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トライテックシュミット(メッサーシュミットレプリカ)
年式
不明
車検
25年4月
走行
2665マイル
備考
自動車登録
長さ
2860mm
1280mm
高さ
1320mm
重量
260kg
排気量
250cc
取材日2012年7月25日

戦後極めて小型な主にスリーホイラーとしてドイツやイタリアを中心とし生産が行われます。 その名もバブルカー、敗戦により軍需を失い、また航空機製造を禁じれた多くの戦闘機メーカーが、航空機で培った最先端技術を用い、自社製スクーターをベースとした全天候型の実用価値の高いバブルカーの製造を高いレベルで競ったとされています。

代表格でもあるBMWイセッタ、ハインケルやホフマン、これら多くはフロントドアによる、いわゆるおにぎりデザインでありましたが、これを覆すかのように、それは戦時中アメリカやイギリス空軍を、その俊足さで震え上がらせたMe型戦闘機を作り上げたメッサーシュミット社のバブルカーは他社とは明らかな違いを見せていました。 それは戦闘機から主翼と尾翼をもぎ取ったかのような葉巻型のスリーホイラーで、乗り込むのはフロントドアではなく、戦闘機同様キャノピーを跳ね上げるもので、その様子からまるで飛べない飛行機と形容される事もあったそうです。 

そんな個性的なシュミットのレプリカがこちらのトライテックです。 多くのレプリカを世に送り出しているイギリスのキットカーメーカーで、自社製のメッサーシュミットアフターユーザー用のFRPボディパーツをベースに、様々なパワーユニットに対応、世界中のメッサーファンの実用モデルとして向けられ、世界で最も良質なメッサーシュミットKR200のレプリカとして名声を高めます。

そのトライテック、日本での事情は厳しいもので、サイドカーショップでもあるコルフィー社が、ホンダのフリーウェイ250のエンジンを載せ、コンプリートレプリカとして正規許可にこぎ着けた経緯も持ちます。 

初年度登録は平成12年、記録から現オーナーさんで3台目と見ています。 
かなりオリジナルに近いつくりであるのは分かりますが、いざ手にしてみると実用するに足らない箇所や傷みが多数見つかり、ここからオーナーさんのトライテック改良・改善作業が始まります。

【エンジン】
まず取りかかったのが、オーバーヒート対策です。 ラジエーターは増設しました。 ボディー後部にエンジンを積んでいる関係で、本来スクーターの全面にあったラジエーターがボディー後部に横向きで移動させており、非常に冷却性能が悪いのが分かりました。 そこで後部のエンジンベイに、マグナ用のアルミラジエターを増設、本来のラジエーターとの水流をパラレルにして倍増させています。 また、水流を絞っていたヒーターコアは取払いました。 これで真夏でも水温は90度以下を維持出来るに至りました。 それにともないラジエターホース類の引き直しを行っています。
キャブはアイドル調整とバルブタイミング調整を行い、軽自動車の排ガス規制をクリアしています。
また、真夏に起こりやすいパーコレーションも、エアクリーナーのエアインテークを後方に向け、キャブへラジエターからの熱気を吸い込まないようにして防いでいます。

燃料タンクは8リッターの容量でしたが、こちらは14リッター(スズキ スカイウェーブ用)に変更しています。 また燃料計も正確でなかったため国産のものに交換しました。

機関は現在も状態は良好、不具合は認めません。

【電装系】 
本来スクーター用のレクチファイヤでは、バッテリーへのチャージ量が不足しているため、対策としてジェネレーターコイル出力より直接大電流型ダイオード経由で取り出し、チャージ量を上げています。 施行後1年が経過していますが、それぞれ異常はないそうです。 
ストップランプとフォグランプは増設しました。 これにウィンカーの半回路等のランプをLEDに変更しています。 また、ボルトメーターの増設も行いました。 
ポジションランと割れやすいウィンカーは前後ともヘラー製ビートル用に変更しています。
シートベルトの警告灯スイッチは修理済み、車検も問題ありません。

【内装】
内装も傷みのない状態です。 こちらもモディファイが行われていますので、挙げていきます。 メーターパネルとパーツはオリジナル風に改装しています。 ハンドル周辺のコンビネーションスイッチはワンオフ作製したものです。 ウィンカースイッチは使いやすいハンドルコラムタイプに、クラクションスイッチはハンドルバーグリップに移設しました。 またパッシングレバーもウィンカースイッチハウジングに増設しています。 尚ハザードランプは国産パーツを使用して改良しています。
シートも破れはありません。 リアシートは脱着式とし、内部に工具等を収められるようにしました。
小型のナビを装着、視界を妨げないようにレイアウトしています。
 
【外装】
ボディはFRP製ですので、サビの心配はありません。 またクラック等塗装に傷みは見受けられませんでした。 キャノピーの開閉も問題なし、幌のスクリーンもクモリがなくクリアです。
後部エンジンリジッドカバー内にスペアタイヤホルダーを作製致しました。

【足回り】
オリジナルのままです。 
ブレーキはリアブレーキシリンダーを錆びる鉄製から、アルミのブレンボタイプに変更しました。
タイヤは前後とも新品交換しています。

【付属品】
走行テストのみに使用した、リアタイヤ2本(内スノータイヤ1本)があります。
また、輸入時の通関資料、コルフィー社が出荷した以降の全ての資料、並びに整備記録、メッサーシュミットKR200の実車資料(コピー)、オープン時の後部ショートカバーがそれぞれ付属します。

リサイクル券と自動車税の月割りはご負担をお願い致します。

以前はオリジナルのメッサーシュミットも所有されていたオーナーさん、もちろんオリジナルの良さは当然ありますが、それでも乗りやすさでは断然こちらに軍配が上がるそうです。 そもそもエンジンが現代のものですので、メンテナンスが楽、性能面でもその差は明らかとの事でした。 とは言えそこはキットカー、実際に乗ってみると未完成の部分が多々見られ、レプリカと言えどオリジナルの雰囲気が感じられない箇所もあったため、モディファイするに至ります。 そもそもが旧車を現代でも通用すべく改良・改善するため、あらゆる創意工夫を凝らすオーナーさん、その作業のほとんどをご自身でこなし、納得いくまで、またキレイに仕上げるのを信条としています。 こちらのトライテックもしかり、結果また一歩オリジナルの雰囲気に近づき、実用面でも向上、オリジナルを含め真夏でもオーバーヒートの心配の要らないシュミットへと仕上げました。 実際に後部座席に乗せて頂きました。 キャノピーを開け乗り込む様はまさに飛行機、クルマと言うよりはまるでアトラクションのようです。 縦一列のレイアウトもそれは独特なもの、キャノピーを閉めて走り出せば、意外や速いと感じます。 それには現代のエンジンを積んでいる恩恵でもあり、さらにパフォーマンスを上げたオーナーさんの成果でもあります。 バイクとも言えず、クルマと言う概念が完全に覆される、これまで味わうことのない異次元の体験でした。 どこまで行っても飛べない飛行機と形容されていたオーナーさん、実用性の高さは折り紙付きのメッサーシュミットを1機いかがでしょうか。   

実車は埼玉県さいたま市にあります。


以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。
 SOLD OUT
   
  こちらが電動リバースのレバー。
メーターにメッキリングを付け、イメージを近づけました。 キャノピーはこのように開き、まさに飛行機の様相。
元々なかったモチーフも、オーナーさんのお手製。 ショートカバーを付けるとちょっとしたアクセントに。
リアシートを取り外すと小物が入れられます。物入れのスペースのないため重宝します。  
窓がスライド式。  
ブレーキはミニの10インチが用いられているよう。その他もミニのパーツの流用が見られます。 後退の機能も備わります。 こちらのモーターがそのシステム。
左側は元からのラジエター、横向きで効率がよくないよう。その下のダクトを後ろに向け、パーコレーション防止に。 こちらが反対側に増設したラジエター。これでオーバーヒートの心配のない走りが得られました。
このようにスペアタイヤが収まります。 このダイオードを経由することでチャージ量を上げており、バッテリーには常に十分な電流を確保しています。
タンクは容量をアップ。 ステーを自作し、こちらのトランクを装備。雰囲気があります。
   


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