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◆ロールス・ロイス シルバー・シャドウについて
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ロールス・ロイスのシルバー・シャドウは1965年9月に登場します。
従来のシルバー・クラウド系のクラシックなスタイルとは違い、ロールス・ロイスが初めてモノコックボディを採用すると共にオーソドックスなセダンスタイルとなります。
エンジンはV8OHVエンジン(6.7リッター)を搭載、3速のコラムオートマチックと組み合わせです。
リヤサスペンションは、従来のリーフスプリングのリジット式ではなく、シトロエン特許のハイドロニューマティックを採用した自動車高調整付きの独立懸架を採用します。
また、ブレーキもハイドロニューマティックによる油圧作動の4輪ディスクブレーキを採用しています。
外装は、ロールス・ロイスの特長であるパルテノン神殿をモチーフとしたフロントグリルと、そのグリルに鎮座するフライングレディのマスコット、内装は、バァ(玉杢)・ウォルナットのウッドトリムとコノリー社製最高級レザーハイド、ウィルトンのウールカーペットが贅沢に奢られています。
1970年代に入り、エンジンがボアアップすると共にトランスミッションがアメリカ仕様のGM製ターボハイドラマティックに統一されました。
ステアリングギアボックスは、ラック&ピニオン式を採用、全自動エアコンディショナーを装備、フロントのエアダムスカート装備(日本仕様にはありません)、そしてアメリカ仕様の5マイルバンパーを標準装備したシルバー・シャドウⅡへ進化します。
また、シルバー・シャドウⅡのロングホイールベース版には、シルバー・レイスのネーミングが復活しました。
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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介する車両はロールス・ロイス シルバー・シャドウⅡです。
現オーナーさんは昨年、エンスーの杜を通じて購入されます。
元々ロールス・ロイスやベントレー好きの方、今まではNEWカーを中心に乗られてきたのですが、ちょっと古い風格のあるロールス・ロイスにもいいなと思うようになり購入に至ったそうです。
この個体、前オーナーさんが色々と手を入れた車です。
その内容は、ボディ塗装、ウッドパネルの張替え(フロントドア・リヤドア)、シートの張替えなどです。特にボディカラーは1960年代の雰囲気を出すため、ツートンカラーに仕上げています。ウッドパネルもリペアではなく、新品と交換しています。
内外装は大変きれいな車だと思いますし、整備もまめに行っていますのでいい個体だと思います。
現オーナーさんは「購入後、いろいろ手直しをして、やっと問題なく乗れるようになりました。これで一通り楽しみました。」と、次のステップへ行くためにエンスーの杜への掲載依頼となりました。
このシルバー・シャドウを大切にして頂ける方にお譲りしたいそうです。
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◆ボディ
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ボディカラーはブルー、それを前オーナーさんが両サイドのフェンダー、ドアなどの一部をエンジに塗装します。クラシックな雰囲気を出すためです。
もちろん、元色のブルーも塗り直していますので塗装はとてもいい状態です。
フロントグリルのメッキは輝きがあり、鏡のようです。そしてフロントセンターにフライングレディが鎮座しています。
ウインドウサッシ、センターラインのモールのメッキもきれいな状態です。
ヘッドライトは4灯式、センター側がイエローレンズとなっています。そしてヘッドライトワイパー(毛足が長いのでブラシといった方がいいかも)が装備していました。前後のバンパーはアメリカの法規対応の5マイルバンパー、上部をエンジに塗装しています。
タイヤサイズは235/75R15です。
現オーナーさんが購入後、ガラスコーティング(スーパープレミアムコーティング)を施工しています。
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◆インテリア
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光沢のあるウッドパネル、肉厚のあるコノリーレザー、への字の2本スポークハンドル、オートクルーズコントロール装備、全自動のオートエアコンなど贅沢なインテリアです。
ギヤセレクトレバーは操作力軽くするため、電気モーターを備え、指先でもギヤセレクトレバーを動かすことができます。
各ドアのウッドパネルは新品と交換しています。
内装は全て張り替えています。
インパネのウッドには少しヘアラインが見えます。
エアコンはよく効くそうです。
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◆機関
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エンジンはV型8気筒エンジン(6,745cc)を搭載、トランスミッションはゼネラルモーターズ(GM)製ターボハイドラマティックとの組み合わせです。
機関に不具合はありません。
◆エンジン仕様
種類:水冷V型8気筒エンジン
総排気量:6,745cc
最高出力:249ps(245hp/183kW)/4500rpm
最大トルク:540Nm(398ft-lb)/2500rpm
燃料装置:SUツインキャブレター
オートマチックトランスミッションは3速です。
エンジンルームにセルモーターエマージェンシスイッチを増設しています。これはイグニッションスイッチが故障したときにスイッチをONすることによりセルモーターを回し、エンジンを始動することができます。
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◆足回り
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ノーマルの足回りです。特に不具合はないそうです。
◆足回りの仕様
ステアリング形式:ラック&ピニオン式
サスペンション(前):ダブルウィッシュボーン+コイル
サスペンション(後):セミトレーリングアーム+コイル
ブレーキ(前):ベンチレーテッドディスクブレーキ
ブレーキ(後):ディスクブレーキ
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◆メンテナンス
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1986年からの記録簿が残っていました。
◆2013年5月 40,700km
・ブレーキアキュームレーター交換
・ブレーキアキュームレーターレギュレター交換
・Oリング交換
・ブレーキオイルタンクOH
・タンクカバーパッキン交換
・リヤブレーキホース交換
・サスペンションホース製作
・ブレーキオイル交換
・パワステ高圧ホース製作
・パワーステオイル交換
・エンジン調整
・キャブレターOH
・キャブレターOHキット交換
・キャブレターサクションピストン交換
・ブローバイパイプシール交換
・ヒューエルパイプシール交換
・ヒューエルエレメント交換
・プラグ交換
・エンジンオイル交換(ギャラクシー)
・エンジンオイルエレメント交換
・ミッションオイル交換
・ミッションオイルエレメント交換
・デフオイル交換
・LLC交換
・キャタライザー脱着、パイプ溶接
・エキゾーストメクラ取り付け
・クーラーガスチャージ
・バッテリー交換
・サイドブレーキパッド交換
・ワイパーブレード交換
・リヤブレーキアキュームレーターパイプ交換
◆2013年9月
・セルモーターOH
・クーラーガスチャージ
・クーラーガスストップリーク
・センターマフラー改造取り付け(左右)
◆2015年2月
・セルモーターエマージェンシ配線取り付け(リレー、スイッチ取り付け)
・タペットカバーパッキン交換
・マニホールド脱着、研磨
・マニホールドパッキン交換
・ヒーターホース、フロント交換
・LLC交換
・ブレーキアキュームレーターメッシュホース交換
・フロントブレーキパイプ製作
・ブレーキオイル交換
・ダイナモ改造、取り付け
・ダイナモベルト交換
・へドライトHID化
◆2015年4月
・車検整備一式
・チェンジシャフトオイルシール交換
・ミッションオイル補給
◆2016年3月
・ミッションオイルクーラーパイプ改造、製作
・ミッションオイル補給
・左ブレーキアキュームレーターメッシュホース交換
◆2016年11月
・エアコンレシーバードライヤー交換
・エキスパンションバルブ交換
・Oリング交換
・エンジンオイル交換
・ブレーキパイプジョイントホース交換
・ブレーキオイル交換
・ヒューエルホース交換
・エアコンコンプレッサー改造、取り付け
・エアコン高圧ホース、低圧ホース改造取り付け
・クーラーガスチャージ
・サーミスタ取り付け
◆2017年8月
・車検整備一式
・バックアップランプバルブ交換
◆2021年4月
・車検整備一式
・バッテリー交換
・バッテリーカバー製作
・TVチューナー、デッキ取付け
・バックカメラ取付け
◆2021年8月
・ブレーキアキュームレーター交換
・アキュームレーターレギュレター交換
・ブレーキオイルタンク内清掃
・ブレーキオイル交換
・パワステラックOH
・OHキット交換
・ラックブーツ交換
・ステアリングオイル交換
◆2021年12月
・リヤブレーキキャリパーOH
・リヤブレーキパッド交換
・サイドブレーキパッド交換
・ブレーキオイル交換
広々とした室内、静かなエンジン音、乗り心地は素晴らしいものがあります。ボディサイズに似合わず、狭い道角も回ることができ、取り回しの良さに感心しました。ドライバーズカーでもあり、オーナーズカーでもあり、どちらもこなす車はそうそうありませんね。
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。