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◆シトロエンDSについて
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1955年10月4日、第42回パリ・サロンにおいて、DS19は初めて発表、未来からやってきた乗り物のようなスタイルと、その内側に隠された独創的なメカニズムは、会場を訪れた人々を驚かせることになりました。発表の日だけで1万2000件もの注文が舞い込み、“時代より20年は進んだクルマ”とジャーナリストたちが書き立てたことからも、独創的だったことがわかります。
独創的なメカニズムとは、油圧ポンプから送り出されるオイルの圧力によって作動するサスペンション、ギアボックス、ステアリング、ブレーキです。
サスペンションは、ハイドロニューマティック・サスペンション(hydro=水、pneumatique=空気)と名付けられました。さらに4段ギアボックスはギアチェンジとクラッチ操作をこの油圧で賄った半自動式で、ブレーキ、ステアリング操作もこの油圧によってアシストされ、快適な乗り心地と軽い操作系をものにしました。
1965年にはDS21が発表され、2.1Lのエンジンを搭載し、電子燃料噴射装置がはじめて採用となり、最高出力は109HPを発揮、トップスピードは175km/hを記録したそうです。
1967年9月にはマイナーチェンジがあり、フロント周りを変更、露出していた2灯式のヘッドランプがガラスで覆われた4灯式に替えられ、このうち内側の2灯は、舵角に応じて左右に首を振るという新機軸が盛り込まれました。
1972年にはDS23が登場、2.3Lのエンジンを搭載、燃料装置はキャブレターと電子燃料噴射装置があり、電子燃料噴射装置で最高出力は141HPを発揮、トップスピードは188km/hまで向上しました。
1973年から北米仕様と日本仕様には、ヘッドレストの装備が義務付けられたので、シトロエン・オリジナルのヘッドレストが少数生産されて現存します。
1974年に後継モデルのCXにバトンタッチとなりましたが、一部モデルについては1975年まで生産されました。
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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介する車両は1970年式のシトロエンDS21です。
エンジンは2.1リッターの直列4気筒エンジン、セミオートマとの組み合わせです。
現オーナーさんは、過去にシトロエンDスーパーを所有していたことがあり、その時いつかは、シトロエンDS21に乗ろうと思われたそうで、2010年に手ごろな出物があり、購入されます。
外装の状態があまり良くなかったため、2013年に全塗装しています。
事情により数年間、車検切れの時期があったそうですが、昨年の11月に車検を更新、またリフレッシュ作業も行い、現在に至っています。
所有して24年間、山あり、谷ありでしたと振り返られ、そろそろ卒業かと思い始めたそうです。
車検付きで調子がいい状態の時に売却した方がいいと思い、エンスーの杜への掲載依頼となりました。
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◆外観
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ボディは、シルバーメタリックからブラックに全塗装しています。
全塗装してから11年経過していますのでリヤ側の左フェンダーに塗装のひび割れ、ブリスターが見られました。またトランクリッドには凹みがありました。
他の部位がきれいなため、少し気になりますが次のオーナーさんにお任せしますとお話がありました。
メッキパーツはきれいでした。
ヘッドライトはHIDに交換しています。レンズはクリアでした。
ヘッドライトはハンドルを切ると、内側のライトがハンドルを切った方向に傾き、視認性アップさせる構造となっています。
ホイールは純正スチールホイール、メッキのホイールカバー付き、タイヤサイズは185HR15です。タイヤには窒素ガスが充填してあるとお聞きました。窒素ガスはホイールが酸化しにくい効果があるそうです。
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◆内装
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エンジカラーとベージュカラーをコーディネイトしたインテリアは、モダンでお洒落、シートに座ると70年代にトリップしたような錯覚に陥ります。
そして夜の首都高速は走る、ハードボイルドに乗りたい一台ですね。
ヘッドライニングはアルカンターラ生地に貼り替えています。
シート、ドアの内張り、カーペットは同じスエード生地を使用していますので高級感があり、素敵な空間を演出します。
クーラーは装備していませんので夏は乗らないそうです。
オーディオはCDデッキとMDデッキを備える2DINタイプが装備していました。
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◆機関
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直列4気筒エンジン、4速セミオートマチックとの組み合わせです。
エンジンの掛け方は、キルスイッチをONするとインジケーターランプが点灯、イグニッションスイッチをON、シフトレバーを左に倒すとスターターモーターが回転し、エンジンが始動します。
走り出すためには車高が走行モードになるのを待ってから発進します。
ハイドロのシトロエンの儀式ですね。
また、シフトレバーが「ニュートラル」位置ではアクセルペダルを踏んでもエンジンの回転は上がりません。
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◆足回り
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ハイドロニューマティック・サスペンションは、ステアリング、ブレーキと共有しているシトロエンの独自にシステムです。
ハイドロニューマティックは正常に作動していました。
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◆足回り
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以下はオーナーさんが実施した整備内容です。
◆2010.12 一般整備
・フロントバンパー左プロテクターラバー交換
◆2011.9 一般整備
・LHM補給
・ダイナモ配線修理
・バックライト配線修理
・燃料パイプジョイントホース交換
・ブローバイホース交換
◆2013.9 車検・全塗装
・板金及び腐食処理修正
・全塗装
・メッキ加工立替修正
・ボディガラスコーティング
・パラスサイドモールディングセット交換
・トランク廻りゴムシール(4PCS)交換
・トランクリッドゴムシール交換
・ルーフゴムシール交換
・ルーフゴムシールリヤ側交換
・フロントガラスゴムシール交換
・ドア水切りゴムフロント交換
・ドア水切りゴムリヤ交換
・フロントバンパーアッパー交換
・ドアミラー交換
・ドライビングライト交換(CIBIE)
・天井張り替え
◆2013.10 一般整備
・ダイナモ改造取替え
・ダイナモベルト交換
・スポットライト配線改造引き直し、スイッチ取付け
◆2013.11 一般整備
・フロントアキュームレーター(コンフォート)交換
・セルモーターマグネットスイッチ交換
・チョーク調整
・LHM補給
・タイヤ交換(1本)
◆2014.3 一般整備
・左右ヘッドライト交換(H4HID)
・左右スポットライト交換
・ワイパーモーター交換
・ハザードライトスイッチ修理
・シガーライターソケット改造/取付け
・LHMオイル補給
・ヘッドライト上下スタビライザーOH
◆2014.4 一般整備
・LHMハイポンプ交換
◆2014.6 一般整備
・ミッションオイル交換
・LHMオイル補給
・クラッチエア抜き
◆2015.8 車検
・リヤアキュームレーター交換
・LHMオイル補給
・イグニッション1.2.3システム取付け
・イグニッションコイル交換
◆2015.4 一般整備
・シガーライター交換
◆2017.10 車検
・LLC補充
・LHM補充
◆2023.11 車検
・リヤホイールシリンダー交換
・リヤサスブーツ交換
・メインアキュームレーター交換
・ブレーキアキュームレーター交換
・フューエルポンプ交換
・バッテリー交換
・バッテリーアースコード製作
・燃料スタビライザー交換
・ラジエターOH
・ウォーターポンプ好感
・ラジエタークーリングファン交換
・フューエルホース交換
・ヒーターホース交換
・ラジエターサブタンクホース交換
・ラジエターバイパスホース交換
・アクセルロッドダンパー交換
・ラジエターアッパーホース交換
・ラジエターロワーホース交換
・ラジエターロワーホースパイプ交換
・サブタンクリターンホース交換
・フューエルタンク清掃、タンクユニット点検清掃
・リヤアキュームレーター交換
・フロントサスブーツ交換
・サーモスタット交換
・フロントダンパーストッパーマウント交換
・リヤサスダンパーストッパーマウント交換
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルエレメント交換
・ミッションオイル交換
・LLC交換
シャッター付きガレージに保管、雨の日は乗りません。
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。