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◆ヒーレー スーパースプライトについて
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1958年、ドナルド・ヒーレー/ジェフリー・ヒーレー父子の手により、「オースチン ヒーレー スプライト」Mk-1が登場します。
当時のスポーツカーの愛好家にはカニ目、フロッグアイと呼ばれ、人気を博します。
そして1994年に復刻版が登場します。
名前は「ヒーレー スーパー スプライト」、イギリスのフロッグアイ・カー・カンパニーが企画製作します。ヒーレー、あるいはオースチンが始めたわけではないため、レプリカのカテゴリーでしたが、ヒーレーの生みの親であるジェフリー・ヒーレーがお墨付きを与え、ヒーレーの名を名乗ること同意したことでリプロダクション(再生産品)モデルとなります。
シャシーナンバーも当時からの連番のNo.50000からレジスターされています。
外観、内装などの見た目は初代と同じですが相違点がいくつかあります。
オリジナルとの相違点は
・FRPボディ
・フロントバンパーレス
・ボンネット後開き
・ローバーミニのA型エンジン(1275cc)
・フロントディスクブレーキ
・フォードシエラ用5速マニュアルトランスミッション
・フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン式/コイルスプリング
・リヤサスペンション:4リンク式/コイルスプリング
オリジナルの仕様を凌ぐ性能は、クラシックな味わいとドライビングする楽しさを融合させたモデルとなっています。
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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介する車両は1996年モデルのヒーレー スーパースプライトです。
現オーナーさんは約1年前にエンスーの杜から購入されます。
バーキンセブンを乗られるオーナーさんにとっては魅力的なイギリスのライトウェイトカーに見えたそうです。
そして手元に、期待通りの車に満足、イベントにも参加、楽しいカーライフを過ごしていらっしゃったそうですが、どうもセブンを乗るときと同じようなシチュエーションになってしまうことが気になり始めます。
そうなるとより刺激のあるセブンに乗ってしまう、これはまずいなと思い、売却を決意し、エンスーの杜への掲載依頼となりました。
前オーナーさんが行なったモディファイをご紹介しておきます。
・キャブをウェーバー40Φ(ツノ無)に変更
・クーラー取付け
・同時にオーバーヒート対策の為ラジエターのコアを変更
・クーラー取付けの際、キルスイッチを移設
・直管マフラーを純正の触媒付きマフラーに変更
・ボディと同色の青いトノカバーを製作
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◆外観
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ボディカラーは青緑、ハードトップはホワイト、イギリスのオールドクラシックカーによくあるカラーリングです。
塗装はクラック、塗装の剥げ、ボツボツが見られました。
ボディはFRP、ボンネットは後開きです。オリジナルのボンネットと比較できないほど軽量です。
ハードトップは取外し可能、オーナーさんのところに来たときはフロントの2個所の取付けでしたが、ちょっと不安があったのでリヤの左右に2個所の取付けを追加しました。
幌骨はあったのですが幌がなかったので新規で作成しています。
その他にトノカバーもありました。
サイドウインドウスクリーンを収納するカバーがあります。
アルミホイールは13インチのKN製ミネ―ター、タイヤサイズは155/80R13です。
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◆内装
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オリジナルのオースチンヒーレースプライトとほぼ同じです。
シート形状はバケットタイプ、きれいな状態です。
ヘッドレストは2個あり、ゴムバンドで装着できますが、これは車検対応用です。
シートベルトは3点式、リトラクター付きです。
クーラーは後付けの吊り下げタイプを装備しています。
よく効いていました。
オーディオはありません。
ジェフリー・ヒーレーのお墨付きのプレートがインパネにあります。
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◆機関
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Aタイプの1275ccのエンジンを搭載、5速マニュアルトランスミッションとの組み合わせです。
スタンダード仕様はSUキャブレターのツインキャブ、出力は77PS/6000rpmを発生します。
この車両は、ウェーバーキャブに換装しているため、出力は不明ですが、パワーアップはしていると思います。
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◆足回り
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ショックアブソーバーは前後ともスパックスの車高調整機能付きです。
◆ステアリング形式:ラック&ピニオン
◆サスペンション形式(前):ダブルウィッシュボーン式/コイルスプリング
◆サスペンション形式(後):4リンク式/コイルスプリング
◆ブレーキ形式(前):ディスクブレーキ
◆ブレーキ形式(後):ドラムブレーキ
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◆メンテナンスについて
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現オーナーさんが行なった整備内容を記載します。
◆2024.2.24 一般整備
・サーモスタット交換
・サーモスタットパッキン交換
・クーラント交換
・ミッションオイル交換
・ミッションオイルガスケット交換
・デフオイル交換
・ブレーキフルード交換
・キャブレター加速ポンプOリング交換
・ステアリングラックブーツ交換
・幌新品作成
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◆取材後記
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私は過去にオリジナルのオースチン ヒーレースプライトを所有したことがあります。ボディがスチールのため、重量が重く、またエンジンパワーも低かったため、ドライビングを楽しめるというところまではいきませんでした。
初めてヒーレー スーパースプライトを助手席にて試乗しましたが、軽さとエンジンパワーに圧倒されました。これは現在でも通用するライトウェイトスポーツカーであると認識しました。クラシックなスタイルとも相まって、これは楽しい車だと思いました。
※5月中旬以降に車検更新と整備に入る予定です。
更新記事(2024.6.27)
車検を更新すると共にクラッチレリーズベアリングの交換を実施しました。
整備内容は以下のとおりです。
・エンジンミッション脱着
・ボンネット脱着
・クラッチレリーズベアリング交換
・クラッチ分解点検
・クーラーガス充填
・エンジンマウント交換
・マニホールドガスケット交換
・ロッカーカバーグロメット交換
・クーラント交換
・エンジンオイル交換
・ミッションオイル交換
・デフオイル交換
・ホイールシリンダーリペアキット交換
・リヤブレーキホース交換
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。