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ダイハツ ハイゼット バン スーパーデラックス (S38V) 1974年式
車検 2025年10月 走行 49,800km 備考 4MT スリーオーナー ETC
長さ 299cm 129cm 高さ 158cm 重量 590kg 排気量 356cc
取材日2023年8月26日

とても希少な4代目ハイゼット前期型の程度良好車です。

1971年(S46)に発売された4代目ハイゼット(S38P/トラック、S38V/バン)は、エッジの効いたプレスラインと角型ヘッドランプが特徴の3代目から一転して丸みを帯びたボディと丸型ヘッドランプといった愛嬌のあるキャラクターとなりました。

軽自動車として初めてスライドドアが採用され、両側からの容易な積み下ろしが可能となったのもトピックで、バックドアが横ヒンジから雨天時の積み下ろしに威力を発揮する上ヒンジへと変更された点も相まって、商用車としての完成度を飛躍的に高め、商店主などのユーザーから大いに好評を得るに至ります。

360ccのS38P/Vは、モデルライフ中に新規格である550ccに対応したS40P/Vが1976年4月に登場し、さらに翌1977年6月には全幅を新規格1400mmに対応させた5代目S60P/Vも登場、さらにさらに1981年4月には6代目となるオールブランニューのS65P/Vが登場しつつも併売され続け、その年の8月にようやく販売終了となるという、当時の軽商用車としては異例の長寿モデルでした。

その理由は、1968年に廃止された、360ccまでの軽自動車しか運転できない軽免許所有者への救済策といえる対応のためであり、その結果この車が最後まで生産された360ccエンジンの軽自動車となったのでした。

1976年の昭和51年排出ガス規制を境に多くの360ccモデルが製造中止もしくは550ccへの移行を余儀なくされましたが、その厳しい排ガス規制をどうにか乗り越え1981年まで何とか頑張って継続生産され続けたS38P/Vは、軽免許所有者にとっての最後の砦であり、その軽商用車としての完成度の高さや愛らしいルックスも含め、記憶に留めておきたいモデルのひとつです。

●● プロフィール ●●

こちらの車両は、現在も複数のエンスー車を所有されているオーナーさんが、仕事で使うために2018年6月に購入したものになります。

多くの商材を載せつつ狭いところでの駐停車や狭隘路での取り回しを重視したとのことですが、もちろんエンスー的な観点も大いにあり、愛らしいルックスとそれに似合う小板ナンバーである前期型にこだわって探したとのことです。

購入後は日常的に仕事に供しつつ、旧車に強いショップやディーラーによるメンテとDIYメンテを適宜行うことにより、内外装機関ともに購入時より良い状態にブラッシュアップさせつつ現在に至ります。

驚くのは実走行で約49,800kmのスリーオーナー車であることです。

ツーオーナー目である前のオーナーの方は購入後オールペン等々を施すものの数千キロしか走らせず現オーナーさんに売却していますが、その方の整備履歴やオールペン時の記録画像も残っています。

現オーナーさんになってからの整備履歴も全て残っています(ノートに記載しているものに関してはお譲りできないとのことですが、口頭にて詳しく聞くことは可能です)。

また、多くのパーツがストックされている点も特筆すべき点です。

主に購入後にコツコツと買い進めてきた新品・中古のパーツ類はエンジン+ミッションやガラスといった大物から細かい電装系、ゴムパーツ、ブレーキ系、足回り系と多岐にわたり、総額で60万円ほどになるとのことで、それらが付属するというだけでも価値が高いものになります。

●● 外装 ●●

基本的にノーマル状態が保たれています。

前オーナーさんの時にオールペンを実施しているため、塗装面の艶やかさがまだまだしっかりあります。

やや青味がかったソリッドホワイトで、のちに現オーナーさんが補修のために作った塗料(プロに同色調合を依頼)もお付けするとのことです。

そのためコンディションは良好で目立つようなキズや凹みはありませんが、50年近く前の軽自動車ですので、年式なりのサビ浮きや小キズ、ゴムパーツの劣化は散見されます。

灯火類も基本的には良好ですが、レンズに割れやヒビが入っているものもあります。

前期型にこだわって探したというホイールキャップも、若干サビやキズはありますが程度良好です。

モディファイ箇所は、

・リアの車名ステッカー(DIY)

・リアの最大積載量ステッカー(社外)

・マフラーエンドの延長加工(DIY。2ストオイルでリア回りが汚れやすいのを軽減させるため)

あたりが挙げられます。

●● 内装 ●●

こちらも基本的にノーマル状態ですが、見た目以上に色々と手が加えられています。

主なモディファイは、

・ポータブルナビ

・バックモニター(本体故障中。バックカメラや配線はOK)

・ドライブレコーダー

・ETC

・後席〜ラゲッジまでのゴムマット(DIY)

・シートベルトの取付位置を、腰から腰の2点式から肩から腰の2点式へ変更

・純正ウインカーリレーが故障したため、社外品のウインカーリレー(ビープ音付き)に変更

あたりが挙げられます。

また、

・前席座面のビニールレザーを似ている生地にて張り直し(DIY)

・前席背もたれのビニールレザーを似ている生地にて部分的張り直し(DIY)

・前席両側の内張りのビニールレザーを似ている生地にて張り直し、ドアポケット取付(DIY)

・ウインドウウォッシャーを電動式に&タンク交換

・ラゲッジスペース鉄板部分のサビ落とし&再塗装

・リアハッチリンケージカバーにある穴をFRPにて簡易補修

・バックミラーをS80のものに交換

等々、随所に補修が加えられています。

運転席側のウェザーストリップは劣化して切れていますが、スペアの新品がストックパーツにあるとのことです。

純正ラジオは稼働しており、ヒーターもよく効くとのことです。

●● 機関・足回り ●●

こちらも基本的にノーマル状態です。

主な整備履歴は、

@2018年6月

・車両引渡し

・ワイパー、ウォッシャースイッチ交換(S38V後期用中古)

@2018年7月

・ガソリンホース交換、ブレーキ分解整備

@2018年9月

・ホイールキャップ交換(後期用プラスチック製→前期用スチール製)

@2018年10月

・前席ドア内張L/R補修、ドライブレコーダー・ETC取付

@2019年1月

・運転席・助手席座面補修、背もたれ部分補修、メーター内チャージランプ用バルブ交換

@2019年3月

・ブレーキマスターシリンダーOH、ルームミラー交換(S80用中古)

@2019年9月

・車検整備

@2019年10月

・スペアタイヤ交換、バックカメラ取付

@2020年6月

・ラジエーターホース(アッパー&ロアー)交換

@2020年7月

・バッテリー交換、フューエルフィルター交換、ラジエーターキャップ交換

@2020年11月

・ヘッドガスケット交換

@2020年12月

・板金修理、ブレーキスイッチ交換

@2021年4月

・オイルポンプ交換(中古)

@2021年7月

・シリンダー内圧縮測定 9.1/9.5

・デスビキャップ&ローター交換

@2021年8月

・ウインカーリレー交換

@2021年10月

・車検整備

・有音ICウインカーリレーへ交換

@2022年2月

・ヒーターコア交換(中古)

@2022年4月

・ラジエーターホース(アッパー)交換、ワイパーゴム交換

@2023年5月

・オイルポンプ交換(中古)、ディストリビューターASSY交換(中古)

となっています。

ヘッドガスケット部分のボルト計8本のうち1本がNGとのことで、修理は可能とのことですが、それ起因によるオイル漏れ等の不具合がないため、現状そのままにしているとのことです。

それとは別にオイル滲みはやや発生するとのことで、定期的に点検・洗浄しているとのことです。

付属するストックパーツ類の主なところを挙げますと、

@エンジン関係

・エンジン+ミッション一式、キャブレター、燃料ポンプ、スターター、オイルポンプ

・★ウォーターポンプ、★プラグx2、★ファンベルト

・★ガスケットセットx2、★0.5S/Sピストン/リング

・★クラッチカバー、★サーモスタット、★水温センサー

@電装関係

・デスビASSY、ワイパーモーター、ウインカースイッチ

・★デスビキャップ、★デスビローター、★ポイント多数、★コンデンサー

・★ブレーキスイッチ、★ラジオアンテナ

@ゴム関係

・★フロントガラスWS、★前運転席側WS、★シフトブーツ、★L泥除けx2

・★ペダルゴムx2、★ラジエーターホース各種、★エンジンマウントx2

・★エキゾーストパイプサポートx2

@灯火類

・ヘッドランプx2、フロントウインカーレンズL/R、サイドマーカーランプx2

・★リアウインカーレンズL/R、★バックランプ、★ナンバー灯

@ケーブル類

・★アクセルワイヤー、★クラッチワイヤー、★ハンドブレーキワイヤー

・★チョークワイヤー、★オイルポンプワイヤー、★メーターケーブル

@ブレーキ関係

・マスターブレーキF/R

・★マスターブレーキキットF/R多数、★ホイールシリンダーF/R

・★カップキットF/R、ブレーキパイプF/R、★ブレーキシューF/R

@ガラス関係

・フロントガラス、リアガラス、バックミラー

・★ドアミラーL/R

@足回り関係

・★タイロッドエンドx2、★アッパージョイントL/R、★ロアージョイントL/R

@その他

・メッキホイールキャップ多数、樹脂ホイールキャップ多数、ワイパーブレードx2

・★ウォッシャーノズル、★スパイダーユニバーサル

となっています(★は社外品を含む新品)。

●● インプレッション ●●

ひと目見てコンディションの良さが伝わるようなキレイな状態です。

純正色であるノーザホワイトに相当する、ややブルーがかったソリッドホワイトの塗装面は艶やかで、曲面と複数のプレスラインで構成されたこの車のデザインを際立たせています。

愛嬌のあるフロントフェイスは中期型以降よりも前期型のこのデザインの方がやはり本来の姿に見え、小板ナンバーがいかにも馴染んでいます。

横から見ると、売りである軽自動車初のスライドドアを中心として完全なる左右対称にデザインされており、この車がパッケージングとスタイリングを非常に真面目に考えられていることがわかります。

両側スライドドアとリアハッチドアを含め、50年前にして現代の商用バンの雛型とも言える完成度のためか、後ろ斜め45°から見ると意外なほど古さを感じないのも面白いところです。

ところどころサビ浮きや膨らみ、小キズが色々とあるのは年式を考えると仕方なく、実用に供されてきたことを考えるとむしろ非常に良いコンディションだと言えますね。

インテリアを見ると、使い込まれた感じながらも良好な状態を保っていることが伝わりますが、それは細々としたところを含め補修を重ねてきたことの賜物だと言えます。

シート表皮や内張りなどはよく見ると純正との違いがわかりますが、言われて初めて気付く程度の違いで、それがDIYによってなされていることに驚きます。

助手席にて試乗させていただきましたが、軽量ボディの賜物か、排気量から想像するよりもずっと活発に走る印象です。

乗り心地も軽商用車と考えるとソフトな印象で、苦痛に感じることはありません。

そのぶん重たいものを積んでの高速走行、山道の走行などでは不利が予想されますが、あくまで1~2名乗車での近距離軽貨物輸送車としてバランスが高いレベルで取れているといった感じです。

水冷2ストローク360ccのエンジンはサウンドも軽やかかつマイルドで、このサウンドに包まれながら4MTを駆使してのドライブは何とも心地よく、純然たる実用品、仕事用といった本来の目的を大きく超える楽しみが備わっている車だと言えますね。

●● その他 ●●

前述のパーツ類多数のほか、パーツリスト、修理書(複製)、カタログ、取説が付属します。

前オーナーさんによるオールペン時の記録画像が付属します。

日常的に使用しているため、走行距離は多少延びていきます。

色調の微妙な違いや小キズ等の瑕疵が画像や動画ではわかりにくいため見学をお勧めしますが、オーナーさんご多忙につき購入を前提とした場合のみとさせていただきます。

●● まとめ ●●

360cc軽自動車というジャンルはとても人気で、現代でも一定数は流通しているものですが、トラックやバンといった商用車は業務で酷使されたのち廃車になることが多いため、残存数は乗用のそれとは比較にならないほど少ないものです。

その中でも程度良好なものはさらに少なく、しかも山ほどスペアパーツが付いているものといったらほとんどお目にかかれないことでしょう。

旧車とはいえワンボックスバンですから実用性が非常に高く、日常使いからイベントまでシーンを選ばないところも美点です。

その意味でこの車は、S38Vを探している人はもちろんのこと、360cc軽自動車で本格的にカーライフを楽しみたい方にもってこいの車だと言えますね。

オーナーさんは今も愛着を持って維持されていますが、仕事用の車はもっと現代の車に乗って欲しいというご家族の反対にあったため、泣く泣く売却を希望されています。

お車は、東京都練馬区にあります。

個人の為、消費税はかかりませんが、月割りの自動車税のご負担をお願いいたします。



2024年4月追記

2023年10月に車検を取得しました。

・オイル漏れを修理しました(オイルポンプ増し締め)。

・リアカメラを無線から有線式に交換し動作復活しました。

・以下部品を新たに購入しました。

・・・ノーマルピストンリング
・・・コンロッド(上下ベアリング付き)
・・・ラジオアンテナ
・・・スライドドア外側ハンドル
・・・ワイパーモーターリンク付き(中古)

・走行距離が50,300kmになりました。



以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。
130万円
画像クリックで拡大出来ます
とても希少な4代目ハイゼット前期型の程度良好車です。 
愛嬌あふれるルックスです。 
真横から見る姿は左右対称です。 
凝ったプレスラインも特徴です。 
 
現代の商用バンの雛型とも言える完成度の高い設計です。 
 
前期型フェイスと小板ナンバーの組み合わせが魅力的です。 
フロントからサイドにかけて目立つようなキズ凹みはありません。 
 
 
 
灯火類やエンブレム類も良好です。 
ゴムパーツ系には年式相応の劣化が見られます。 
 
小キズやサビ浮きは散見されます。 
タイヤホイールは4本とも概ねこのような状態です。 
メッキパーツにも劣化はあります。 
リア回りも概ね良好です。 
 
 
 
近寄るとキズやサビ浮きがいくつかあるのがわかります。 
 
 
 
 
ノーマルに近い状態が保たれたインテリア。 
シートやドア内張はDIYにて張り替えられています。 
 
 
ウェザーストリップが切れていますが、パーツをお付けします。 
 
 
当時としては画期的な、軽自動車初のスライドドア。 
 
ガタイこそ超コンパクトですが、さすがの積載力を誇ります。 
 
 
リアハッチリンケージカバーにある穴をFRPにて簡易補修しています。 
 
 
 
 
  
若干のサビはあるものの良好な下回り。 
 
お付けするスペアのエンジン+ミッションです。 
スペアエンジンの補器類です。 
スペアパーツが大量にあります。 


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TEL/090-2540-5952(ヤマナカ)

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tom6343968@gmail.com

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