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◆W140について
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1991年のジュネーブショーでW126の後継モデルとして登場したのがW140です。徹底したフラッシュサーフェイス化が図られたボディは、W126より大柄なものとなり、ロングバージョンのSELは実に5.2mというリムジン並みの全長がありました。
エンジンはW126後期の搭載エンジンがSOHCだったのに対し、すべてDOHCとなっています。新開発のV12-6Lエンジンを筆頭にV8-5L、V8-4.2L、直6-3.2Lというラインナップとなっています。
エンジンはW126で縮小傾向にあった排気量が再び拡大されます。この傾向はエンジンの効率化による燃費の向上、排ガス浄化装置の能力向上、車重アップなどが原因のようです。しかし、しばらくすると環境問題に対する意識が高まり、エンジンの馬力はデュチェーンされます。このことにより、ヨーロッパモデルと他国モデル(特に排ガスの厳しい日本、アメリカなど)が同じスペックとなります。
サスペンションはフロントにサブフレームが復活し、W126と同じくダブルウィッシュボーンを装着、リヤはW201以降に登場したマルチリンクが採用されます。
また、新しい技術の導入もありました。ABS、ASR、EPSといった車両制御システムを統合的にコントロールするために高速データ通信(CAN)を採用。安全面ではエアバッグを運転席・助手席両方に標準装備。また外気の不純物を取り除くエアフィルターや、防音性、遮熱性に優れた二重サイドガラスの採用で、室内の快適性も向上しました。
1993年にはクーペモデルが登場します。ラインナップは500SEC、600SECの2機種です。
1993年秋にはラインナップが整理されます。これに伴い、W140の全モデルの名称が変更になります。変更内容は300SE、500SEL、600SECといったモデル名はそれぞれS320、S500L、S600Cとなりました。また、ボディのエンブレムには「L」や「C」といったボディスタイルを表す記号はなく、クーペでもロングでも5LエンジンならばS500と表記されるようになりました。この名称変更と同時にエクステリアにも若干の変更が加えられ、新型の8穴アルミホイールやホワイトウインカーレンズが標準装備されます。
1990年代メルセデスベンツのフラッグシップモデルであったW140ですが、大型化しすぎたボディサイズに対しては批判的な声も多く、セダンは1999年モデル、クーペは2000年モデルを最後に、後継機種であるW220へとその座を譲ることになりました。
1998年からはファイナルエディションとして、色々なオプションを標準装備したモデルが各国ディーラーで設定されています。
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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介します車両はW140、メルセデスベンツS600Lとなります。
現オーナーさんは知り合いの業者の方に内外装、機関、足回りなどの程度がよく、また低走行距離のメルセデスベンツS600Lを探して欲しいと依頼、そして2005年に業者オークションに出ていた車を見つけ、購入に至ります。
東京にあった車で現オーナーさんが3人目となる個体です。整備記録を見ると全てヤナセ整備でした。
実は現オーナーさん、もう一台メルセデスベンツS600Lを所有していらっしゃいます。
普段の足は、そちらの車を使用、その代わり、ご紹介の車両は大変大事にしてきたそうです。
購入後、2年で2000kmぐらい走行し、2008年に一時抹消し、現在に至ります。
走行後は必ず車の下回りを清掃、ピカピカにするのがルーチンだったそうです。
しかし、一時抹消後はなかなか乗る機会もなくなり、このまま維持していても経年の劣化も始まってくると思い、思い切って売却することに、現在はショップ預かりとなっていますので、お問い合わせはショップとなります。
取材時に車の状態を確認させて頂きましたが、大変きれいな個体でした。保管方法は厳重で、外装はボディカバーで覆い、全シートはビニールカバーを被せ、メッキのスカッフプレートには接着タイプのブルーのビニールカバーを貼り付け、ABCペダルには布を巻き付け、ステアリングホイールにはビニールカバーを取り付けるなど、至れり尽くせりの対応です。
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◆ボディ
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ボディカラーはベンツ定番のブリリアントシルバー、ライトレンズ類には透明度があります。
室内の防音と空調の効率化のため、ドアガラスは2重ガラスとなっています。
リヤピラーにはS600Lの特長であるV12のエンブレムが鎮座します。
ガラスサンルーフを装備、各ドアにはベンツ純正のドアバイザーを装備しています。
フロントバンパーとリヤバンパーにパーキングセンサーを装備しています。
ホイールは純正6穴のアルミホイール、タイヤサイズは235/60R16です。
一点、残念なことに右テールライトにひび割れがありますが、いつか交換しようと思い、新品パーツをストック、付けて頂けます。
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◆インテリア
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本革、ウォールナットのウッドパネル、メモリー付き電動式パワーシート、ナビゲーション、TV、ラジオ、オートクルーズコントロール、シートヒーター、電動式リヤサンシェード、フルオートエアコンなど、フル装備の仕様です。
もちろん安全装備も充実、運転席、助手席、両サイドにエアバッグ、ABS、トラクションコントロールなど、さすが安全を重視するベンツならではの装備ではないでしょうか。
各スイッチにプリントされた文字は長年使用しているとかすれてきますが、一切ありませんでした。
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◆機関
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V型12気筒5,987ccの120ユニットを搭載、5速オートマチックトランスミッションとの組み合わせです。シフトレバーノブにはV12の文字がありました。
たまにエンジンがかかったり、かからなかったりしています。エンジンがかかっている時は普通とかわりありませんが、一度エンジンを止め、新たにかけようとするとかかったり、かからなかったりします。エンジンがかかっている時にとまるような事はないそうです。最終的にはエンジンはかかるため、原因は調べていません。
◆エンジン仕様
・種類:V型12気筒DOHC
・総排気量:5987cc
・最高出力:394ps(290kW)/5200rpm
・最大トルク:58.2kg・m(570.7N・m)/3800rpm
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◆足回り
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ノーマルの足回りです。
下回りを見ましたが大変きれいな状態、錆や汚れがありませんでした。
◆足回り仕様
・ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
・サスペンション形式(前):ダブルウィッシュボーン式+コイルスプリング
・サスペンション形式(後):マルチリンク式
・ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
・ブレーキ形式(後):ベンチレーテッドディスク
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◆メンテナンス
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◆2000.1 875km
・ワイパーラバー交換
・ヘッドライトワイパーブレード交換
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルフィルター交換
・ダストフィルター交換
・バッテリー充電
◆2001.3 950km
・ワイパーラバー交換
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルフィルター交換
・エアコンフィルター交換
・内気循環フィルター交換
・ブレーキオイル交換
・スターター交換
◆2001.11 1001km
・エンジンオイル交換
・エンジンオイルフィルター交換
・ワイパーラバー交換
・エアコンフィルター交換
・エアクリーナーフィルター清掃
・タイヤ空気圧調整
・ターンシグナルライト修理
・バッテリー充電
◆2003.11 1176km
・エアクリーナーフィルター清掃
・タイヤ空気圧調整
◆2003.12 1217km
・ETC取り付け
・ドアバイザー取り付け
・ヘッドライトレンズ清掃
・ブレーキホース交換
・エンジンオイルフィルター交換
・シングルベルト交換
・ターンシグナルライトバルブ交換
・ホイールボルト交換
・右リヤドアのシガーライター交換
◆2004.12 3887km
・エンジンオイル交換
・オートマチッククラスメートコントロール(KLA)制御、暖房能力 点検/測定
◆2005.12 5563km
・エアクリーナーフィルター清掃
・タイヤ空気圧調整
・右ワイパーブレード交換
・エンジンオイル交換
・ブレーキオイル交換
車は岐阜県にあります。
ショップさんからの出品です。別途諸経費が必要です。