「稀有な開発ヒストリーを持つ、元祖SUV・ドライブが最高に楽しい車!最終ロットのカジバ・モークに心大いに躍る!・・・・の巻」
いつもの様に車両ヒストリーについて、あれこれ云々書くのは今回だけは後回し・・・にします!
南国の青い空、青い海・・・とまでは行かないまでも、春の陽差しが眩しい青い空の下、今回の取材で私の前に現れたのは・・・レアなハードトップを纏い・・・、10インチホイール&ダンロップタイヤが、カーボンのオーバーフェンダー下にワイルドに映える・・・、コンディション極上の真赤なカジバ・モークでした!
ボディの四隅にタイヤを配置する、ミニと同様独特のシャーシレイアウトは、あのミニ独特のカートの様な走りを、見ているだけでワクワクと想像させてくれます。あの米国軍用車ジープと同様に、不要な部分をとことん省かれ、実質的にミニより軽量に仕上がったモークの車体は、手で押してもスッと前に進むほど軽く、他に類を見ないボディイメージは、見るからに格段の開放感と軽快に走る雰囲気がプンプン伝わってくるのです!
オンリーワン的外観も魅力満載!少しリアにボリュームが付いたイタリアミラノ製、FRPで巧妙に仕上がったハードトップが乗っかる様は、あたかもホットロッド風とも!英国のベーシックデザインがイタリアンエッセンスで見事に昇華したこのカジバ・モークは、まさに「開放感味わって乗ったら楽しいだろうなぁ・・・!」とあれこれ妄想を膨らませてくれる素敵な車です!
走行動画を是非ご覧ください!
とても気さくなクラシックカーコレクターのオーナー様から、「堀川さんに執筆お願いするのだからじっくりと乗ってみて!」となんとも嬉しいお言葉を頂き(!)小一時間程、いえ・・・たっぷりと味合わせて頂き、開放感いっぱいの素敵なドライブ・・・そうです、至福の時を過ごさせて頂いたのです!
その感激をまずはお伝えしたい!・・・。なので細かなことは後回し!目の前のハードトップが素敵な、真紅のカジバ・モークを早速楽しんでみましょう!
「開放感いっぱいのモークにまず乗り込んでみます!」
スライド式のユニークなドアを後方に引き、大きな開口部から乗り込みます・・・。ボックス型の広めのサイドシルをまたいで乗り込むとまず気がつくのがミニより遥かにルーミーな空間です。シングルのSUキャブレターでマネージメントされた990ccのエンジンは、オーナー様の元でとても良くメンテナンスされている恩恵もあり、冷温時でも始動性は大変よく、僅かなクランキングで元気いっぱいに目覚め、あのミニ同様のエキゾーストを奏でます。ハードトップがついていても、モーク独特の開放感は抜群!!ドアはありますが、雨天時のみ閉めることはあっても、開けたままで開放感満点に走りたい気持ちにさせてくれるのです!
「車の運転ってこんなにも楽しい物だったのか・・・・・!」
小気味よくスパッと入る、4速マニュアルトランスミッションを操り、「開放感満点に走る」この車は最高に楽しい乗物です!「車の運転ってこんなにも楽しい物だったのか!」と、まるで初めてマニュアル車を操った「10代後半のほんのり淡い気持ち」を思い出させてくれる・・・そんな感覚なのです!
四隅で踏ん張るハイトの高い10インチホイールとタイヤの存在感を圧倒的に感じながら、シフトアップ〜ダウンをエンジンの回転数にマッチさせて小気味よく走るのは、現代のオートマチックに慣れ親しんだ感とは全く別物・・・実に格別の感があります!ドライブしていて「うふふ・・・うふっ・・・」と全く意味不明な笑みが自然と込み上げてくるのです(笑)、まさに右脳が、そして身体が自然と楽しんでいるのが分かるのです!
この車が世界の有名なリゾート地、フレンチ・リビエラ、オーストラリアコースト、カリブ海で爆発的な人気を博したのも、そしてかのジェームズ・ボンドやブリジット・バルドーもこの車の虜になったのも十分に頷けます!それが例え近所の幹線道路であったとしても、まさにリゾート的開放感を味合わせてくれる唯一無二の存在感である事を、乗った誰もが自然と気がつくはずです。
「ミニ・クーパーを生んだ、奇才サー・アレック・イシゴニスの忘れ形見、マーケッティングマジックが存在価値を変えた名車、カジバ・モーク」
商品がどんなに品質の良いものでも、ターゲットが定まっていない、ネーミングのキャチーさがないと全く売れないこともあります。ミニ・モークはまさに、場所を変え・イメージを変えて大成功したマーケティングマジックが生み出した名車です。故に生産が終わった今日でも、世界中の有名リゾート地では、モークはなくてはならない存在になっているのです。
オリジナル最終型カジバ・モークは、1964年からイギリス、オーストラリア、ポルトガルで5万台以上が生産された初代ミニ・モークの最終モデルで、1991年〜1993年のわずかな期間に1500台のみ生産された希少モデルです。
ミニ・クーパー開発者サー・アレック・イシゴニスは、ミニを開発する以前、主に第二次世界大戦中に数種類の軍用車両をデザインしていました。BMC(英国自動車公社)がサー・アレック・イシゴニスに依頼したのは、ヘリコプターによる軍用展開に適した超軽量車両だったのです。エンジン、トランスミッション、サスペンション、ブレーキ、などは、ミニに搭載されていたものを流用し、その軍用目的から開発コストの削減を図ったのでした。
しかしながらこの車を軍事目的で使用するには、いくつかの明白な欠点がありました。最も明白だったのは最低地上高の確保と4WDでなかった事です。残念ながらこの車のプロジェクトは失敗に終わり、ミニ・クーパーのアメリカ的ジープバージョンは軍用車として日の目を浴びることはありませんでした。
しかし、BMC社は諦めずに、現代流で言う所の「マーケティングマジック」を実施します。この車両に万人から愛される「ロバ=モーク」という名称を与え、カリブ海やカリフォルニア、オーストラリアなどのリゾート地に向けて製造を開始始めました。場所を変え、名称を変えたこのマーケティングマジックは大成功!この人類史上初のSUV、モークは、レジャーカーとして大きな人気を博し、1990年にイタリアのバイクメーカー・カジバが生産権利と設備を買収し、1993年までの最後の3年間はカジバの名前で生産された後からも、数え切れないほどのリゾート地や熱帯の島々で、レンタカーやホテル送迎車、そしてタクシーとして使用され、人々を解放的な雰囲気で魅了し続けています。
「真紅のカジバ・モーク・・・取材後書き」
モダンアートから古典絵画まで幅広く収集され、普段の生活の中で芸術を心から楽しまれるオーナー様はロールス・ロイス、戦前メルセデス・ベンツなどの極めて美しいクラシックサルーンを清潔感溢れるガレージに配して観賞される方です。その極上のクラシックサルーン達をこよなく愛され、ガレージの合鍵からそれぞれの車のスペアキーを長年お付き合いのある主治医様に託し、不具合が起こる前に処置する事でこの素晴らしいコンディションを保たれておられるのです。
そのオーナー様から、「堀川さん、これとっても楽しい車だよ!」と出品依頼頂いたのが、今回の真紅のカジバ・モークでした。 オーナー様、取材時に気がついたシフト時の僅かなショックも見逃さず、この取材の後、すぐに主治医様の工場へ直接入り、エンジンマウント交換を現在実施中です。きっと見学に来られる時は、更に良い状態でお見せできることでしょう。
「愛しすぎた故に増えすぎた車両の整理が必要・・・。」
これがオーナー様の売却希望理由です。見識あふれるオーナー様の所で豊かな時間を過ごしたカジバ・モークは、きっとこの原稿を読んで興味を持たれる「まだ見ぬ新オーナー様」を心から笑顔にする事間違いありません・・・。
今回の原稿、あれこれ書かずに衝動的にインプレッションを先に書いたのは、言わずもがな「本当に楽しい車!」の一言に尽きます!
「稀有な開発ヒストリーを持つ、元祖SUV!これはたまらなくハッピーな車!最終ロットのカジバ・モークに心躍る!」のは間違いなく私だけではない筈です。
このとても楽しく素晴らしい車両は現在、群馬県にあります。
個人のため諸費用等はかかりませんが、自動車税(月割り)とリサイクル料のご負担をお願いいたします。また陸送等は購入者様の方で手配をお願いいたします。
(お問い合わせに際して)
このページの車両は車の個人売買の情報サイト「エンスーの杜」に掲載されたものです。エンスーの杜は自動車販売店では無く、広告代理店であり、掲載車両は個人所有の物でオーナーさんの依頼により取材を行ったものをFOR SALEとして掲載しています。
記事内容は担当者が1時間程度の取材時間の中で、オーナーさんのコメントと、見聞したものを元に作成したものですので、現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があり、記事内容に関しても全てエンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。 状態等のコメントもあくまで取材時の状況及び取材担当者の主観によるものですので、月日が経過して写真や記事と異なる場合がある事をご承知おき下さい。
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