠点なども含めて記事を作成しておりますが、不具合箇所、整備履歴、修復歴などに関して取材時に完全に把握することはできませんし、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。エンスーの杜より無理に購入を勧めることはございませんので、最終的にはご自身でご確認の上、購入をお決め下さい。

SOLD
画像クリックで拡大出来ます
 
 
 
 
 
 
 
 
シンプルな後ろ姿
 
 
 
 
 
窓枠に小錆あり 
 
飛行機のようなフロントガラス 
 
運転席側フロアパネル 
 
助手席側フロアパネル 
 
 
後部フロアパネル 
 
 
 
 
 
奇麗なエンジンルーム 
ピカピカなホイールキャップ 
 
 
 
セカンドシート 
車に置くとこんな感じ 


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