［ポルシェ　　　カレラＧＴ（９２４）］個人売買情報

400台生産されたポルシェカレラＧＴの紹介です。

その一言でもワクワクしてしまう1台です。

これまでエンジンをリアやミッドに搭載していたポルシェですが、フロントに搭載して75年にデビューしたのがこの924モデルです。
フロントエンジンといっても一般的なフロントヘビーのＦＲとは異なり、トランスミッションを後軸上に移動することにより重量の前後配分は５０：５０に近づけられています。
そのため、ピーキーな911と比較してナチュラルなハンドリングは、市場の好評価を得ました。

年を追うごとに改良が重ねられ、78年にはターボチャージドモデル（型式931）が登場しました。
それまでフォルクスワーゲンやアウディーのパーツを多く流用しコストダウンを図っていましたが、ターボモデルの登場にあわせてポルシェ製パーツを多く使うようになり、品質の向上と共に価格も上昇しています。

そしてモデル末期にはついに「カレラ」の名前が付くモデルが登場しました。
レース用ホモロゲーションモデルとしてデビューした「カレラＧＴ」は、ターボモデルにインタークーラーを装備するなど出力向上を図り、大型のオーバーフェンダーの装着でワイドトレッド化を可能にしました。
こうしてワイルドに変身した924カレラＧＴは、約400台のみが生産されました。

オーナー様は、この大きく張り出したフェンダーのデザインが大変気に入り、12年前に1年間探して購入されたそうです。
当時、944モデルも市場にありましたが、ブリスターフェンダーとなった944では魅力が薄れたと感じたそうです。

そして週末のドライブなどを楽しみながら2年間で1万km程度走行されたそうですが、その後長期間乗らずに保管されてしまったとのことです。

2008年の初頭に久しぶりに走らせたくなったオーナー様は、130万円ほどかけてエンジンや燃料ラインのレストアを行ったそうです。
レストアの内容は、エンジン腰上のオーバーホールと燃料タンク＆ラインの洗浄、燃料フィルターの交換、マフラーの新品交換とのことです。
しかしお仕事が忙しくあまり乗ることができず、このままでは勿体無いと感じたオーナー様は、売却を決意されたそうです。

＜外装＞
前後フェンダーの張り出しは、やはりこの車の大きな魅力です。
ロー＆ワイドなフォルムが際立って見えます。
残念ながら全体的に色が褪せてしまい、特にＦＲＰ製のフェンダーは艶も無くなってしまっています。
大きな傷として右ドアに凹みがありますが、他にこれというほどの凹みはありません。
外装はレストアベースと思ってくだされば分かりやすいかと思います。

＜内装＞
運転席のみレカロ製スポーツシートに交換されています。
元々低い着座位置がさらに低められ、張り出したサイドサポートは横Ｇで傾く体を強力に支えてくれそうです。
ドア内張りにPORSCHEのプレスがあることで、81年製とわかります。
ダッシュボードとハンドルの一部に、表皮のめくれが出てしまっています。
運転席、助手席、後部座席、全てほつれ等も無く良いコンディションを保っています。
カーペット類も、走行距離に対して良い状態です。

＜機関＞
バッテリーが上がっていますが、他車からのジャンプスタートですぐにエンジンが始動しました。
新品のマフラーにもかかわらず迫力の低音を奏でており、力強さを感じさせます。
左上がバックで左下がローギアのシフトパターンは、ポルシェ製ミッションの証です。
純正で低めのギアレシオが組まれる5速ミッションは、ギア鳴りも無く快調だそうです。

＜取材者の感想＞
希少な車だけに外装のくたびれが残念ですが、現オーナー様によりエンジンはとても良い状態になっています。
次のオーナー様には外装のレストアを楽しみつつ、走らせていただきたいと思いました。
しかし、こんな希少な車、取材していてレストアしてみたくなったのは私だけでしょうか？

保管場所　東京都渋谷区