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取材日2020年10月12日 |
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「あの時の夢をもう一度走らせたい!並々ならぬ情熱で現代に蘇った絶版オリジナルZ」 世界的に見てもクラシックカーとして人気が高い1969年〜78年にかけて日産が生み出した初代S30系のフェアレディZは、当時アメリカ日産の社長であった片山豊氏が北米マーケット開拓の為に「ジャガーEタイプの様な車を作れ!」とデザインチームを説得し誕生した話は有名です。その後、片山氏の思惑通り、欧州車と比べて当時遥かに廉価でありながら性能的には互角以上の技術を盛り込んだ初代S30系は北米で大ヒットします。筆者は2000年まで米国にいた経験がありますが、現在でも熱狂的北米エンスージアストが異国情緒いっぱいにモディファイを施したZ-Carはアメリカ大陸の至る所で見ることができます。
「ちょっと野暮な2by2をあの頃乗りたかったグッとくる貴婦人に仕上げるプロジェクト!」 今回お会いした自動車整備士の資格を持ち、プロのモデラーであるオーナー様が、並々ならぬ愛情と情熱で製作期間1年3ヶ月、毎日仕事を終えられてからの延べ数百時間を投じて、時にはガレージで寝泊りしながら、まさにドンガラ状態から製作されたのが今回ご紹介するGS31改です。ロケーションのとても良い取材場所に現れた貴婦人は、まさに映画「マイフェアレディー」の如く、野暮な田舎娘が貴婦人へと変身したかの様に、男心をくすぐるグッドなセンスで要所をまとめられた、まさにクールビューティーな貴婦人だったのです。 そう!あのマルーンカラーとZノーズにボリューム感あふれるプロポーションが見た事の無い長身ロングホイールベースでさらに磨きがかかる!「あの時の夢をもう一度走らせたい」という熱望をプロのモデラー感性100%オーナー様がイメージの100℃沸点を超えて昇華させた「息を呑むほど美しい・・・」というプロポーションを持った情熱マシンだったのです。見る角度を変えるとそのボリューム感あふれるプロポーションは複雑な曲面デザインが織りなす技で幾度も変わります!そこが何とも美しい!目の前のグッとくる普通よりプロポーションの良くなった(ロングホイールベースの意)貴婦人を前にして、思い浮かんだのが冒頭の片山豊氏の名言「ジャガーEタイプの様な車を作れ!」だったのです。
「作り手の感性が脳裏のイメージで生み出したオリジナル貴婦人」 オーナー様の1/1モデルカープロジェクトが始まったのは今から5年前、程度の比較的よかった2by2を偶然手に入れられた事から始まります。まずは全て降ろしてドンガラ状態にしL20エンジン・トランスミッションを全てばらしてオーバーホールされました。基本的にエンジンは最終型ボッシュ開発のLジェトロニック・日産E G I仕様で現在は「見た目と裏腹・楽に乗れる貴婦人仕様」になっています。いじり倒した(いじめ倒した)結果普段に乗れなくなった車をよく見かけますが、普段に気軽にこの貴婦人に乗れるのは何とも嬉しい限りです。その後は入念なボディレストアに着手、腐食など比較的少なかったボディを全て剥離し仕上げられます。その作業はまさに情熱なしでは語れません、部品1つ1つを成長した貴婦人をイメージに丁寧に愛情かけて磨きあげ「寿命が明らかに短くなった」と笑いながらお話しされるそのお言葉に「何とも楽しい素晴らしい時間をすごされた」と感じずにはいられませんでした。 企業がものづくりする背景には必ず時間とコストに縛られた製作環境がありますが、この時間とコストを度外視した情熱のものづくりは時に企業が生み出し得ない素晴らしい作品ができると私は常々思います。苦しい(本当は楽しい)時間を過ごされ段々と貴婦人の形が見えてくるにつれ、仕上がりイメージが湧いてこられた1/1モデラーオーナー様、いよいよ脳裏のイメージを具現化する仕上げ作業へと進みます。「旧車はこうして乗るんだよ」と言わんばかりの20回以上トライされた5分割Gノーズの完璧なインストール。3分割リアスポイラーのあの後付け感がたまらない雰囲気。長く〜低く〜そしてワイドに!カヤバのショートショックに亀有の強化サス(車検対応)で大人のセンスあふれるローダウンを実現。フロントに9.5J、リアに11.5J(!)という深リムホイールを収めるべく、リアはオーバーフェンダーを何と(!)2枚重ねて削り出し成形してこの貴婦人の独自のオリジナルプロポーションを生み出されたのです!
「華やかなデビュー・・・そして想いが形になった瞬間に待っていた事」 「あの時の夢をもう一度走らせたい・・・」そんな気持ちで始まったプロのモデラーオーナー様の「オリジナルを超える事を目標にプロポーションがグッドな貴婦人を脳裏のイメージ通り感性で作り出す」という壮大なプロジェクトはお上のお墨付き「改造公認車検」を経て華やかな社交界にデビューいたします。かねてよりオーナー様の夢の舞台であった某有名ノスタルジックカーショーに出演、また地元の新聞でもその華やかな貴婦人デビューが大きく紹介されました。その結果としてオーナー様は現在仲間も大勢増え、とても有意義な人生をお過ごしです。そしてこの物語は意外な方向に・・・手塩にかけ成長しデビューした貴婦人を見て感無量のあまり現在は燃え尽き症候群となられるのです・・・。作り上げることに最大の喜びを感じ、仕上がったら乗らない・・・エンスーの杜の取材では時折お聞きするこの事実。決して愛情が冷めたという事では無いのです。
「この物語の後書・・・」 エンスーの杜掲載写真は上限50枚ですが、気が付けば写真撮影枚数300枚以上、その殆どが微妙に角度を変えた位置からのショット。目の前の貴婦人がボリューム感豊な表情を見せてくれる事を心から楽しみシャッターを押し続けていました。30cm長いホイールベースとより低くワイドなイメージがここまで2by2を変えるのか!と驚愕し、既存概念に捉われずに情熱レストアされたオーナー様の感性にまさに脱帽という心持ちです。
この車両は現在、長野県にあります。 |
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888万円 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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