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◆オースチンヒーレースプライトについて
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オースチンヒーレースプライトは1958年に登場、それから63年が経過しますが、今も色褪せないイギリスを代表するライトウェイトスポーツカーです。
現在のスポーツカーと比較すると絶対的な運動性能(スピード、ハンドリング、ブレーキ)は落ちるのですが、スポーツカーをドライブする基本を教えてくれる車です。
人馬一体となる車、要は運転していて楽しい車ということです。
その中でもオースチンヒーレースプライトMk1は特に人気があり、その愛嬌のあるスタイリングから“フロッグアイ”米国では“バグアイ”、そして日本では“カニ目”という愛称で知られています。
1961年にMk1の次期モデル、オースチンヒーレースプライトMk2が登場します。
基本構造は、Mk1と変わらず、モノコック構造の軽量2シーター・オープン・ボデーにSUツイン・キャブを装着した4気筒OHV、948ccユニットを搭載、4速ギアボックスとの組み合わせです。
Mk1との違いは、フロント周りのリファインとトランクの追加です。
フロント周りは1ピース・タイプからフェンダーがボディ側に残り、ボンネットが別体タイプ、フロントグリルが横長の四角形状に、フロントバンパー新設、キー付きのトランクが設けられました。
そして、このタイミングでMGバージョン、MGミゼットMk1が登場します。
スプライトMk2/ミゼットMk1は総称してスプリジェットと呼ばれます。
因みにスプライトとは“小妖精”、小さくても活発で敏速という意味があるそうです。
その後、オースチンヒーレースプライトスプライトはMk3、Mk4、Mk5までモデルチェンジが行なわれ、1970年まで生産されました。
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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介する車両は1961年モデルのオースチンヒーレースプライトMk2です。
現オーナーさんは、2016年3月に購入します。
シトロエン好きのオーナーさんですが、イギリス車のライトウェイトスポーツカーを体験したいと思い手に入れたそうです。
きびきびしたハンドリングと乗り心地は最高とお話がありました。
以下にモディファイの履歴を記します。
◆現オーナーさん入手前からの変更
・電装関係を12V化、マイナスアース
・フロントディスクブレーキ化
・フロントスタビライザー装着
・SUキャブレターからウェーバーキャブレターへ換装
・タコ足装着
・ボアアップ、ミニ1000用ハイコンプレッションピストンに換装
・ダイナモからオルタネーターへ交換
・バッテリーカットオフスイッチ取付け
・電気式イグニッションポイントへ交換
・タコメーター交換(電気式イタリア製)
・内装をフルカーペット敷きにする
・燃料カットオフスイッチ取付け
・ハザードスイッチ取付け
・ETC設置
◆現オーナーさんが入手した時の変更
● 2016.3
・クラッチ交換
・トランペットホーン装着
・モトリタのウッドステアリングへ交換
・アクセサリーソケット取付け
◆現オーナーさん入手後の変更
● 2016.4
・スチールホイール用AHロゴ入りホイールキャップ入手
● 2016.5
・フロントグリル交換
・ヘッドライトメッキリングの交換
・テールランプのメッキベース交換
・フェールキャップを鍵付きに交換
・キーシリンダーを交換してスペアキー確保
・ルームミラー交換
● 2016.6
・スターターモーターをハイトルクスターターへ交換
・バッテリー交換
● 2016.8
・Aピラー交換(左右)
・フロントガラス交換
● 2016.9
ディストリビューターキャップ交換
● 2016.10
・消化器交換、設置場所変更
・ハイテンションコード交換
● 2018.1
・フェルトのみ交換のオイルフィルターアッセンブリーからカートリッジフィルター交換タイプに交換
・フロントバンパー交換、フェンダー左右の板金塗装(駐車中に当てられた)
● 2018.2
・ラジエター電動ファン取り付け
・燃料ポンプ交換
● 2018.4
・プロペラシャフト交換
・リヤのレベルアームダンパーをショックアブソーバーへ交換
● 2019.5
・水温計を水温&オイルプレッシャー一体型メーターに交換
・ウェーバーキャブのラムパイプからK&Nスポーツフィルタータイプへ交換
・2ワイヤー式のスロットリンケージ取付け
・ブローバイオイルのキャッチタンク取付け
● 2019.11
・エンジンオーバーホール
①エンジンブロックのボーリング
②ピストン(ミニ1000用リングサイズ0.040)
③タイミングチェーン、リングギア、コンロッドメタル他一式交換
● 2020.7
・ビキニトップ新調
現在は大変調子もよく、このまま所有していてもいいのですが、他に面倒を見る車もあり、なくなく手放されることを決意され、エンスーの杜への掲載依頼となりました。
この個体、スプライトMk2の初期モデルは希少です。またパーツも沢山持っていらっしゃいます。
ぜひ、お好きな方にお譲りしたいということでした。
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◆外観
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オールドイングリッシュホワイトは、スプライトによく似合うカラーだと思います。塗装の状態からしますと一度は塗装をしているように見えます。
それでも経年により、劣化は多少見当たりました。
ボンネットの塗装の割れ、ドア下部のサイドシルパネルの錆などです。
ボンネットに3角シールがありますが、ここはウェーバーキャブリンケージを付けた時にボンネットと当たってしまい、ボンネットにキズついたため、その隠しシールです。
ヘッドライトは定番のルーカス製です。
フロントバンパーは駐車中に当てられたため、新品と交換しています。
リヤバンパーはオリジナルのままです。
フロントガラス、左右のAピラーを交換しています。
幌はビニール製、リヤスクリーンは透明できれいな状態でした。
トノカバーはホワイトラインがアクセントにあり、お洒落なトノカバーです。
トノカバー用には専用のバーがあり、装着することにより後部がすっきりとした見栄えとなります。
レッドカラーのビキニトップもあります。ビキニトップは直射日光を受けず、たっぷりの風が吹き抜けていく、爽快感があるそうです。
タイヤサイズは145/80R13、ホイールはミニライト風のアルミホイールです。
また、オリジナルの雰囲気が楽しめるスチールホイールとホイールキャップがあり、付けて頂けます。
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◆内装
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ブラックカラーの内装はスパルタンな印象を受けます。
シートは張り替えてあり、きれいな状態です。フロアカーペットも張り替え済です。
インストルメントパネルは平面のパネル、運転席前にはスピードメーターとタコメーターが鎮座し、左右には燃料メーターと水温・油圧のコンビメーターがあります。
タコメーターは電気式に交換しています。
スピードメーターのトリップメーターが不動です。オドメーターは動きます。
燃料メーターは作動しますが半分までしか動きません。オーナーさんは走行距離を見て、燃料を入れるそうです。
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◆機関
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エンジンは、前オーナーさんの時代にボアアップ、ミニ1000用ハイコンプレッションピストンに換装していますが、現オーナーさんも再度エンジンを組み直しています。ピストン+リングセットを3セット分購入し、その中で最適なピストン(+0.040)をチョイスし、組み上げました。
キャブレターのリンクは、ダブルケーブルタイプに交換しています。
また、エアフィルターはK&Nフィルターです。
メンテナンスの簡素化を図るため、オイルフィルターはフィルター交換タイプからカートリッジタイプに変更しています。
後付けの電動ファンを装備しています。
スターターはハイトルクスターターに交換しています。
オイルタンクキャッチを追加、燃料ポンプは電磁式燃料ポンプを使用しています。
とにかく、気になる箇所には手を入れた個体、調子は最高ですとお話がありました。
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◆足回り
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フロントサスペンションはスタビライザーバー付き、リヤサスペンションはSPAX製のショックアブソーバーコンバートキットに交換しています。
またフロントブレーキはディスクブレーキに交換しています。
足回りのチューニングにより楽しく運転ができます。
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◆付属パーツ
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以下のパーツがあり、付けて頂けるそうです。
・スチールホイール・タイヤ4本(ヨコハマ)
・オリジナルホイールキャップ(中古、4枚)
・リヤのレベルアームダンパー(オリジナル、Spaxショックに換装にて取外し)
・インナーミラー(新品)
・スターター(オリジナル、要修理)
・エンジンオイルフィルターケース(オリジナル、中古)
・Britax製4点式シートベルト
・タッチアップ用ウレタン塗装(缶入ボディカラー)
・予備ヘッドライト(ルーカス、スタンレー各1個、中古)
・ヘッドライトグリル(メッシュ)
・エンジンオイルフィルター(新品、カートリッジタイプ)
・ウェーバー用ファンネル、ファンネルソックス(中古、2個)
など
車は岐阜県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。