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取材日2021年1月15日 |
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「最後のミュリナー・パークウォード社製コーチビルト!伝統工芸品ベントレーコンチネンタルIIIに陶酔する!」
白い息が朝靄に映える凛とした空気の中、今回の取材で私の目の前に現れたのは、この上なく美しい純白のボディに「ウイングドB」が眩しいほど猛々しく輝く、第3世代のベントレーコンチネンタルでした。 全四世代にわたり4458台が生産されたロールスロイスコーニッシュと似て非なるもの・・・。ベントレーコンチネンタルは全てのシリーズ20年間で生産僅か574台、しかもキャブレター仕様であった前世代から、電子制御KEジェトロインジェクションが搭載され、更にシャーシの変更と幌の電動オープン機能など刷新された第3世代モデルでは実に180台のみ(!)生産された、非常に希少かつベントレー生粋の血を引くハイエンドドロップヘッドサルーンなのです! ということは・・・・・。現代のベントレーでは、当時の生き残りの匠の存在で、辛うじて「ミュリナーパッケージ」というラインナップが存在しますが、時代を遡ればそれは、英国伝統工芸品、匠職人達のハンドメイドによるボディ架装がなされた英国文化を語れる車・・・・・・!ミレニアムの声が聞こえ始め、合理的・コスト重視の現代ビジネスモデルが当たり前となった時代に、非常に惜しまれながらも姿を消した、「最後のミュリナー・パークウォード社製コーチビルド」のベントレーなのです! この歴史的貴重なモデルを紹介するにあたり、ベントレーとロールスロイス、そして英国最高クラスのコーチビルダー、ミュリナーパークワードについて少々触れながら、目の前のホワイトが眩しいビクトリアンビューティについて紹介したいと思います。
「似て非なるベントレーとロールス・ロイス」
ベントレーとロールス・ロイスは驚くほど似ていますが、その反面全く異なる自動車製造ブランドです。この2つのビッグネームの共通点は、日本では大正期、世界的にはアール・デコが花咲く時代に、革新的モータリゼーション創造というエンジニアリングへの情熱に駆られた先駆者達によって生み出されたという事実があります。 1930年にル・マンをそれまでとは異なる大型のレーシングカー、かの有名なスピードシックスで制したベントレーと、生粋のラグジュアリーサルーン製造に重きを置いたロールス・ロイスは共に自動車開発においてフランス・ドイツに遅れを取っていた当時の英国で独善的な受け入れをされます。しかし世界恐慌の煽りと言う歴史の悪戯の中でロールス・ロイスはベントレーを買収するのですが、それまでの創業者スピリットに敬意を示し、「恒久的にお互いのブランドに影響を与えない」と言う一文が契約書に残り今日に至るのです!これによりロールスロイスが純粋な高級車であり続けるのと同じように、ベントレーはトップスポーツカーとドライビングエクスペリエンスを高めるための高性能車であり続けているのです。
「英国トップコーチビルダー、ミュリナーパークワード社」
王族・貴族と言った世界中の富裕顧客のどんな要望にも応える架装技術、16世紀の馬具製造から始まり18世紀の馬車製造への歴史、その伝統的匠の技術を重んじる20世紀までの英国では、今日の電子制御制ロボット工業による合理的物作りで姿を消した、職人制手工業コーチビルドと言う製造方法が高級車製造では通常の事でした。スタンダードなモデルとは全く異なり、すべて顧客の要望に基づき製造される手法は、特に戦前のベントレー、ロールスロイスにおいては機械製造会社とボディ製造(コーチビルダー)を明確に住み分けしていたのです。
「まさにビクトリアンビューティ・・・優雅で美しい第3世代のドロップヘッド 91‘ベントレーコンチネンタルIII」
モダンアートから古典絵画まで幅広く収集され、普段の生活の中で芸術を心から楽しまれるオーナー様はロールス・ロイス、戦前メルセデス・ベンツなどの極めて美しいクラシックサルーンを清潔感溢れるガレージに配して観賞されます。車好きにとっての「桃源郷」ガレージはまさに「プライベート・クラシックカーミュージアム」です!
「30年経過したとは到底思えない、91’ベントレーコンチネンタルIIIじっくりと鑑賞してみましょう!」
まず一瞬で心が動くのが、素晴らしいホワイトのボディカラーです、直線と曲線がミラクルなバランスで交差する匠職人の手によるボディの作り込みは、到底機械生産では出せない素晴らしい物で、巧妙なペイントワークと相まって実に「豊潤・しっとり感」満載!私の角膜を通して伝わるその質感は、思わず「素晴らしい・・・・!」と感嘆の声が漏れる程です! 触らずとも十分に「あの厚み」が感じ取れるタンカラーのレザーシートは、ステッチワークにうっとりするほど・・・。安心感極まりない車上の座り心地は世界の王族・貴族が納得するハイエンドヨーロピアンソファの如く素晴らしい物です。
「とても気さくなオーナー様、「堀川さんに原稿書いてもらうのだからじっくり乗ってみて!」と小一時間程、このエレガントなビクトリアンビューティーを筆者に託して下さいました!」
(※動画を参考に是非想像してみて下さい!) グリルに輝く「ウイングドB」のエンブレムをじっくり見つめたあと、前述のまさにアートなドアハンドルに手をかけます・・・。現在の車の三倍はあろう分厚いドアを重厚感溢れる上質な音とともに閉め、豊潤なインテリア空間に身を置きます・・・。ちょっと高めの見晴らしの良いパッセンジャーシートから、一段下がったドライバーシートに座ると、この車がゆうに5mを超えるサイズとは思えないほど見切りが良いことに気が付きます。ミュリナーパークワードの素晴らしいコーチワーク、素晴らしい造形美の数々に気持ちが高揚!インテリアの空気がプラスの粒子を携え体内へ、そして血液を通じて脳内へ!右脳をダイナミックに活性させるのです! そして・・・キーをひねりエンジンをイグナイト! 何もむずかる事なく一瞬で6750ccベントレー伝統のアロイエンジンは目を覚まし、一瞬の咆哮の後、実に静寂なアイドリングへと移行します。表現するなら平穏そのもの、実に「豊潤な静寂」があるのです。 オートクルーズ機能が付いたATシフターをDレンジへシフト、自動でエマージェンシーブレーキがメカニカルなサウンドと共に解除されます。一息つき、ゆっくりブレーキペダルから足を離しアクセルペダルに足を置くと・・・、この実に豊潤なコンパートメントは主たる目的の移動空間として、出力表示”Enough”(十分)とだけ表示されるLシリーズ(L410)6750ccベントレー伝統のアロイエンジンにより優雅に、そして実にトルクフルに加速するのです!その膨大なトルク感たるや、アクセルを少し・・・踏み込むと「ズワンッ・・・スーーッ」と、まるで重力に引っ張られる感覚・・・それがエアーコンディショナーの空気の動く音のみ脳内にこだまする静寂さと同時進行で「あっ」という間に加速するのです!その時の室内の静寂さたるや・・・、それは・それは・・・、現代のハイブリッド車の機械で制御された一種ストイックな静寂さとは全く異なり、トップコーチビルダー、ミュリナーパークワード社、匠職人による実に豊かな作り込みにより、ベントレーのスピリットを「優雅」という言葉で表面から隠した「豊潤な静寂さ」と表現できる感覚なのです。 それにしても外見上想像つかない、驚く程取り回ししやすい車体と極上の乗り心地・・・。豊かなソファと絶妙に見晴らしの良い後部座席など「至福の空間」そのものです!筆者にとってあっという間の幸せな時間がそこにありました。
「こんなに素晴らしいベントレーコンチネンタルIIIをなぜ手放されるのでしょう?」
オーナー様は笑いながら「生前整理だよ」とおっしゃいます。
「取材後書き」
「160万キロにも及ぶベンチテストを経て顧客にデリバリーされる「壊れない神話」を持つこのベントレー伝統のアロイエンジンにとって走行数万kmはまさに慣らしが終わった所、このエンジンが美味しいのはまさにこれから・・・」英国本国の文献読みあさって見つけた実に懐の深い一文です・・・。
この素晴らしい車両は現在、群馬県にあります。 現在車検は切れておりますが、現在の主治医様の所で対応する事はもちろん可能ですのでお気軽にご相談ください。
個人のため諸費用等はかかりませんが、自動車税(月割り)とリサイクル料のご負担をお願いいたします。また陸送等は購入者様の方で手配をお願いいたします。 (お問い合わせに際して) 記事内容は担当者が1時間程度の取材時間の中で、オーナーさんのコメントと、見聞したものを元に作成したものですので、現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があり、記事内容に関しても全てエンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。 状態等のコメントもあくまで取材時の状況及び取材担当者の主観によるものですので、月日が経過して写真や記事と異なる場合がある事をご承知おき下さい。 掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお個人間での取引となりますので、冷やかし防止のため、現車確認はあくまで購入を前提として検討されている方のみとさせて頂きます。 |
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