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取材日2020年5月 |
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今回ご紹介するのはメルセデスベンツ 450SLC(Type C107)です。 メルセデス・ベンツ 450SLCは優雅で端正なスタイリングで今も人気 初代Sクラス(W116)にはクーペモデルが存在しなかったため、3代目SLクラス(R107)のホイールベースを36センチ延長して5人乗りのクーペに仕上げた野がSLCである。 クラシックカーのイベントに行くと希少なヴィンテージカーたちに目を奪われてしまうが、実際に購入して維持していくのは難しい。ファーストカーとして使うのは現実的でないから保管場所が必要になるし、維持費だってそれなりにかかる。完全に趣味として割り切れるだけの環境が必要になるのだ。 だがヴィンテージ系よりも“ちょっとだけ新しい”ネオクラ系ドイツ車に目を向けてみると、その印象は大きく変わる。維持しやすいということだけでなく、普段の足としても使える性能を持っているのだ。デザインにおいてもクラシカルで、何より分かる人には分かるという趣味の醍醐味を感じられるのが、ネオクラシックなドイツ車なのである。 価格の面から見てみると、最近の人気沸騰により、ヴィンテージ系のドイツ車は安くても数百万円以上、プレミア価格で1500万円以上といったクルマも多い。 普段のメンテナンスにおいても、機関部のパーツは問題なく揃うし、エンジン制御もシンプルな世代。パーツ代も高くなく、角目世代のEクラスと変わらない。 定期的な点検と整備は欠かせないが、ヴィンテージ系クラシックに比べれば気を遣う部分は少ないのである。 つまり、現実的にドイツのクラシックカーを購入すると考えた場合に、車両代と保管も含めた維持のしやすさというバランスに優れているのがネオクラシックだといえるのである。 ここで紹介するのはメルセデス・ベンツSLCクラス。3代目SLクラス(R107)のホイールベースを延長してクーペに仕上げたモデルである。 SLはオープントップで2人乗りという趣味の車だが、SLCは5人乗りなので実用性が高い。さらにオープントップのSLは幌の扱いや保管に気を使う必要があるが、クーペボディーのSLCなら普通のドイツ車感覚で維持できるのである。 また、SLに比べてSLCは価格も現実的だ。もちろんSLも魅力的な存在であることは確かだが、希少性が高くて、普段使いができにくいということで、SLCというわけだ。 SLCは1971年〜81年の10年間で約6万台が生産され、81年の2代目Sクラスクーペ(C126)のデビューにより、フルサイズクーペの座を譲ることになる。 エンジンは全てV8SOHCで、グレードによって排気量やチューニングが異なる。ポイントになるのは80年のマイナーチェンジで、これ以降が後期型となる。エンジンがアルミブロック製となり、エンジン制御もKジェトロニックとなっている。 今回の車両は76年式の450SLC。ボディーカラーはモスグリーンでクラシカルなデザインとのマッチングもいい。5人が乗れるシートに座ってみると頭上スペースがしっかりと確保されており、SLのような窮屈な印象はない。トランクも十分な容量を確保しており、セダンレベルの実用性を備えているといえるだろう。 コンディションの良いクルマは、やはりそれなりの価格で取引されており、400万円以上というのが相場。もちろんもっと安いクルマも探せるが、今後の維持費も含めてトータルで考えると最初のコンディションというのは非常に重要だ。 屋内で大切に保管されてきたこの車輛は塗装の状態もよく、腐食しやすいメッキモールもピカピカ。リアのクォーターガラスの内側にあるフィンはデザインのポイントになっているのだが、経年劣化により変形したり変色しているケースが多い。だが、今回の車両はそんなことはなく、キレイな状態を保っている。 インテリアもキレイで、メルセデスらしい質感の高さが際立っている。走行15.4万kmというスペックであるが、今回エンジンを完全オーバーホールし絶好調であり、そのハンドルを握ればすぐにわかる納得のコンディションだ。 上品なオリジナル本革シートとの相性もいい。ATは機械式の3速タイプ。走行時の異常な変速ショックもなく、スムーズにシフトチェンジしていく。スプリングが利いた本革シートに座り、優雅にゆったりと高速クルージングを楽しむのが、SLCの良さをもっとも感じられるシーンかもしれない。 流通量は少なくてもこういったクルマがまだあるということが、根強い人気に繋がっているのだろう。 パーツの入手で困ることはないので、今後の維持においても安心できる。ただし、この世代のメルセデスは購入時にある程度のメンテナンスをしておくか、メンテナンス済みを入手することをお勧めする。個人売買などで購入する場合は最初にどれだけ手を入れておくかがポイントになる。特に整備履歴が分からないクルマの場合には、信頼できる修理工場でクルマ全体を点検してもらい、現状を把握しておくことが大切だ。 燃料系や点火系といった補器類は重点的にチェックする必要があるし、本来の乗り味を取り戻すためにも足回りのリフレッシュに力を入れたいところ。フロント周りは手が入っていることが多いので、今後の課題となるのはリア周りだろう。サスペンション形式は比較的頑丈なセミトレーリングアームだが、これまで一度も整備していなければ確実に劣化している。こうした部分をメンテすることで、SLCの走りは見違えるようになる。所有する満足感も倍増するはずだ。この個体は足回りに関しても全てに手を入れてあり安心できるものになっている。 中古車としての流通量は少なくなっていて450SLCは希少な存在。今も根強いファンが多いSLCだが、年々中古車の数は減ってきている。 ベースであるSLが激減してしまった今、コンディションが良いSLCを見つけたら、早めに決断するのがベストだといえる。希少車は早い者勝ちである。 全高が低く抑えられたエクステリアデザイン。ベースであるSLよりもホイールベースは延長されている。撮影車両のボディーカラーは落ち着いたモスグリーン。同色にペイントされたフルカバーホイールキャップともよくマッチし、よりオシャレな大人の印象を与えている。 グリルに装着されたスリーポインテッドスターが強烈な個性を主張。メッキモールを多用することでエクステリアデザインにインパクトを与えている。 ちょっとした旅行にも対応できる広さ十分な容量を持つトランクルーム。 丸型となるエアコンの吹き出し口など全体的にポップな印象を感じさせるインテリア。 劣化しやすいダッシュボーには傷や割れなどは見られない。 白のレザーシートは外観のモスグリーンとの相性も良くクラシカルな雰囲気。 AT周りは非常にシンプルで、パワーウインドースイッチとハザードスイッチが並ぶのみ。このシンプルさが逆に新鮮に見えてしまう。 搭載されるエンジンはSOHCのV8ユニット。鉄製のブロックが採用されており、制御はDジェトロニックとなっている。450SLCはこのエンジンに機械式の3速ATが組み合わせられている。オルタネーターの左側に見えるのがエンジンダンパー。これによりエンジン振動を制御している。 【その他】 このページの車両は車の個人売買の情報サイト「エンスーの杜」に掲載されたものです。 |
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SOLD | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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