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◆シトロエンGSについて
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1970年にシトロエン2CVとシトロエンDSの中間モデルとしてシトロエンGSが登場します。空力性能に優れた大胆なデザイン、ハイドロニューマチックの乗り味、油圧ブレーキなど、シトロエンDSから様々な技術を受け継ぎます。
エンジンは水平対向4気筒、トランスミッションは4速マニュアルの組み合わせです。
少数ではありますが自動クラッチもありました。
デビュー時は1000cc、1972年に1200ccを追加し、1973年にはロータリーエンジンを積んだビロトールも登場します。その後、プジョーに吸収されたためビロトールは生産されなくなり、1978年からは1000ccが1100ccに変更され、1986年まで発売が続けられました。
ボディは一見するとハッチバックに見えますが独立したトランクを持つ3ボックスカーです。その後、登場したシトロエンGSAはハッチバックとなります。
サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン、リヤはトレーリングアーム、スプリングはなく前後ともに油圧制御エアサスペンションのハイドロニューマチック、自動車高調整機能と高いロードホールディングで快適な乗り心地を実現させました。
小型大衆車にも関わらず4輪ディスクブレーキを備え、強力なアンチノーズダイブ機構を持っていました。そのため制動時にはフロントダイブすることなく、逆にリヤを沈めながらエレガントに、そして強力に停車します。フロントサスペンションにはDSと同じセンターピボットを採用したため、インボードディスクブレーキとしています。
1971年にはシトロエンとしては初めて、ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞します。
1986年に1984年発表のBXに跡を譲って生産中止となりました。
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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介する車両はシトロエンGSAパラスです。現オーナーさんは京都にある有名なシトロエン専門店から購入、西武自動車のディーラー物です。
購入した個体は、ショップのメカニックの方が所有していたそうです。
実は現オーナーさん、過去にシトロエンGSパラスをエンスーの杜を通じて売却されたことがあります。何故またシトロエンGSをお聞きしたところ、本当はGSAパラスに乗りたかったそうです。GSAパラスは台数が少なく、当時は探すことができなかったそうです。
購入後、気になる箇所に手を入れます。
・エンジンのオーバーラン修理(スターターモーター交換)
・ボンネット、左フェンダー、ルーフ塗装
・バンパー塗装
・全シート張り替え
・全ドア内張りの張り替え
・ハイポンプTジョイント交換
オーナーさんの元へ来る前に以下の整備を行なっています。
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルフィルター交換
・ギヤオイル交換
・左タイロッドエンド交換
・左タイロッドエンドブーツ交換
・PLUS91添加剤注入
・Magic5添加剤注入
気になる個所を直して、いざと乗ろうとなったときに身体的問題が発生、手放すことを余儀なくされ、エンスーの杜への掲載依頼となりました。
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◆外観
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一部再塗装があるもののボディカラーは、きれいな状態だと思いました。
当時ものを感じさせる色味ですね。
ハッチバック、4ドアモデル、サンルーフ付きです。
サンルーフは、手動式でハンドルを持って前後に動かします。
クーラーは装備されていませんが、このサンルーフが思いのほか風が入り、夏でも運転ができるそうです。ただし、車両停止時に直射日光を避けるため、帽子が必要とお話がありました。
ホイールはY字デザインの純正ホイール、タイヤサイズは145SR14です。
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◆内装
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フランス車を強く感じるインテリア、センスの良さを感じます。
全体的にきれいに仕上げてあり、清潔感もありました。
シートは純正に近い生地で張り替えています。ドアの内張りも同様です。
メーターはシトロエンの特長であるボビンメーターです。
フロアには、ハイドロの調節レバーとオーディオが縦置きに設置してあります。
スピーカーはリヤシェルフに置いてあるだけで固定はしていません。
また、後席には収納式のサンシェードがありました。
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◆機関
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空冷式水平対向4気筒エンジンは、コンパクトであるためFFでありながら縦置きのレイアウトを可能としています。横置きのFFよりエンジンが室内から離れており、左右対称のレイアウトであることから走行フィーリングがいいと言われています。
トランスミッションは4速マニュアル、助手席で試乗させて頂きましたが気持ちよくシフトチェンジするオーナーさんは楽しそうでした。
特に不具合はありませんとお聞きしています。
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◆足回り
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サスペンションのハイドロニューマチックに不具合はなく、正常に作動しています。
ブレーキは4輪ディスクブレーキ、ハイドロニューマチックと油圧回路を共有しています。
助手席で試乗させて頂きました。ハイドロニューマチックの作動により路面の凹凸を柔らかく吸収、高級車の思わせる乗り心地です。コーナーでは車体が大きくロールするのですが、これが粘り強く、運転を楽しくさせる要因ではないかと思いました。
お洒落で、センスのある、フランスの素敵な車です。
屋根付き車庫に保管。
更新記事(2021.3.12)
車検を更新しました。車検整備とタイヤを新品と交換しています。
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。