BMWミニ は当初ローバーが企画開発したものをBMWが会社ごと買収し、中身に自社開発FF車を組み入れ日本では2002年に発表された、BMW初の前輪駆動車です。
スタイルやデザインは旧ミニ(ローバーミニ、クラシックミニ)のキャラクターを継承していますが名称とスタイルの雰囲気以外はクラシックミニとは全く異なる現代的な車となっています。
今回ご紹介する車両は1.6リッタースーパーチャージャー搭載のハイパワーモデル。
最高出力は163ps/6000rpm、最大トルクは22.3kgm/4000rpm で、1.4 Lから1.8 Lのカテゴリーにおいて「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー for 2003」「テン・ベスト・エンジン2005」を受賞している評価の高いエンジンです。
ミッションは6速マニュアル、ハイパワーに合わせて足回りはスポーツサス搭載で引き締まっており、剛性感がありながらキビキビ感のある乗り味。ボンネットにエアインテークを装備し、前後バンパーやサイドステップ、サイドベント、ガソリンキャップ等の細部のデザインがノーマルモデルとは違ったスペシャルなモデルになっています。

【外装】
ミニで一番人気だというペッパーホワイト(アイボリーのような温かみのあるホワイト)のボディはキーパーコーティングもされており、美車と言って良い綺麗さです。
また、ヘッドライトも磨いてコーティングされており、綺麗です。
ボディの小さな欠点を挙げるとすればボンネットのエアインテーク樹脂部分に目立ちませんがクリア剥げが少しと、その下のフロントエンブレム表面の黒色塗装の剥がれ、ドアミラー左右にスレが少しあるくらいでしょうか(コンパウンドで磨けばほぼわからなくなりそうなレベルです)。その他、ホイール4本共に軽いガリ傷(あるいはタイヤ交換の際に付いたと思われる傷)があるくらいで、全体としては美車と言っても良いと思います。

【内装】
内装はさすがBMW製と言っても良く、所々のメッキの輝きも含めて質感が高くスポーティで高級感があります。クラシックミニを踏襲したセンターメーターもこの車がミニだということを意識させられ、この先も飽きがこないデザインだと思います。
輸入車にありがちな内装の浮きや樹脂のベタつきもなく、2023年にルーフのライニングの張替えもされているため天井の垂れもありません。
特別なモデルだけに採用されているハーフレザーシートの本革部分には多少の使用感はありますが、2023年にシートのリペアをされており、へたりや型崩れなどはありません。本革ステアリングの状態も良く、前オーナーはガレージ保管だったのではないかと思いますが、内装も外装同様に綺麗な印象です。
エアコンも良く冷えており、サンルーフの開閉もスムーズ。この大きなサンルーフはとても魅力的ですね。

【機関】
オーナー様が自覚している不具合は無いとのことでした。
試乗もさせていただきましたがエンジン、足回り等、何も問題無く快調でした。
タイヤはヨコハマのアドバンスポーツ、前後205/45RF17、2020年製で前後共に7分山程度です。

【後付けパーツ】
アーキュレー マフラー
バックミラーモニター
ETC車載器

【整備履歴】
女性のファーストオーナーがミニの正規ディーラーで購入し、新車から14年間はワンオーナーのディーラー整備で記録簿が残っています。特記事項以外は一般的な車検整備で油脂その他の定期交換部品・消耗品を交換しているくらいです。
当初オーナーが手放され、ショップで販売されていたものを現オーナーが2023年5月に購入されており、途中2〜3年間の履歴がありませんが、現オーナーで2オーナー車ではないかと推測します。

整備記録簿の記録は以下の通りです。
2004.3 納車前点検
2005.3　6,000km　 1年点検　マフラー交換(アーキュレーのマフラーに交換したものと思われます)
2006.3　11,000km 車検整備
2008.3　17,000km 車検整備
2010.3　22,100km 車検整備
2012.3　28,400km 車検整備
2014.3　32,800km 車検整備　右エンジンマウント、リアブレーキパッド交換
2016.3　40,000km 車検整備　タイヤ4本、フロントブレーキパッド、ローター、ロアアームブッシュ左右、ボールジョイント交換
2018.2 46,200km 車検整備 ここまでワンオーナーの記録簿です
2021.2　54,200km 車検証記載走行距離　
2023.5　現オーナーがショップから購入
2023.5　59,400km　車検整備　クラッチカバー、ディスク、ベアリング交換、天井ライニング張替え、シートリペア、パワステ低圧ホース交換、右ドアミラー取替・カバー交換、ラジエター点検・レジスター不良取替、ヘッドライトコーティング
2023.7　右パワーウィンドウレギュレーター交換
2023.8　ボディコーティング施工
クラッチ交換後、5,000km程度しか走られていないのがポイント高いと思います。

【取材担当者からの一言】
ご好意で試乗(運転)もさせていただきましたので、その印象を記載いたします。
運転席に座るとクラシックミニをモチーフしたプロポーションゆえ、フロントガラスを含めた各部ガラスは傾斜が少なく立ち上がっており、車体サイズに比して車内は広く感じます。

エンジンをかけ走り出しますが、ボディ、足回り、ステアリング、ペダル、シフト等、全てががっちりしており剛性が高く感じます。クーパーSのようにグレードの中で一番のハイパワーエンジンを積む車はエンジンにボディや足回りが負けている感覚がままあるものですが、そういうところは一切なく、さすがBMWとも言うべく、かなり真面目に作られた上出来のFFスポーティカーという印象です。ハンドリングも重厚でありながらクイックでスポーティ。

エンジンはスーパーチャージャー搭載で2,000ccを超えるクラスのエンジンかと思うくらい全域でトルクアップしており、かといって過去のスーパーチャージャーのように高回転で詰まる感じは無く、3,000回転を超えると更に伸びが増す印象です。

クラシックミニをモチーフとした愛らしい外内装だけでなく高級感もあり、ボディもしっかりした真面目な車で運転が好きな方にはとても楽しい車だと思います。大型サンルーフが付いていて開放感もあるのがこれまたいいですね。
そのスタイルや内装デザインもクラシックミニをモチーフとしている独特のものですから年月が経っても色褪せ感はなく、これから先もずっと愛せそうなお車だと思いました。

オーナーはかなりの台数を検討されて、このミニを選ばれたそうです。現在、中古相場も底値に近く、50万円を切る車体もありますが、コンディションの点でそのような車では満足できなかったこと、費用のかかるクラッチ交換もされていて程度が良かったということもあり価格は高かったが程度の良いこの車を選ばれたとのことです。
とても気に入られており長く乗るつもりでしたが、仕事で海外に行かれる可能性が高まっているとのことで、売却を決意されました。

現在、中古相場も底値だと思いますが、クラシックミニと同じようにこれから先は程度の良いものは減っていき、価格も上昇してくると思います。価格以上のパフォーマンスがあるお車だと思いますので、ミニの好きな方、運転を楽しまれたい方にお勧めしたい一台です。

実車は福岡県にあります。

以上の記事内容は、オーナーさんのコメントと取材をもとに作成したもので、わかる欠点なども含めて出来るだけ客観的に誠実に記事を作成するように努めておりますが、不具合箇所、整備履歴、修復歴などに関して取材時に完全に把握することはできませんし、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。現車の状態が最優先の現状販売となりますので、最終的にはご自身でご確認、ご判断の上、購入をお決め下さい。