〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆ジャガー Eタイプについて
――――――――――――――
1961年、ジュネーブショーにて華々しいデビューを飾ったEタイプは、美しいボディラインのみならず、当時としては夢のような最高時速240km/hを標榜し、人々の憧れの的となりました。
ボディはオープン2シーターとクーペの2つがあり、前者はロードスターの名で呼ばれています。
エンジンは3.8リッターと4.2リッターがあり、トランスミッションは4速MTと3速ATが設定されました。
3.8リッターは直列6気筒DOHCのXKエンジンに3連SUキャブレターを搭載し、最高出力265hp/5,500rpm、最大トルク36.0kgm/4,000rpmを発生します。
4.2リッターは3.8と同じ265hp/5,400rpmでしたが最大トルクを39.1kgm/4,000rpmにアップ、大幅に扱いやすくなりました。
ブレーキはダンロップ製のディスクブレーキ、サスペンションは4輪独立懸架(フロントがダブルウィッシュボーンにトーションバー、リヤは2本ずつのショックアブソーバーとコイルスプリングを備えた変形ダブルウィッシュボーン)を採用、ステアリングはラック・アンド・ピニオン、ホイールはワイヤーホイールが標準で装備されました。
その後、Eタイプは大きなモデルチェンジを3回行います。それに応じシリーズ1からシリーズ3の名称が与えられます。
シリーズ1の時代にはマイナーチェンジを2回行っています。
1968年にシリーズ2、そして1971年10月にシリーズ3が登場。
シリーズ3のとき、5.3リッターのV12エンジンが搭載、そしてクーペが廃止され、2+2のボディに変わります。
5.3リッターはゼニス・ストロンバーグキャブ175CDSEを片バンク2機ずつ備え、272hp/5,850rpm、42.0kgm/3,600rpmを発生します。
2+2クーペは1973年末、ロードスターは1975年2月に製造中止となります。
製造中止の前の最後の50台にはライオンズのサインが入ったゴールドのプレートが助手席のパネルに貼付けられています。50台のうち49台は特別色のブラックで塗装され、最後の1台はジャガー・ヘリテッジ・トラストに展示されています。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆ご紹介する車両について
――――――――――――
今回ご紹介する車両は、ジャガー E-type シリーズ3の5.3リッターモデルです。
初年度登録が1994年、クーペモデル、左ハンドル、3速オートマチック、メーターはマイル表示、スチールホイール+ホイールキャップ付き、吊り下げ式クーラー装備、パワーステアリング装備、フル装備の車両です。
現オーナーさんは、ある日車で走っていたらショップに止まっているジャガーを発見、気になってUターン、そのショップに入ります。
このショップはスーパーカーを販売しているショップ、周りの車と違うオーラを発するジャガーにオーナーさんは一目ぼれ、購入にいたります。
前オーナーさんは、ジャガーマニアの方、2006年にレストアを行なっています。
内容はエンジンオーバーホール、全塗装などです。
全ての内容ではありませんが残っている書類と写真で以下にご紹介します。
部品購入リストと整備です。
◆1999.3 部品購入
・ヘッドガスケットセット
・コンバージョンガスケットセット
・ロワーオイルシールセット
・ピストンリングセット
・ラックブーツセット
・シールリペアキット
・クロスジョイント
◆2006.4 部品購入
・メインベアリングセット V12 STD
◆2007.5 部品購入
・ステアリングロック&イグニッションスイッチ(Eタイプ S3)
・ステアリングイグニッションスイッチリレー(Eタイプ S3)
◆2007.5 車検整備・新規登録
・エンジンオーバーホール
・バルブ擦り合わせ
・ヘッド面研磨
・シム調整
・プーリー製作
・アイドラプーリー製作
・マニホールド、ニップル製作
・オルタネータープーリー製作
・クランクプーリー製作、加工
・ダイナモ交換
・ベルト交換
・リヤアーム B/C 入れ替え
・フロントアーム B/C ボールジョイント交換
・トーションバー(左右)交換
・ブレーキオイル交換
・ラジエター修理
・マフラー製作
・エンジンオイル交換
・クーラント交換
・パワステフルード交換
・ホーンスイッチ修理
・フューエルゲージ修理
・灯火装置配線修理
・下回りブラック塗装
◆2007.11 部品購入
・カムカバーガスケットRH(Eタイプ S3)
・カムカバーガスケットLH(Eタイプ S3)
◆2008.3 部品購入
・ヒーターレジスター(Eタイプ S3)
・ヒーターファン(Eタイプ S3)
・ヒーターモーター(Eタイプ S3)
◆2009.1 部品購入
・ステンレス製エキゾーストシステム
・エキゾーストマウントラバー(Eタイプ)
・エキゾーストクランプ
・エキゾーストシーリングリング(Eタイプ)
◆2011.12 部品購入
・イグニッション増幅器(Eタイプ S3)
レストア時(2006年)写真には、エンジンのオーバーホールの様子、エンジン&ミッションを降ろしての塗装などの様子が写っていました。(写真を参照してください)
購入時に、たくさんのパーツを譲り受けています。
◆部品名
・ファンベルト
・ディストリビューターキャップ
・イグニッションコイル
・オルタネーター
・オートマチックトランスミッション
・インテークマニホールド+SUキャブレター×2
・エキゾーストパイプの一部
・スターターモーター
・タイヤ付きアルミホイール×4
・パワーステアリングギヤボックス
・ホイールキャップ×4
・シリンダーヘッド+エキゾーストマニホールド×2
ただし、パーツ自体が使用できるものかどうかはわからないそうです。
お付けしますと伺っています。
元々ジャガー好きのオーナーさん、Eタイプの当初のイメージは運転がしづらい、取り回しがしづらいとか思っていたそうですが、乗ってみると全然違っていて、普通に乗れると感じたそうです。まあコンビニ行くのには使いませんが、ちょっとした遠乗りのドライブでもOKですとお話していました。
売却理由は、他にも面倒を見る車があり、車庫整理のためとお聞きしています。
〓〓〓〓
◆外観
――――
長いフロントノーズが伝統的なブリティッシュスタイル、ボディカラーはイエローです。
塗装はきれいな状態ですが、ボンネットに塗装の細かなひび割れが見られました。
ボンネットには2個所、後付けのルーバーがありました。
メッキ類はきれいですが、多少のボツボツが見られます。
ホイールは、スチールホイール、ホイールキャップ付き、タイヤサイズはP205/70R15です。
もう1セット、アルミホイール+タイヤがありますので付けて頂けます。
〓〓〓〓
◆内装
――――
オリジナルのインテリアです。純正ステアリングホイール、スミス製メーター、メッキのパーキングレバー、伝統のイギリス車のコックピットですね。
シートはヘッドレスト付きのオリジナルシート、表皮は張り替えてあります。
内張りも張り替えています。
インパネセンターに吊り下げ式のクーラーを装備しています。
〓〓〓〓
◆機関
――――
V12のエンジン、エンジンカムカバー、ストロングバーグのキャブが4基、エアクリーナー、どれも魅力的な光彩を放っています。トランスミッションは3速オートマチックです。エキゾーストマフラーは4本出しです。
◆エンジンスペック
種類:V型12気筒SOHC
総排気量cc:5343
最高出力/回転数 HP/rpm:272/5850
最大トルク/回転数 kg・m/rpm:42.0/3600
〓〓〓〓
◆足回り
――――
オリジナルの足回りです。
◆足回り仕様
ステアリング形式:ラック&ピニオン(パワー)
サスペンション(前):ダブルウィッシュボーン+トーションバー/スタビライザー
サスペンション(後):ロワーウィッシュボーン+ツインコイル/スタビライザー
ブレーキ(前):ディスク
ブレーキ(後):ディスク
更新記事(2021.7.16)
車検を更新しました。特に大きな整備はしていないとお話がありました。価格は据え置きとしましたので実質の値下げとなります。あまり気を遣わず乗れるオートマのEタイプ、ぜひこの機会に!!
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。