〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆いすゞ・ピアッツァについて
――――――――――――――
いすゞ自動車は、1993年に乗用車の生産から撤退してしまうのですが、いすゞ自動車の乗用車の歴史の中で忘れてはいけない車がいくつかあります。ベレット、117クーペ、ジェミニ、そして今回ご紹介するピアッツァです。
ピアッツァは1981年に登場します。デザインは117クーペと同様にイタリアのデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロが担当します。そのベースとなったのは「アッソ・デ・フィオーリ」、1979年3月にジュネーブショーで出展したデザインカーです。
そのデザインカーのサイズを具体化し、細部にリファインを加えて商品化されたクーペがピアッツァです。そのデザイン通りに量産化されたことが世間で話題となりました。
外観のデザインもさることながら内装もオリジナルのデザインを踏襲しています。
大人4人の乗車が可能な居住性、サテライト式コクピット、一部車種にはデジタルメーターを装備、ステアリングホイールから手を離さずにエアコンやハザードスイッチの操作ができます。
後席3点式シートベルトの採用は後席の安全性を重視した先進的な装備だったそうです。
また、ウォッシャーノズル内蔵のワンアーム式フロントワイパーも斬新なものでした。
パワーユニットは2.0リッター4気筒DOHCとSOHC、そして2.0リッター4気筒のSOHCターボの3種あり、トランスミッションは5速MTと4速ATがありました。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン+コイルスプリング、リヤが3リンクリジッド+コイル、前後輪共にアンチロールバーが付きます。
ハンドリングバイロータス仕様はリヤが5リンクリジッド+コイルとなります。
ステアリングギヤボックスは車速感応型パワーステアリングを装備、ブレーキはフロントがベンチレーテッドディスク、リヤはソリッドディスク、ターボ車のリヤはベンチレーテッドディスクです。
初代ピアッツァには、ドイツのチューナーイルムシャーが足回りをチューニングしたモデル、ロータス社のハンドリングバイロータスなどのモデルがありました。
最終モデルは1990年に登場した「ハンドリングバイロータスリミテッド」、そして1991年に販売終了となります。
その後、ピアッツァ・ネロ、2代目のピアッツァが登場、1993年3月、いすゞ自動車の乗用車生産撤退により、いすゞが開発した最後の乗用車になりました。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆ご紹介する車両について
――――――――――――
今回ご紹介する車両は、ピアッツァのハンドリングバイロータスです。現オーナーさんは1994年にいすゞのディーラーで認定中古車として購入されます。
実はオーナーさんはこのピアッツァが2台目、一台目は赤の1.9XJだったそうです。しかし、動力性能が今一歩だったため、2.0XEに乗り換えとなったそうです。
それから24年間、土日のドライブカーとして所有されてきましたが、もう一台趣味の車ができたため、2台体制の維持は難しく、大切にして頂ける方にお譲りした方がいいと思い、エンスーの杜への掲載依頼となりました。
〓〓〓〓
◆ボディ
――――
ボディカラーはブリティッシュグリーン・マイカ、きれいな状態です。
ヘッドライトカバーのホップアップは正常に作動していました。
ピンストライプに若干の欠けがありましたが、その他のデカールやエンブレムはきちっと残っていました。大きなものは無いのですが塗装の塗り直しや板金修理歴があります。
また、右側サイドに十円パンチのキズ跡があり、タッチアップしてありました。
アルミホイールは純正のBBS製ホイール、タイヤサイズは195/60R14です。
〓〓〓〓〓〓
◆インテリア
――――――
グレーとブラックカラーの落ち着いたインテリアです。
サテライトスイッチは正常に作動していました。サテライトスイッチがあるため、運転席側のエア吹き出し口は、少しせり上がっています。特長的なデザインですね。
フロントシートは、レカロシート並みのデザインと機構を備えています。シート生地はヘリンボーン、お洒落ですね。もちろんリヤシートもデザインセンスのあるものでした。
天井はオーナーさんご自身で張り直しを行なっています。
オーディオは社外のMDデッキ、MDデッキの下にあるイコライザーは繋がっていません。
パワーステアリングの3段階調節レバースイッチがあるのですが機能していないようです。
エアコンはよく効いていました。
〓〓〓〓
◆機関
――――
エンジンの始動は良好、アイドリングも安定していました。
しかし、数年前にはエンジンチェックランプが点灯し、エンジンが息継ぎし、エンジンがストール、再始動がするけれど、またしばらくする不調になる症状が出ていたそうです。これはエンジンECUの半田付けのひび割れが原因、いすゞのエンジンECUによくみられる症状だそうです。オーナーさんは一度車屋で修理したのですが再発、これはと思い、基板屋さんに修理を依頼し、古い半田をすべて取り去り、新しい半田付けをし直したそうです。
それ以来エンジンが不調となることはなくなったそうです。
◆エンジン仕様
・エンジン種類:水冷直列4気筒SOHCターボ付
・総排気量:1994cc
・最高出力:150PS/5400rpm
・最大トルク:23kg-m/3400rpm
トランスミッションは4速オートマチックです。
〓〓〓〓
◆足回り
――――
ロータス社がチューニングした足回りです。そのコンセプトは「ヨーロッパで通用するGTクーペ」です。目標性能は、安全性が高く、プログレッシブであり、究極のロードホールディング、正確で手応えの良いステアリング、疲れのこないフラットな乗り心地、そしてファン・トゥ・ドライブです。
前後のブレーキディスクをスリット入りに交換しています。ノーマルのブレーキディスクもありますのでお付けします。
また、一時車高ダウンスプリングを付けていたそうですが、現在はノーマルのスプリングとなっています。ダウンスプリングは保管していますので欲しい方にお付けします。
〓〓〓〓〓〓〓
◆メンテナンス
―――――――
24年間所有の記録が残っています。
◆1996年6月 車検
◆1996年7月 修理(71482km)
・ワイパースイッチ交換
・ヒュージブルリンク交換
◆1998年2月 修理(81912km)
・ブレーキディスクローター交換
・コントロールリレー交換
◆1998年6月 車検(83877km)
・バルブロッカーカバーパッキン取り替え
・前後ブレーキパッド交換
・エンジンオイル/エレメント交換
・ワイパーゴム交換
・スパークプラグ交換
・タペットカバー交換
・ロングライフクーラント交換
◆1999年10月 修理(94124km)
・ファンベルト一式交換
・プラグコード/ディスビキャップ/ディスビローター交換
・スロットルボディ清掃
・エアクリーナー交換
◆2000年1月 修理
・リヤコンビネーションライトレンズRH交換
◆2000年6月 車検(98050km)
・ブレーキフルード交換
・タイミングベルト/テンショナー交換
・ウォーターポンプ交換
・ロングライフクーラント交換
・ブレーキフルード交換
・カムシャフトオイルシール交換
・オイルポンプオイルシール交換
・クランクシャフト/フロント/オイルシール交換
・ワイパーゴム交換
◆2001年9月 修理(105827km)
・エンジンオイル交換
◆2002年1月 修理
・ステアリングギヤボックスOH
・サーモスタット交換
・ロングライフクーラント交換
・パワーステアリングフルード交換
・ディスビOリング交換
◆2002年3月 修理(110555km)
・エンジンオイル交換
◆2002年5月 修理
・前後ショックアブソーバー交換
・前後スタビクッションラバー交換
・フロントラテラルロッドブッシュ交換
◆2002年6月 車検(112416km)
・タイロッドエンドブーツ交換
・フロントアッパ/ボールジョイント/ダストブーツ交換
・ブレーキフルード交換
・リヤディスクブレーキパッド交換
・スパークプラグ交換
・ワイパーゴム交換
◆2002年12月 修理(115976km)
・エンジンオイル交換
・タイヤ1本交換
◆2003年8月 修理
・フロントブレーキディスクロータ研磨
◆2003年10月 修理
・シリコンプラグコード交換
◆2004年1月 修理(125191km)
・エンジンオイル交換
◆2004年6月 車検
・オイルプレッシャースイッチ交換
・ブレーキフルード交換
・ワイパーゴム交換
・ロングライフクーラント交換
・ラジエタードレーンコック交換
◆2004年7月
・リヤサイドスピーカー取り付け(2個、アルパイン)
◆2004年10月 修理
・フューエルポンプ交換
・フューエルポンプリレー交換
◆2005年3月 修理(136396km)
・エンジンオイル交換
◆2005年9月 修理(138012km)
・サーモスタット交換
・ロングライフクーラント交換
◆2005年11月 修理(139691km)
・エンジンオイル交換
・フロントドアスピーカー取り付け(2個)
◆2006年6月 車検(145302km)
・エンジンオイル/エレメント交換
・スパークプラグ交換
・タイロッドエンドブーツ交換
・ブレーキフルード交換
・フロントディスクブレーキパッド交換
・ワイパーゴム交換
◆2007年5月 修理(150822km)
・シリンダーヘッドガスケット交換
・シリンダーヘッド平面研磨
・バルブ研磨
・ファンベルト一式交換
・エキゾーストマニホールド/ガスケット交換
・タイミングベルト/テンショナー交換
・カムシャフトオイルシール交換
・インジェクションノズルガスケット交換
・シリンダーヘッドボルト交換
・ラジエターキャップ交換
・エンジンオイル交換
・ロングライフクーラント交換
◆2007年10月 修理(153530km)
・タイヤ交換
◆2008年6月 車検(156328km)
・フロントロワーアームボールジョイントブーツ交換
・エンジンオイル/エレメント交換
・ブレーキフルード交換
◆2008年11月 修理(156653km)
・フューエルインジェクター/Oリング/グロメット交換
・サージタンクガスケット交換
◆2009年6月 修理(158766km)
・エキゾーストセンターパイプ交換
・オートマチックミッションオイルガスケット交換
・オートマチックミッションフルード交換
・エンジンオイル/エレメント交換
◆2009年8月 修理
・フロントブレーキディスクロータ交換
◆2009年10月 修理(163198km)
・エンジンオイル/エレメント交換
◆2010年5月 修理(167363km)
・エンジンオイル/エレメント交換
・ブレーキフルード交換
・リヤブレーキディスクパッド交換
・ロングライフクーラント交換
◆2010年9月 修理(170148km)
・フロントドアウインドウレギュレターRH交換
◆2011年9月 修理(175335km)
・エンジンオイル交換
◆2012年9月 修理(180479km)
・ブレーキマスターシリンダーOH
・フロントブレーキキャリパーOH
・リヤブレーキキャリパーOH
・ブレーキフルード交換
・フロントブレーキホース交換
・リヤブレーキホース交換
・センターブレーキホース交換
◆2013年2月 修理(181202km)
・スターターモーター交換
◆2013年3月 修理(181639km)
・フューエルフィルター交換
◆2014年6月 車検(184466km)
・エンジンオイル/エレメント交換
・ブレーキフルード交換
・ワイパーゴム交換
・ロングライフクーラント交換
◆2014年6月 修理(184615km)
・フューエルポンプ交換
◆2015年4月 修理
・エンジンECU基板再半田付け処理
・天井張り替え(ファブリック→レザー)
◆2016年6月 車検(187485km)
・ファンベルト一式交換
・エンジンオイル交換
・ブレーキフルード交換
・ワイパーゴム交換
◆2016年9月 修理
・バッテリー交換
◆2016年12月 修理
・オルタネーター交換
◆2017年10月 修理(188815km)
・クーラーコンプレッサー交換
・クーラーレシーバータンク交換
◆2018年3月 修理(189072km)
・パワーステアリングパイプ交換
・パワーステアリングオイル交換
・エンジンオイル/エレメント交換
◆2018年6月 車検(189970km)
・ブレーキフルード交換
・フロントスタビライザーブッシュ交換
更新記事(2019.2.24)
掲載から半年経過しましたので値下げをいたします。
たまに乗ることがありますので現在の走行距離は190,906kmになりました。
そしてバッテリー上がり対策としてバッテリースイッチを取り付けました。
更新記事(2020.7.23)
車検を更新すると共に値下げ(−40万円)をしました。掲載当時と特に変わったところはないそうです。
ジウジアーロのデザイン、ロータスが足回りをチューニングしたハンドリングバイロータス、こんな贅沢な車はもう出てきませんね。
エンスー心をくすぐるピアッツァ、この機会に!!
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。