BMWのラインアップの中で、当時最も小さな「3シリーズ」の3代目として、E36は1990年から2000年にかけて製造・販売されました。
初代から2代目まではクラシックな雰囲気を残すいかにも3BOXというスタイルでしたが、E36はスタイル面で大きな飛躍を遂げたモデルとなり、空力性能を向上させたシャープで近代的なスタイルは辛口自動車評論家の徳大寺有恒にも「とにかくカッコ良く、中身も含めて世界一の小型プレミアムカーだ」と言わせるものでした。
先代のE30よりも112o伸ばしたホイールベースにより狭いと言われていた後席が広くなるだけでなく、特に4気筒モデルの318iはフロントミッドシップ的レイアウトとなり、前後50対50の理想的な重量配分を実現しました。また、新たにマルチリンクとなるセントラルアーム式リアサスペンションを採用するなど、“駆け抜ける歓び”を標榜するBMWらしい小型スポーティセダンとなりました。
今回ご紹介するのはその基本モデルとなる318i、熟成された後期モデルで本革シートやサンルーフを奢った特別仕様車です。日本全国を探してもなかなか無いくらいの程度の良いお車ですので、探されていた方は是非、お見逃しなく。
【外装】
エーゲ海をイメージしたというエーゲッシュブルーのボディはとても深みがあり上品で美しく、全体的に非常に綺麗で極上美車と言って良い状態です。
ガラスコーティングを施工されているということもあるのでしょうが、E36の年式でここまで綺麗なお車はなかなか無いと思う美しさです。
飛び石傷などを含め、ほとんど欠点が無いと思われる綺麗な車体ですが、些細な欠点を挙げればフロントバンパー右下及び右側サイドステップの後部に擦れ、左リアドアの端に微細な小傷がありますが、いずれも目立たないものです。また、経年劣化によりフロントのワイパーアーム取付部分の樹脂にお決まりのひび割れが出ています。これらは画像にてご確認下さい。
【内装】
内装も非常に綺麗に維持されており、ダッシュボードやドア内張り、空調出口などにヤレや疲れは少なく、全体的に年式を感じさせないとても綺麗な状態です。
BMW特有のシボ感のある白に近いライトグレーの本革シートは上質で本当にセンスが良いもので、つるっとした革に比べて滑りにくいものですが、シートの革の状態も非常に良く綺麗なものでした。
ステアリングやサイドブレーキの本革部分の状態も良く、メーター距離計のドット欠けもありません。サンルーフの開閉もスムーズですし、ルーフは一度張り替えられているためお決まりの垂れもありません。
全体的にとても綺麗であると共に、いい車に乗っているというのがしみじみ感じられるインテリアで、操作類がドライバー側に向いている設計もドライバーズカーであることを象徴しています。デジタル感が少ないところも昔ながらのBMWファンには嬉しいところではないでしょうか。
【機関】
助手席での試乗と共に、オーナー様のご好意で運転もさせていただきましたが、エンジン・ミッションや足回りについても何も言うことなく快調です。不具合箇所も無いとのこと。
近年の猛暑でエアコンの効きが気になるところですが、2024年4月にコンプレッサー、リキッドタンク交換等、エアコンの修理をしていますので取材時の気温30度を超す猛暑時でも車内は良く冷えて快適でした。エアコンは古くなると必ず壊れる部分であり、修理費用もそれなりにかかるため、「最近エアコン修理済」というのはポイントが高いと思います。
タイヤはミシュランのENERGY SAVER4、195/65R15。2020年製で、8〜9分山程度あります。純正ホイールは綺麗ですが、4本共に近くで見ればわかる程度の薄いガリ傷があります。
【後付けパーツ】
基本的にノーマルで乗られています。後付けパーツは、CDデッキとETC車載器程度です。
【整備履歴】
整備記録簿については車検時のもの等、新車時からのものがほとんど揃っています。走行距離も少ないですが、新車時より大きな故障・トラブルは発生していないようです。
一般的な定期交換部品については記載を省略しておりますが、以下の通りです。
1998.05 5,948Km 12ヶ月点検
1999.11 12,138Km 12ヶ月点検
2000.04 13,359Km 車検 パワステオイル漏れ修理
2002.04 17,732Km 車検 パワステホース交換
2004.04 20,138Km 車検 ファンベルト、エアコンベルト交換
2006.04 24,071Km 車検
2008.04 26,408Km 車検
2010.04 30,439Km 車検 ブレーキパッド(フロント)交換
2012.04 35,244Km 車検
2014.04 37,989Km 車検
2016.04 41,315Km 車検
2018.05 43,705Km 車検 ブレーキパッド(リア)、ファンベルト、エアコンベルト交換
2021.01 45,500Km 車検
2021.01 ボンネットダンパー、バッテリー、バンパートリムLH、エアコン側テンショナー&プーリー・ベルト、オルタネーター側テンショナー&プーリー・アイドラプーリー・ベルト交換。擦り傷があったため、リアバンパー塗装。
2021.02 タイヤ4本交換
2021.03 ガラスコーティング施工
2022.01 49,211Km 12ヶ月点検 ラジエター、ATマウント、ステアリングラックブーツ、フューエルポンプ・フィルター等、交換
2023.01 52,339Km 車検 カムカバーガスケット交換
2023.10 ルーフライニング張替え、シートクリーニング
2024.01 56,236Km 12ヶ月点検 ラジエターリザーブタンク、ファンベルト交換
2024.04 エンジン内部洗浄、エアコンコンプレッサー・リキッドタンク交換
【取材担当者からの一言】
個人的なことですが、現行モデルだった頃に私が父親のために購入したのがこのE36の318iで、スポーティで高級感とブランド力のある実用的なドライバーズカーとして私自身も評価している車の1台です。
ベーシックなモデルの318ですが、日本の低いスピードレンジをATで走るには低速トルクの細い320に勝るとも劣らない実用性と、鼻先の軽さによる軽快感があります。エンジンは上まで回してもがさつきや振動も少なくスムーズであり、内装も含めて、ベーシックな318だから多少手を抜いてもいいという作りをしていないのがBMWの良さだと思います。
なお、このE36型(セダン)までが「5ナンバー」サイズで、日本の道路事情にもフィットしており、車体が大型化する昨今、大きな高級車は多数ありますが、小さな高級車は無くなってしまいました。また、ドライバーズカーとしてはコンパクトなサイズのほうが人車一体感が強く、一般道を走っているだけでも楽しさを感じます。
外装内装共に申し分のない程度の良さで、エーゲッシュブルーの外装色、本革シートや開放感を得られるサンルーフ装備でとても魅力的なお車です。
このクオリティのE36はなかなか見つからないと思いますので、E36に思い入れのある方に是非乗っていただきたい一台です。
実車は福岡県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル委託料金、自動車税(月割り)がある場合は別途頂戴いたします。
以上の記事内容は、オーナーさんのコメントと取材をもとに作成したもので、わかる欠点なども含めて出来るだけ客観的に誠実に記事を作成するように努めておりますが、不具合箇所、整備履歴、修復歴などに関して取材時に完全に把握することはできませんし、現車の状態が最優先の現状販売となりますので、最終的にはご自身でご確認、ご判断の上、購入をお決め下さい。