●アルファロメオ 33につきまして●
アルファスッドの後継車種として1983年にまずハッチバックモデルとして登場しました。2代目ジュリエッタや75などよりも下に位置するエントリーモデルという位置付けで、アルファスッド譲りの水平対向エンジン+FFレイアウトが最大の特徴でした。エンジンはアルファスッドから引き継がれた1.3リットル/1.4リットル/1.5リットルの水平対向4気筒OHCガソリンエンジンと1.8リットルの直列3気筒OHCディーゼルエンジン。ガソリンエンジンにはシングルキャブレター仕様、ダブルキャブレター仕様、インジェクション仕様が存在しました。1986年には1.7リッターエンジンも追加。1989年の大幅マイナーチェンジでは4カムOHC(DOHC)16バルブヘッド化を受けた1.7リッターエンジンの出力が137bhpに向上しました。33の生産開始当初は、まだ国営だったアルファロメオが、欧州進出を目指した日産と提携。品質が悪いことで知られたアルファスッドの時代から脱却できる素晴らしい技術がアルファロメオに残りました。部品点数の削減、防錆など品質向上に日産の技術を反映したものとなり品質、信頼性が格段に上がりました。また、33は日本に正規輸入されなかったこともあり、現在ではわずかな台数が日本に残るのみで、その走行性能のポテンシャルの高さと、希少性も相まってツウ好みなモデルとして認知されています。
●今回ご紹介するお車につきまして●
オーナーさんがこのお車を手に入れられたのは2016年のこと、当時の走行距離は53,885kmでした。関西の専門店が新車並行で輸入した後、長く在庫として残り、2008年にようやく売れてナンバーが付いたとの事です。それ以降4、5人のオーナーさんに引き継がれている様ですが、凄いのは現在のオーナーさんの元に来るまでずっと同じ専門店で整備されており、2ページにわたる点検整備記録概要がすべて揃っていることです。この記録とオーナーさんの元での整備記録明細は次のオーナーさんにお引き継ぎいただけるとのことです。32年前の車としては比較的走行距離が少ないですが、過去の記録を見れば実走行とご理解いただけるとのことです。
オーナーさん曰く、この車の魅力は、高回転型でパワーのある水平対向エンジンのサウンドと、低重心エンジンによる優れたロードホールディングです。エンジンは常に一発で掛かりますが、小排気量の為、冬は特に暖気に時間が掛かります。また市街地で低回転を多用するとプラグが被りエンジンがもっさりしますが、高速で高回転まで回すと回復し、高回転までよどみなく回るようになります。ハンドルは低速で遊びがありますが、一定以上のスピードでは思い通りのラインに乗せることが出来、スポーツドライビングが楽しい車です。低いアイポイントや、思った以上に広い室内も魅力です、とのこと。大変気に入ってらっしゃいますが、車庫事情により売却を検討しています。
●外装●
オーナーさんが手に入れられてからは、常に屋根付き車庫保管で、年式からすれば良好な塗装状態を維持しておりますが、経年劣化により塗装は少しヤレが出てきており、擦り傷や小さな凹みはございます。オーナーさんの下でフロントグリル、ドアミラー、リアバンパー(スクーターの追突を受け板金修理済)等を再塗装していますが過去にオールペンは受けていない様です。
●内装、電装関係●
ブラックを基調とした内装は良好な状態を維持しております。ブラックの合皮とスウェード調の生地のコンビシートは耐久性に優れ劣化が少なく良好な状態を維持しております。見やすいシンプルなメーター類は正常に作動します。ダッシュボードもヒビやウキもなくきれいな状態です。オーディオは社外の日本製のものをインストールし、スマホやタブレットとの連携も可能です。ETCも装着されています。なおフロントスピーカーは交換済みで問題なく作動しますが、リヤスピーカーはおそらく配線の断絶により現在作動しないとのこと。現在クーラーのガスが抜ける様で、昨年12月の車検時に、クーラーガスに蛍光塗料を混ぜて様子見をしている状況とのこと。コンプレッサーの寿命かも知れません。その際に今後のメンテを考慮して、レトロフィットキット装着により現行R134aガス対応に変更しています。
●機関、足回り等●
エンジンは一発始動で好調を維持しておりますが、夏にクーラーを着けてノロノロ運転すると燃料パーコレーションを起こす事があります。恐らくフューエルラインがクーラーコンデンサの近くにあり燃料が沸騰してしまうのだと思いますが、まだ対策は出来ていません。オーナーさん曰く、パーコレーションが起こった際はエンジンを切ってしばらくするとまた走れるようになるとのこと。クーラーさえOFFなら真夏の炎天下でもパーコレーションは起きません。
ミッション、クラッチともに好調で、現状問題ありません。タイヤのヤマもまだ十分残っています。FF 16V専用オプションであるスピードラインホイールを装着しています。目立つキズ等はございませんが、経年劣化により塗装剥離している箇所がございます。敷地内を同乗走行させていただきましたが、足周りはシッカリしている印象でした。シフトチェンジも問題なさそうでした。
●直近の整備履歴の抜粋●
前述のとおり、歴代オーナーさんから現オーナーさんに至るまでの整備履歴はご見学時にご確認いただけます。
・・・オーナーさんが所有されてからの主な整備履歴・・・
(2017年1月)クラッチレリーズ交換、クラッチフルード交換
(2017年8月)車検整備、フューエルポンプラバーマウント交換、エンジンオイル、ブレーキフルード交換
(2018年9月)リヤバンパー板金塗装、ボルテージレギュレーター交換、オルタベルト、P/Sベルト交換、バッテリー交換(デルコ)
(2019年6月)クランクセンサー交換
(2020年8月)タイミングベルト&ウォーターポンプ交換、修理左右シリンダーヘッド分解交換及びオーバーホール、クラッチオーバーホール、リヤマフラー交換、エンジントルクブッシュ交換、タイヤ4本交換
(2020年9月)スピードセンサー交換、
(2021年12月)車検整備、右ヘッドライトAssy交換、ラジエーターグリルリペイント、左右ヘッドライト下カバーリペイント、フロントエンブレム交換、リヤエンブレム交換、バッテリー交換(ボルタ ブルーダイナミックL1)、エンジンオイル、オイルフィルター交換、T/Mオイル・P/Wフルード・クラッチフルード・ブレーキフルード・LLC交換、マフラーハンガー交換
(2023年12月)車検整備、エンジンオイル、オイルフィルター交換、T/Mオイル交換、LLC交換、エアコンガス補充、レトロフィットキット取付
●取材者私見●
ロッソアルファの外装色とブラックの内装がバッチリ決まりテンションの上がるお車です。外装、内装ともに年式からすればとてもいい状態を維持されているかと思います。
新車並行輸入車でありながら新車時からの整備履歴がすべて揃っている点もおすすめです。
ご厚意で敷地内を同乗走行させていただきましたが、程よいサイズ感と小気味よくシフトチェンジできるMTで運転も楽しそうなお車です。エンジンも好調そうで、アルファサウンドを奏でながら気持ちよく加速していました。当面は安心してお乗りいただけるかと存じます。
オーナーさんもおっしゃるようにアルファサウンドと低重心エンジンによる優れたロードホールディングが何よりの魅力で走ることがとても楽しいお車です。また車内も広く、ラゲッジスペースも十分で実用的な一面もありファミリーカーとしても活躍できそうです。
お探しの方はぜひご検討ください。
個人売買のため消費税はかかりませんが、リサイクル料金・自動車税月割分相当をご負担いただきます。
現車は東京都内にあります。
上記は取材者の私見に基づくところもございますので、ご購入に際しては必ず現車をご見学の上でご納得されてからご検討ください。
なお、オーナー様ご多忙のためご見学については購入検討の方のみに限らせていただきます。