日産自動車のスポーツ部門であるNISMOのバックアップのもと、入門ツーリングカーレースとして多くのサンデーレーサーを魅了したマーチカップ。
今回ご紹介するマシンはその規定に沿って製作され、実際にレースに出場されていました。
現在ではNISMOの看板が下りたとはいえマーチレースとして開催されており、毎戦20台以上のエントリーを数える相変わらずの人気ぶりです。
どこにでもある中古のマーチに指定の部品を組み込むだけという、レース車両としては比較的リーズナブルな構成で準備が整うことが人気の理由でしょう。
また、エンジンは100馬力程度しか無いものの、かなり下げられた車高と競技用タイヤがもたらす俊敏な動きは初心者にも扱いやすく、トップレベルでなくとも楽しめることもポイントでしょう。
現在のオーナー様は走行会での練習用・遊び用として購入されました。
そのため現在はレースに使用されていませんが、前オーナー様のもとでは西日本シリーズで上位入賞を果たしているそうです。
車庫都合により売却を検討されています。
◆◆外装◆◆
カッティングシートが剥がされたボディは意外にも普通の中古車と同等ですが、よく見てみれば激戦を掻い潜って来た痕跡が随所に見られます。
ボンネットは艶消しブラックに塗られ、低い車高とともに可愛らしいマーチに精悍な印象を与えています。
しかし、この手のマシンに外装の良し悪しは問題ではないでしょう。
※フロントガラスの鉢巻やドアの下部、リアガラスに個人名の分かるステッカーがあるため、画像を一部修正しています。
◆◆内装◆◆
ステアリング、シート、シフトノブ、その他にはレース専用部品が備わるだけという非常に簡素な内装です。
もちろんエアコンやオーディオはありません。
また、運転席の足元はアルミの板がびっしりと貼られ、細かな操作がしっかりと行えるようになっています。
●レース専用部品
- ロールケージ
- フルバケットシート
- Sabelt製4点式ハーネス
- キーズレーシング製ステアリング
- Percal製データロガー(ディスプレイ付き)
- 消火器(現在は競技非対応の小型のもの)
- ウェイト(スペアタイヤ設置部)
◆◆機関◆◆
現在ではショートコースを時々走る程度とのことですが、特に不具合はありません。
レース用のパーツが盛り沢山ですので、これだけでも価値がありそうです。
なお、各部のオーバーホール時期などは把握されていないそうです。
●レース専用部品
- Nismo製ECU
- Nismo製エキゾースト
- 大型ラヂエーター
- オイルキャッチタンク
- Zeal製車高調サスペンション(減衰6段調整)
- ストラットタワーバー
- ステンレスメッシュブレーキホース
- Dixcel製ブレーキパッド
- Rays製鍛造アルミホイール(Fr:15x6.5JJ+28,Rr:15x6.5JJ+35)
- Yokohoama88FDセミレーシングタイヤA048(Fr&Rr:195/50R15,Mコンパウンド)
◆◆取材を終えて◆◆
大衆車をベースにしていますので、壊れにくく楽しめるレース車両です。
もしクラッシュやブローをしてしまっても、意外と安く直せるというのがサンデーレーサーに打ってつけですね。
また、レーシングカーとしては馴染みやすいマシンですが、最後の1秒を詰めようとすると実は難しいマシンでもあり、ドライバーのスキル次第でどうにでもなるという面白さもあります。
サーキット走行時には車両積載車の準備などが必要ですが、ナンバー付きのマイカーでクラッシュしてしまうリスクを考えれば専用マシンをお勧めします。
この車両はレース用に製作・使用されているためナンバーの再取得は難しく、競技専用とお考えださい。
また、現在も使用されているため、走行距離が若干伸びることがあります。
保管場所 東京都