今回ご紹介する車は、1988年式ルノーキャトルGTLです。
エンスーの杜でフランス車を検索しているみなさんにとって、今更説明の必要はないと思いますが、ルノー４を一言で表すなら、シトロエン2CVの大ヒットに刺激されたルノーが、2CVを徹底的に研究した結果生み出された車です。日本では映画やアニメの影響もあり、圧倒的に2CVの方が有名でフランス車の代名詞のように思われていますが、生産台数ではルノー４の方が上回っています。その数は、フォードＴ型、VWビートルに続き史上第三位です。
残念ながら正規輸入台数が少ないせいで日本ではマイナーな存在ですが、生産台数が多いので保守部品等の入手に困ることはありません。これは、旧車と付き合う上で非常に重要です。

さて、本車のコンディションです。
ディーラー車か否かは不明ですが、新車時に輸入されたものと思われます。
外装の状態は、はっきり言って良くありませんが、塗装に艶もあり、大きな凹み等ありません。
直射日光によるルーフの色焼けや長年磨かれてきたことによる色痩せ。その他いわゆる浮き錆びが多数見られますが、艶があるので、ヤレているというより、熟練の職人が長年使い込んだ工具のような風格を感じます。
エンジン・ミッションともに好調で、たった1100ccしかない排気量とは思えないほど良く走ります。
ルノー４のエンジンはシンプルなOHVの4気筒ですが、頑丈で良く回ります。
始動性は、電磁ポンプ（2024年NISUMO製）に換えてあるので大変良好です。
ブレーキはノンサーボのフロントディスク、リアドラムです。車体が軽いのでノンサーボでも効きは十分。
今回、エンスーの杜掲載にあたり、タイヤを新品に交換しました。

現在、走行距離が183000kmですが、2021年（179956km走行時）にクラッチアッセンブリー、クランクシール、ドライブシャフト等交換済みなので当分メンテの必要はないでしょう。
キャトルのクラッチ交換は車体の構造上かなり厄介で、部品代と工賃を合わせると10万円オーバーの作業です。更に、せっかくミッションを降ろすんだから、クランクシールやドライブシャフトも交換しましょうということになり、あっという間に請求額が倍増します。
このような事情から、クラッチ周辺が交換されているか否かは、既に生産終了から35年以上経過し、市場に出回っているほとんどが過走行車であるキャトルを購入する際、重要チェックポイントと言えます。

車名　ルノー4GTL（ルノーキャトル）
年式　1988年式
初年度登録　1988年（昭和63年）
車検　2025年8月
走行　183,000km
エンジン 1100cc
ミッション　4MT

◆車検証の記載事項抜粋（令和5年8月車検継続時点）
　車名　ルノー
　型式　-11280-　
　初年度登録　昭和63年10月
　走行距離　　182,100km
　旧走行距離　179,900km
　乗車定員　4名
　長さ　369cm
　巾　　151cm
　高さ　153m
　車両重量　720kg
　排気量　1.10リットル

◆外装
ほぼオリジナルリペイントですが、一部リペイント等ございます。
色は、ウグイス色というか淡いグリーンです。（石油ストーブの名門「アラジンストーブ」のあの緑色に似ています）
全体に、年式相応の色痩せやクリア剥がれ、小さな浮き錆があります。
運転席フロア補修痕あります。
メッキバンパー。
メッキドアハンドル。
メッキトランクリッドハンドル。
メッキミラー。

◆内装
シート、ドア内張等、オリジナルです。
運転席及び助手席シートに補修痕があります。（補修には、耐久性、対候性に優れたトラック幌の修理材ペタックスを使用）
意匠の美しいオリジナルの天井は、現代の車の様な一体成型によるもので、布張り天井のような垂れはありません。
2024年スライドウインドウロック不良にて交換。
ヒーター効きます。
オーディオ、ETCはありません。

◆機関系
SOLEXキャブに交換。
2017年サーモスタット交換。
2021年バルブクリアランス調整。同時にタペットカバーガスケット交換。
2024年フューエルポンプをNISUMO製に交換。
電動ファン２機装着。（オリジナルは１機）
エンジンオイル、フィルターは定期的（2017年、2019年、2021年、2023年）に交換されています。

◆駆動系
ミッションは4速マニュアルです。
ギアの入り、クラッチの切れ、接続共にスムーズです。
2021年クラッチアセンブリ交換。同時にクランクシール等交換。
2021年ドライブシャフト、シャフトブーツ交換。
2021年ステアリングラックシャフトブーツ交換。
2021年アッパーボール、ロアーボール交換。
ミッションオイルは定期的（2017年、2019年、2021年、2023年）に交換されています。

◆電装関連
オルタネータは日本製に交換。
2021年BOSCHイグニッションコイルに交換。同時にコンデンサ交換。
バッテリー交換（交換時期不明ですが元気です）。
ヘッドライト交換。
灯火類、ホーン正常動作します。
ワイパー正常動作します。
足踏みポンプ式ウインドウォッシャー正常動作します。
ブロアファン正常動作します。
室内灯正常動作します。
2024年ハザードスイッチ不良にて交換。

◆足回り・ブレーキ
2024年タイヤ交換。ブリヂストン製　145/80/13。
2017年ブレーキマスターオーバーホール。
フロントブレーキパッド交換。
ブレーキフルードは定期的（2017年、2019年、2021年、2023年）に交換されています。
ホイルは当時のオプションであるイタリア製の鉄ホイルですが、表面に錆が出ているのでホイルキャップをお付けします。
このホイルキャップは年代不明ですがトヨタ純正品（内側にトヨタマーク有り）です。

◆付属品
キー（イグニッション、ドアロック、ガスキャップ、トランクリッド）
スペアタイヤ。
オリジナルのバンパー、ミラー、ドアハンドル、トランクリッドハンドルあります。
2017年以降の整備記録簿あります。

◆車は千葉県印西市にございます。
個人の為、消費税はかかりませんが、未経過分自動車税、リサイクル預託金10,260円のご負担をお願いします。

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なお、掲載車両は個人の所有物ですので、興味本位での見学や情報収集のためのお問い合わせはお断りします。
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