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スバル360 デラックス 1967年式
車検 2023年3月 走行 不明 備考 3MT 複数オーナー ETC
長さ 299cm 130cm 高さ 136cm 重量 415kg 排気量 350cc
取材日2022年10月4日

中期型のディテールを持ったスバル360デラックス、’67年式の程度良好車です。

1958年(S33)年3月に登場したスバル360は、旧中島飛行機を前身とする富士重工業が、その技術力と生産能力をもってして作り上げた画期的な軽自動車です。

従前の未熟と言わざるを得ないライバルの軽自動車たちをことごとく一蹴するほどのインパクトで、高度経済成長の波に乗りつつ12年もの長きにわたり販売されたスバル360は、富士重工のみならず日本の自動車産業の礎となったのでした。

富士重工らしく年次改良を重ね完成度を増していき、後継車であるR-2登場後も併売されたのち1970年(S45)5月に生産終了となりました。

●● プロフィール ●●

こちらの車両は、多くのエンスー車両を乗り継いできたオーナーさんが2021年12月に埼玉県の旧車専門店にて購入したものです。

購入時はオドメーター上で約85,500km、現在は約85,700kmですから、1年弱で約200km走行したことになりますね。

常に複数のエンスー車両があるため、走行距離はそれほど伸びていません。

初度登録は1967年(S42)ですが、フロントフェンダーのサイドターンシグナルランプが無いので、’67年式でもごく初期のものと思われます。

もちろん純正パーツを使った○○年式仕様といったモディファイも可能ですので、詳しい人の入念な判断が必要ではありますが、市場に流通している多くは後期型ですので、その意味でも希少なディテールを持つ仕様と言えますね。

加えて、’64年式(S39)以前のエンジンフード(横ルーバー)に変更されているので、より一層クラシカルな佇まいを持つ個体です。

●● 外装 ●●

概ねノーマル状態が保たれています。

おそらくどこかのタイミングでオールペンがなされているようです。

アクリル製のリアウインドウにはややキズが入っていますが、ガラス部分は概ね問題なく、ゴムモールやメッキパーツ、エンブレム類も年式を考えると良好です。

前述の通り、リアのエンジンフードは1964年式(S44)以前の横ルーバーのものに変えられています。

ホイールは4本とも良好です。

●● 内装 ●●

外装と同じく基本的にノーマルかつ良好に保たれています。

年式なりの小キズや劣化は幾つかありますが、ひと目見て目立つような大きなキズや凹みはありません。

気になる箇所としては、

・天井内張りの運転席上部付近にある破れ

・リアシートの補修跡

等が挙げられます。

フロントシートはどこかのタイミングで張り替えられているようで良好ですが、オリジナルと思われるリアシートよりも黒っぽい表皮が使われています。

シートベルトは運転席のみ2点式が備わります。

モディファイ部分としては、

・社外タコメーター(大森製)

・社外シリンダーヘッド温度計(VDO製)

・ETC

が挙げられます

●● 機関・足回り ●●

基本的にノーマルです。

モディファイで目につくところでは社外プラグコード程度で、オーナーさん自身では購入後何もしていません。

購入時の整備記録は、

@2021年12月

・車検

・左ホイールシリンダー脱着漏れO/Hキット交換

・ブレーキエアー抜きオイル交換

・ヘッドライト左右交換

・キーシリンダー 配線点検修理

となっています。

●● インプレッション ●●

ひと目見てコンディションの良さが伝わるようなキレイな状態です。

ややベージュがかったソリッドホワイトの塗装面は艶やかで、曲面の多いこの車のデザインを際立たせています。

エンジンフードは前期型の横ルーバーのものに交換されていますが、それがまたお洒落ですね。

小型のテールランプに横ルーバーのエンジンフード、サイドマーカーランプのないフロントフェンダーと、デメキンほどではありませんが随分とクラシカルな趣きです。

後ろヒンジ・前開きのドアを開けると、簡素ながら機能的なインテリアが広がります。

白ベースに青緑のシートや内張、スイッチ類、メーター枠など、単なる実用一点張りではない趣味の良さが伺えますね。

ステアリングもクロームメッキホーンリングが備わったタイプで、後期の黒色パッド付きホーンボタンよりずっと外装にマッチしています。

エンジンは一発始動、もちろん冷間時はチョークが必要ですが、いったん暖まれば至って安定し、穏やかで快い2ストサウンドを奏でてくれます。

助手席にて試乗させていただきましたが、超軽量の賜物か、大人2名乗車ながらスペックから想像するよりずっと活発に走ります。

一般道を走るぶんにはストレスなく走り、その独特のサウンドも相まって、法定速度で走らせるのが何とも心地よく楽しいですね。

その味わいに貢献しているのが乗り心地で、ふんわりしつつも粘る足回りの恩恵で、とても快適かつ現代の車とは全く異なる感触の走りが味わえます。

その走りは、当時の未舗装悪路を想定したトーションバースプリングによってもたらされた、軽量・コンパクト・頑丈・安価という技術要件と完全に両立しているというところにも感銘を受けますね。

そんなところからも名車の薫り漂う、走る文化遺産ともいえるスバル360は、令和の時代においても現役で楽しめるというありがたさも大きい1台と言えますね。

●● その他 ●●

コンディション維持のため、走行距離は多少延びていきます。

色調の微妙な違いや小キズ等の瑕疵が画像や動画ではわかりにくいため見学をお勧めしますが、オーナーさんご多忙につき購入を前提とした場合のみとさせていただきます。

●● まとめ ●●

言わずと知れた人気名車であるスバル360は、数こそ少ないものの探せば必ず買える車です。

とはいえコンディションや仕様を選んでいくと、あまりに選択肢が少ないことに愕然とします。

初期型のいわゆるデメキンも良いですが、プレミアがついているためとても高騰しています。

その点この車両はコンディションも良いうえに程良くクラシカルな仕様を楽しめ、しかもデメキンよりはずっと入手しやすいという三拍子揃った車と言えますね。

オーナーさんは車両入れ替えのため、売却を希望されています。

お車は、東京都練馬区にあります。

個人の為、消費税はかかりませんが、リサイクル料(2,880円)と月割りの自動車税のご負担をお願いいたします。

以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。
SOLD
画像クリックで拡大出来ます
中期型のディテールを持ったスバル360デラックス、’67年式の程度良好車です。 
まさにてんとう虫の愛称がしっくりきますね。 
 
 
横ルーバーのエンジンフードと小ぶりなリアコンビランプがいいですね。 
塗装面は艶やかさが保たれています。 
 
コンディションの良さが伝わってきます。 
フロントからサイドにかけて目立つようなキズ凹みはありません。 
 
 
 
灯火類やエンブレム類も良好です。 
 
 
ゴムやガラス、メッキ類も良好です。 
 
 
こういったところの状態もいいですね。 
 
アクリルのリアウインドウにはややキズが見られます。 
 
ホイールは4本とも概ねこのような状態です。 
リア回りも良好です。 
 
 
 
リアの灯火類やエンブレム類も程度良好です。 
 
 
 
 
下回りも良好です。 
フロントのトランク内もキレイですね。 
 
エンジンルームの状態もとてもいいですね。 
 
 
インテリアのコンディションも良好です。 
おそらくどこかのタイミングで張り替え済みのフロントシート。 
リアはオリジナルのようですが、補修跡が幾つかあります。 
シンプルかつ機能的なダッシュボード。下にはトレイ状の物入れがあります。 
 
 
  
 
 
天井内張りの運転席上部付近には破れている箇所があります。 
外寸からすると驚異的に広いリアシート。 
 


この車両のお問い合わせは

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TEL/090-2540-5952(ヤマナカ)

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