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◆サーブ900について
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サーブ900(Classic 900)は、サーブ99の後継モデルとして1978年に登場します。
ラウンドしたフロントウインドウ、低いサイドシルなどは、サーブ99のデザインを踏襲していますが、アメリカの衝突安全基準を満たすため、大きくバンパーが飛び出ているのが特長です。
当初は3ドア・5ドアのハッチバックでスタートしますが、後に2ドア・4ドアセダン、2ドアカブリオレが追加となります。
パワーユニットは2.0リッター4気筒DOHC、2.0リッター4気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンがありました。
トランスミッションは5速マニュアル、3速オートマチック、ターボモデルには4速オートマチックの設定がありました。
日本には西武自動車により、輸入販売されました。因みに日本に輸入された1号車はテリー伊藤さんが購入されたそうです。
また、1980年代後半に作家の五木寛之さんが作品にサーブ900を取り上げたことからブームが起こり、販売台数が大きく伸びたそうです。
1993年に2代目サーブ900(New 900)が登場します。サーブ社は1990年以降、乗用車部門がゼネラルモーターズの傘下となったことにより、オペル・ベクトラのプラットフォームやオペル・アストラのリヤアクスルを流用するなど、構造的には一般的なファミリーサルーンとなりますが、サーブの個性であるスタイル、シート形状、イグニッションキー位置などは引き継がれています。
1998年のマイナーチェンジに合わせて、車両名も「9-5」、「9-3」と変わり、「900」の名称はなくなりました。
サーブブランドは無くなっていますが、根強いファンがいる車だと個人的に思います。
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◆ご紹介する車両について
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今回、ご紹介する車両は1989年モデル、初代のサーブ900i 16の2ドアセダンです。
クラシック900と呼ばれる人気のモデル、2ドアは希少モデルです。
昨年公開された映画「ドライブ・マイ・カー」にも赤のサーブ900が出ていました。
現オーナーさんは約7年前に購入します。奥様がクラシック900を好きで購入とお聞きしました。奥様の足として活躍してきましたが、ここ数年は乗らなくなったそうで、車検を受けた段階で、エンスーの杜への掲載依頼となりました。
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◆外観
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ボディカラーはガンメタリック、落ち着いた大人の2ドアセダンという印象です。
前後のバンパーは樹脂バンパーですが、白色化などの劣化はなく、きれいな状態です。
フロントバンパーの右コーナーは擦れ跡が見られますがあまり気にならない程度です。
手動式のサンルーフ付き、電動式と比べ、故障リスクが少ないこといいですね。
ヘッドライト、テールライトのレンズ類はきれいな状態です。
ボンネットの開閉はサーブ独特です。フロントにあるロックを外し、前を少し浮かせてフロントへ引きながら、後部を跳ね上げます。
ボンネットレリーズケーブルが少し伸びているため、ロック解除がしにくくなっています。ホイールは純正アルミホイール、タイヤサイズは195/65R15を履いています。
タイヤは交換時期に来ていると思います。(製造年:2018年31週)
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◆内装
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落ち着いた内装です。大人のインテリアといえばよいでしょうか。
インパネはシンプルなデザインです。
特に目を惹くのはコンビネーションメーターの指針のイエローカラーと文字の大きさです。
さすが航空機メーカーである証でしょうか、視認性は抜群です。
スイッチ類はメーター右横にあり、目線の位置を変えることなく、操作ができます。
オートクルーズコントロール付きです。
シートはモケット地、ヘッドレストの形はサーブならではと思います。
リヤシートのヘッドレストは視認性をよくするため、外しています。見た目のカッコ良さもない方がいいですね。
シートヒーター付き、直ぐに効くそうです。
イグニッションスイッチはフロアコンソールにあり、これもサーブ独特のものです。
スピーカーは、オーディオ用のFOSTEX スピーカーユニットを装備しています。
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◆機関
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エンジンは2.0リッターDOHCエンジン、3速オートマチックとの組み合わせです。
駆動方式はFF、エンジンは縦置き、通常のエンジンとは前後逆配置となっています。
縦置きエンジンのFFはドライブシャフトが等長となるため、ニュートラルなハンドリングを得ることができるそうです。
車体の重量バランスにも貢献しており、オーナーさんも褒めていました。
◆エンジン仕様
種類:水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:1984cc
最高出力:125ps(92kW)/5500rpm
最大トルク:17.3kg・m(169.7N・m)/3000rpm
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◆足回り
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サスペンションは、フロントがピボットマウント式のコイルスプリングを組み込んだダブルウィッシュボーン、リヤが5リンク式を採用しています。
ノーマルの足回り、特に不具合はありません。
◆足回りの仕様
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
サスペンション形式(後):5リンク式コイルスプリング
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ディスク
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◆メンテナンスについて
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オーナーさんからサーブ900のウィークポイントをお聞きしました。
※ベルト鳴きがあると気を付けないといけないことがあるそうです。
ベルト自体が滑って鳴く場合もありますが気を付けないといけないことはクランクプーリーのゴムダンパーの劣化だそうです。放っておくと大惨事になります。
鳴きがでたら要チェックです。因みに5万キロごとの交換、消耗品だそうです。
残っています整備記録を以下にご紹介します。
◆1994.8 定期点検 26,293km
◆1996.9 車検 34,268km
・ワイパーブレード交換
・ブレーキフルード交換
・LLC交換
・ATオイルパンガスケット交換
◆2004.11 車検 39,951km
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルフィルター交換
・エアフィルター交換
・ATF交換
◆2006.11 車検 40,194km
・エンジンオイル交換
・ブレーキフルード交換
・デフオイル交換
・リヤブレーキパッド交換
・パワステオイル交換
◆2008.12 車検 41,320km
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルフィルター交換
・フロントワイパーラバー交換
・ブレーキホース交換
・ブレーキオイル交換
・ラジエターホース交換
・LLC交換
・Vベルト交換(オルタネーター・パワステ・エアコン)
・サブマフラー修理
・オイルプレッシャースイッチ交換
・右フロントハブベアリング交換
・フロントガラス修理
◆2011.12 車検 41,783km
・マフラー修理
・エンジンオイル交換
・ブレーキフルード交換
◆2014.11 1年点検 51,072km
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルフィルター交換
・LLC交換
・右ドライブシャフトブーツ(外)交換
・フロントブレーキパッド交換
・タペットカバーパッキン交換
・ディストリビューターシール交換
・ディストリビューターキャップ交換
・ディストリビューターローター交換
・ラジエターサブタンク交換
・ヒーターバルブ交換
◆2019.1 一般整備
・エンジンオイル交換
・左リヤハブベアリング交換
・アイドルバルブ洗浄、Oリング、ホース交換
・ボッシュ044燃料ポンプ交換
・燃料配管一部交換
・インタンクポンプ、燃圧点検、フィルター洗浄
・ブレーキフルード交換
・エキゾーストマフラー吊りゴム交換
◆2020.1 1年点検 76,116km
・パワステオイル漏れ修理/ホースシール交換
・A/Tオイルクーラーホース交換
・ラジエター/ラジエターアッパーホース交換
・左クリーニングファンリレー配線修理
・スパークプラグ交換
・右ウォッシャーチェックバルブ交換
・左ドアミラー交換
・シリンダーヘッドガスケット交換
・インテークマニホールドパッキン交換
・エキゾーストマニホールドガスケット交換
・タペットカバーパッキン交換
・ディストリビューターローターリング交換
・ラジエターサーモスタット交換
・LLC交換
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルフィルター交換
・ドレンワッシャー交換
・ラジエターサブタンク交換
・エアコンガス充填
・左右フロントアッパーロワー/ボールジョイント交換
・左右スタビライザーブッシュ交換
・右タイロッドエンド交換
◆2022.9 車検 92,400km
※大きな整備は川崎市にあるサーブ専門店で行っているとお聞きしました。
コンディションを維持するため、たまに運転しますので走行距離が伸びることをご承知おき願います。
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。