〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆フィアット・500A(トポリーノ)について
――――――――――――――――――――
今回ご紹介するのはフィアット・500、と言っても今のFFフィアットではなく、FRフィアット、それも水冷エンジンとなります。
そのフィアット・500のあだ名は「トポリーノ」(イタリア語でハツカネズミの意)、第二次大戦の敗戦とインフレでイタリア経済は壊滅状態、当時のフィアットの代表であるジャンニ・アリエッリが「一般大衆のクルマを開発せよ、それがイタリア国繁栄にも繋がる!」との指南で完成したのがトポリーノ・シリーズ(500A、500B、500C)でした。
エンジンはサイドバルブ・2ベアリングという最低限の仕様ながら上級車種並みの水冷4気筒となっており、569ccの排気量から13.5PSを発生しました。
スチールのモノコックボディに四輪油圧ブレーキ、フロント独立懸架など、超小型車ながら当時としてはかなり先進的なメカニズムを誇りました。
小さなボディに当時最先端の流線型空力スタイルを取り入れた愛らしいデザインもあいまって、人々から愛され、戦前のイタリアを代表する国民車となりました。
戦後も1955年まで生産、シリーズ全体で60万台となる大ヒット作となります。
開発に当たっては、2代目チンクエチェントの生みの親ともなるダンテ・ジアコーザが初めてその辣腕を振るったことでも知られています。
価格と維持コストともにミニマムを目指した「トポリーノ」は、二人乗りで後部はラゲッジ・スペース、普通の大人が乗ることはできません(それでもイタリア人は4、5人がムリヤリ乗り込むことが多く、そのためリヤのリーフスプリングが折れる事故が続出したそうです)。
映画「ローマの休日」には500Bが登場します。オードリー・ヘップバーンが後部の補助シートで着替えるシーンがあるそうですが、これは小柄なヘップバーンだからこそできたとなにかの記事で紹介がありました。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆ご紹介する車両について
――――――――――――
1946年モデルのフィット・500A、トポリーノです。
日本に存在する500Aは数台と聞いています。
購入したのは専門店、フルレストアした個体です。ボディ、足回り、エンジン、内装全てに手が入っているとお聞きしました。購入後、再度オーナーさんの主治医である旧車の専門店でエンジンをOHしています。シャフトブーツの交換、ポイントの交換などを行なっています。
そして、このトポリーノの最大の売りは、イタリアクラシックカー協会(A.S.I.)の登録車両ということです。歴史的な車としてイタリアクラシックカー協会で認められた車両です。
〓〓〓〓
◆ボディ
――――
ツートンカラーの塗装の状態はきれいな状態です。
また、各部のパーツは時代を反映してか、至極の造形美を感じられます。
特にドアロックの凝った構造、ドアハンドルは引き上げ式、ボンネットのルーバー、
スペアホイールカバーなど、職人の意気を感じます。
下回りも見ましたがしっかりと手が入っていると感じました。
ルーフトップも状態はいいです。リヤウインドウも透明できれいですね。
〓〓〓〓〓〓
◆インテリア
――――――
内装は、全てに手が入っています。ドアトリムやシートはファブリックとなっています。
フロアマットも張り替えてあります。
リヤシートはありますが乗車定員は2名、人を乗せることはできません。
でも当時は無理矢理に乗っていたようですが、現在は通用しません。
両サイドに外気を入れるエアアウトレットがあります。もちろん手動式です。
エンジンスタートは、イグニッションキーを差込み、スタートノブを引くとかかります。
〓〓〓〓
◆機関
――――
エンジンは当時の最高技術を継ぎこんだサイドバルブエンジンです。
エンジン全体の感じは整備がしっかりと入っていると思います。カムカバーは耀きがあり、ホース類のゴムの状態も新しく、オイルパンやシリンダーブロックもきれいです。ラジエターのタンクは真鍮製、歴史を感じます。
〓〓〓〓
◆足回り
――――
フルオリジナルのサスペンション、ブレーキ、ステアリング、やはりオリジナルが一番です。
タイヤはWAYMASTERのチューブタイヤ、サイズは前後とも4.00/4.25/4.40-15です。
シャッター付きガレージに保管。
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。