1960年、実質経済成長率が13%を超えた高度経済成長期にハイゼットは働く車として誕生しました。現在も街でよく見かける働き者のハイゼットですが、その名称は発売以来変更されておらず、軽自動車の商標としては最も古い歴史を持つ車です。
今回ご紹介するモデルは1972年-1981年に製造された4代目となるS38V型(360ccモデル)、年式的には完成度が高まり熟成された最後期のモデルとなります。
今では当然の仕様となっていますが、このモデルからバンのリアドアは軽自動車初のリアスライドドア(左右両側)となり、バックドアは先代の横ヒンジドアから雨でも荷物が濡れないようにと上ヒンジドアへと変更されています。
4代目ハイゼットは1974年にマイナーチェンジされ、その後1976年に550ccの4ストエンジンを搭載したS40型が登場。更に1977年に完全新規格車となった5代目が登場するものの、旧規格360と550もそのままで、3種のハイゼットが併売されるという時期もありました。360に至っては360ccまでの軽しか運転出来ない「軽免許」ユーザーの為の救済策として6代目ハイゼット登場後も併売され、1981年にようやく生産終了となった息の長いモデルです。
今回ご紹介するお車は客観的に見ても内外共にかなり程度の良い上物です。
このクオリティのお車はなかなか出てこないと思いますので、お探しの方は是非押さえておくべき一台だと思います。この機会をお見逃しなく。
【外装】
レトロ感漂うグリーンのボディはヤレも少なく綺麗な状態を保っています。と言っても最近再塗装しましたというようなギラギラしたものではありません。聞けば新車時の塗装がそのままとのことで、オリジナル塗装としては、「半世紀近く前の車としては結構綺麗ですね」、と言うレベルを超えているような状態の良さです。
ルーフに点状の小錆が少しある以外は、塗装の痛みや浮き、割れなどはありません。ボディの下部も含めて錆や腐食は見受けられませんでした。
ガラス周りのモール類の状態も良く、雨風当たらぬ車庫などで長年保管されていたものだと思われますし、保管状況がかなり良かったのでしょう。
ランプ類も割れやヒビも無く、ホイールキャップもとても綺麗です。
多少の欠点を挙げるとすれば、運転席側のフロント角の雨水が流れる部分(ウィンカーの横辺り)に、擦り傷を補修したような跡があること、助手席側後部のスライドドアに10cm程度の薄い傷を補修したような跡があることくらいですが、いずれも目立たぬものです。
足回りなどもシャーシブラックが塗られており、目立つような錆はありませんでした。
多くの旧車に避けられないボディの錆やフクレが無く、オリジナル塗装で味があるというところが素晴らしいなと思います。
【内装】
内装も外装同様に綺麗で状態は極上と言って良いと思います。
仕事で荷物を運搬すればどうしても擦れなどの使用感が出てくるものですが、そのような使用感がほとんどありません。前後シートもとても綺麗。メーターが1万Kmまでの単位しかありませんので、1周りしているのだろうなと思っていましたが、車の程度と過去の記録簿の距離を見ると実走行だと思います。
電装品については経年で故障していることが当たり前なのですが、ラジオは生きていて感度も良好でした。全体として外装同様にとても綺麗です。
【機関】
ご自宅でお車をお借りし、撮影場所の公園まで試乗を兼ねて走ってみましたが、始動性も良く、エンジンも快調です。足回り、ブレーキ等、現在の車のレベルとは違いますが、普通に問題なく走れます。
タイヤはヨコハマの5.00-10、前後9部山はあります。
使用状況ですが、普段の足としては使用されておらず、基本的にコレクションのような所有状態で、通常は、雨風を凌げるシャッター付きガレージで保管されています。
【後付けパーツ】
基本、ノーマルです。オリジナルの状態を重視されて、維持されていらっしゃる印象です。
【整備履歴】
このお車の履歴ですが、中国地方で電器店を営むおじいさんが長年所有されていたものを九州のバイク屋さんが譲り受け、その後、現オーナー様が譲り受けたとのことで、実質3オーナー車とのことです。
整備記録簿は車検時のものが多数ありましたが、ブレーキ、ベルト、油脂交換等、一般的な車検整備のみで、大きな故障などの整備履歴はありません。単純なメカニズムのお車ですので、パーツが入手できれば維持費はそうかからないと思います。
整備記録簿から車検年月と走行距離を記載いたします。
1991.6 4,380km
1993.6 5,676km
1997.6 6,342km
1999.6 6,781km
2001.6 7,394km
2003.7 7,657km
2005.6 8,224km
2007.6 8,653km
2009.7 9,100km
2011.7 9,381km
2013.7 9,635km
2020.3 11,300km
2022.3 11,600km
【取材担当者からの一言】
車がお好きなオーナーはフェラーリ、ポルシェから国産360ccに至るまで、多数のお車を趣味としてお持ちで、お持ちのお車はどれも程度がとても良く、妥協無く車を選ばれているという印象を受けます。
今回のお車についても内外装もとても綺麗なので、購入後に何か手を入れ、お金をかけて補修を行う必要は無いと思います。
70年代後半を舞台にした映画に出演依頼が来るような、また、自動車博物館に置いても良いくらいの程度の良さですので、「とにかく綺麗で程度が良いものを」と、妥協無くお探しの方にも自信を持ってお勧めできるお車です。
日本の自動車史を語る上でも欠かすことのできない貴重な文化遺産。今のコンディションを維持していただける方に所有していただきたい一台です。
【令和5年12月24日更新】
値下げしました。(100万→90万)
【令和6年4月19日更新】
値下げしました。(90万→80万)
【令和6年6月9日更新】
値下げしました。(80万→70万)
【令和6年6月18日更新】
車検は継続されています。(2026年3月まで)
実車は福岡県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル委託料金がある場合は別途頂戴いたします。
以上の記事内容は、オーナーさんのコメントと取材をもとに作成したもので、わかる欠点なども含めて記事を作成しておりますが、不具合箇所、整備履歴、修復歴などに関して取材時に完全に把握することはできませんし、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。エンスーの杜より無理に購入を勧めることはございませんので、最終的にはご自身でご確認の上、購入をお決め下さい。