こちらはかなりのレア車でトヨタ トヨエースベースのフォードＡ型レプリカです。
ベースのトヨエース(トラック)は３代目の形式がRY12です。
車検証もRY12改となっております。
エンジンはトヨエースの直列4気筒OHVの12R型エンジンで排気量は1587ccが搭載されております。
過去の記録簿から読み解くと初年度登録が昭和46年のトヨエース中古車(走行距離76,633km)をベースに昭和51年に中古のフォードＡ型本物ボディを載せて改造申請をして登録されたお車と言う事が解ります。
昭和51年当時の登録時書類をみるとフォードタイプＡセダンとの表記があり、乗車定員も4人となっておりますが色々な資料を確認したところこちらのボディはＡ型クーペです。
当時のクーペはリアのトランクフード開けたところにもシートがありキャビンの外でオープンカー状態でも乗れたようなので4名で登録していたのかも知れないです。
現在は抹消しておりますが令和5年９月期限の車検証では乗車定員も2名になっておりますので過去にその点につきましては更正しているものと思われます。

車自体はトヨエースのフレーム、足回り、エンジンなどをそのまま使用していて、ステアリングやペダル周りの位置をリンケージなどの変更により移植していると言った形で成り立っているようです。ステリングコラム、メーター周りもトヨエースのものが使用されております。
ホールベースもトヨエースが2600ミリでフォードＡ型が2628ミリでしたので載せ替えをするのには最適なシャーシだったのかも知れないですね。
ハブ周りもトヨエースのままなのでタイヤはトヨエースのハブに合わせたホイールが付いていますがトランク内にセンターロックに変換するアダプターがありましたので別途付属のセンターロック式のワイヤーホイールも履けそうです。

今回の取材時にはエンジンを掛けていないのですが昨年までは車検もあり、街中を乗れる状態であったとの事ですのでベースの車両を考えると機関は特にお金の掛かるような状態では無いかと思われます。
ボディに関しては元々が1928年発売のフォードＡ型クーペですので100年近く経っておりますので所々に鉄板に腐食が見られるのは致し方ないのかも知れませんね。
内装ではシートは現在、何らかの国産のモケットシートが付いております。
純正と思われるベンチシートも別途保管しておりますがリアのトランクを開けた状態で使用するリアシートもしくはフロントシートのいずれかは確認出来ませんでした。シート自体は生地などの張り替え作業が必要になるかと思われます。
クーラーは吊り下げ式のものが装着されておりますが換装時にしても48年前のものですので動作は期待できないと思われます。但し、新規に取り付けるにしても現在もクーラーが付いているのでホースの引き回しやコンプレッサーの設置なども全て新規に取り付ける事を考えたら作業のハードルは低くなるかと思います。

今回のお車はお父様より受け継がれた息子様が自分よりこの車を維持管理できる方に譲りたいとのご要望でエンスーの杜にてご紹介させて頂きました。
製作当時はＡ型フォードを普段使いに・・・。と言った趣旨で製作されたお車かと思います。
機関に関してはトヨエースですのでパーツなども純正部品の供給や流用なども利くと思いますので維持にはそれ程、手も掛からないと思われます。
ボディは走れる状態で維持しながらご自分でコツコツと直していくことも可能かと思われます。そのようなＤＩＹ型エンスーさんやお店のディスプレーに置いておきたいと言った方などエンスーさんならでは使い方を創造して頂ける方のお問い合わせをお待ちしております。

車は千葉県千葉市にあります。

個人の為、消費税はかかりません。