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今回ご紹介する190SLはもはや名車博物館に
収蔵されていてもおかしくない伝説のモデル
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メルセデス・ベンツには多くの名車がありますが、今回ご紹介するは誰もが認める伝説のモデルです。
SLシリーズの原点190SL。
1956年2月6日にニューヨークモーターショーで発表。
現在も続くスポーツカーの代名詞「メルセデスベンツ SLシリーズ」。
その原点となった190SLです。
SLとは、"Sports Lightweight"を意味します。
しかし、スポーツカーは、ハンドル握って走って、曲がって、止まってドライブを楽しんでナンボの世界です。
いくら希少とはいえ、大切にするあまり、乗っていないといつの間にかガタがきます。
オーナー様もクラシックカーラリーを楽しむ前提で、購入され、整備を進めてこられました。
現車はつい先日、キャブレター周りの調整など整備を終え戻ってきたばかり、機関は全く快調そのものです。整備箇所は、後述します。
一見、外装、機関が良さそうに見えても、何年も走っていない車はコンディションに気をつけたいのものです。
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●メルセデス・ベンツ190SL(R121)を語る上で
避けて通れないのが300SLガルウィング(W198)の存在です。
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当時モーターファンから、ル・マンで優勝が出来る性能で公道が走れるロードカーが欲しいという声が上がって、それにダイムラーベンツ社が応える形でガルウィングクーペ・メルセデスベンツ300SLは誕生したと言われています。
ダイムラーベンツ社に提案したのが、マックス・ホフマン(Max Hoffman)だと言われています。
非常に優れたマーケッターで、アメリカの自動車業界に、ヨーロッパの高級車やスポーツカーをアメリカ市場に紹介したことで知られています。
ポルシェ356、BMW 507も彼の手によって、アメリカ市場向けに紹介され、大ヒット人気モデルとなりました。
ガルウィングクーペという斬新なデザインで登場した、メルセデス・ベンツワークスチームのプロトタイプレーシングカー。
圧倒的なレーシンスペックを誇り、しかも美しいデザイン。今から見てもそのデザインの完成度には驚かされます。
当初市販する予定がなかったものの、あまりの人気に1954年にニューヨークで発表され1000台だけ販売されることになったモデル。つまりル・マンで優勝を狙えるレーシングカーそのものを市販したというモデル。
日本では力道山・石原裕次郎・夏木陽介の3人が所有。石原裕次郎のガルウイング300SLは北海道小樽市の「石原裕次郎記念館」に保管されていました。
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そしてガルウイング300SLをもとに、気軽にドライビングが楽しめる
ロードスターモデルとして開発されたのが190SL(R121)です。
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今も「ベンツのオープンといえばSL」と言われるシリーズの初代モデルです。
300SLの化け物のような走行性能には及ばないものの、今から見ても決して古さを感じさせないキュートで、力強い。
このデザイン。
セダンであるW180(通称ポントン)のシャーシを流用し、それを254mm短くして開発されました。そのままでは、スポーツカーとして発表することが難しいため、エンジンだけ新たに1,897ccの4シリンダーエンジン(M121)を開発します。
メルセデスベンツ300SLに搭載されていたM186型6気筒エンジンをベースに、アルミニウムヘッド、アイアンブロック、チェーンドライブオーバーヘッドカム、ソレックス製キャブレーターを新たに設計し、メルセデスベンツ190SLはW180の倍となる105馬力を発生させました。
また、サスペンションはメルセデスベンツ300SLロードスターと同じものを採用しています。
アメリカで大ヒットし、8年間の販売期間の間に25,887台が生産されました。
メルセデスベンツ190SLは、1963年にメルセデスベンツ230SL(W113、パゴダSL)にモデルチェンジし、生産を終了しました。
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それにしてもこの名車は、偶然生まれたものでしょうか?
190SLは、1950年後半-60年自動車産業の黄金時代の申し子。
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この車が、発表されたのが1956年。それから1963年まで生産されました。
実は、この1950年代後半から1960年代が、自動車産業の最初の黄金期と言われています。
第二次世界大戦から10年余りを経て、世界経済は立ち直りを見せ、経済成長とともにモータリゼーションが一気に広がりました。
この時代に登場した名車をあげますと、
ポルシェ 356、ジャガー XK140、アルファロメオ ジュリエッタ スパイダー、トライアンフ TR3、オースティン-ヒーレー 100/3000
といった今も輝き続ける伝説の名車の数々。
しかし、この第1期黄金時代も、やがて1970年のオイルショックによって終焉を迎え流ことになります。
燃費、排気ガス規制が導入されたのです。
190SLは、この黄金期の名車の中でも、ひときわ大きな存在感を放っています。
エアバッグや衝突安全性能や廃ガス規制、燃費もなかった時代。
カーデザイナー、エンジニアが思い切り自由に発想し、自動車づくりに取り組めた時代。
こんな時代の名車中の名車を手に入れて、走る喜びに没入したい
そんな新たなオーナーを探しています。
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●エンジンとパフォーマンス
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エンジン: 1.9リットル直列4気筒エンジン(M121 BIIエンジン)
最高出力: 105馬力(78 kW)@ 5700 rpm
最大トルク: 142 Nm @ 3200 rpm
トランスミッション: 4速マニュアルトランスミッション
駆動方式: リアホイールドライブ (RWD)
燃料供給: ツインキャブレター(2 x Solex 44 PHH)
●パフォーマンス
最高速度: 約171 km/h (106 mph)
0-100 km/h加速: 約11秒
シャーシとサスペンション
フロントサスペンション: 独立懸架、ダブルウィッシュボーン、コイルスプリング
リアサスペンション: スイングアクスル、コイルスプリング
ブレーキ: ドラムブレーキ(前後)
ステアリング: ボールナット
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整備項目
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作業内容
2024年4月 車検
交換した部品
□マニホールドガスケット
□キャブレターリペアキット
□セカンダリバルブコントロールバルブ
□ウォーターポンプ
□エキゾーストマウント
□ガスケット
□バルブカバー
□スロットルリターンスプリング
□フューエルリターンチューブ
□ヘッドカバーガスケット
□フューエルポンプ交換
□ポンプ取付位置変更の為ステー製作(御推奨)
□フューエルフィルター取付
□フューエルセンサー交換
□フューエルポンプ逆回転防止弁交換 為配線点検接続修理
□フューエルタンクセンサー清掃と修正の為修正
ーーーーー2024年2月
· ブレーキマスターシリンダーオイル漏れ 修理
· エンジン調整
· スパークプラグ交換・清掃
·燃料リターン側に圧保持バルブを取付
·三叉パイプホース ホースサイズ違い 交換
·コンタクトブレーカー交換 キャップ、ローター清掃
·コンデンサー交換
·マニホールドからウォーターパイプ修理
·バキューム取り出し口交換
·キャブレター燃料漏れのためリペアキット交換
·メインジェット番号違いの為交換 (#160 → #130)
·エアジェット番号違いの為交換 (#180 → #160)
·キャブレターインシュレーター交換
·キャブレーターワッシャー交換
·セカンダリーバルブコントロールレバー前 交換
·セカンダリーバルブコントロールレバー後 交換
·レバーリターンスプリング交換
·リンケージ錆取り 給油
·スロットルリターンスプリング交換 取り付け
キャブレタースロットル周りのクリアランス大きく、エンジン回転数が上がってしまう為、今まで付いていたリターンスプリングも使用
·オーバーフローパイプホース交換 錆取り
·フューエルパイプクランプボルトねじ山不良の為交換
·インテークケースガスケット交換
·ダイナモ本体の取り付け修理 ラバープレート交換、スリーブ取り付け
·ファンベルト交換
·ダイキーレギュレーター配線 ターミナル部分欠け、銅錆発生の為作成
·ブレーキ 分解脱着 錆び取り清掃 シリンダーカップ交換
·ハンドブレークワイヤー交換
ーーーーー2023年12月
· オイル漏れ修理
· エンジン・ミッション点検
· ウォーターポンプおよび燃料ポンプ修理
· ウォーターポンプ交換
· ガスケット交換
· ラジエター ロアホースA交換
· ラジエター ロアホースB交換
· クーラント補充
· シール材
· シガライター修理
· 時計修理 脱着 輸送費用/ノブ取付け
· タイヤ脱着 ブレーキドラム脱着
車両は、東京都北区にあります。
個人の為、消費税はかかりませんが、リサイクル料と月割りの自動車税のご負担をお願いいたします。