コスモの名を冠する4代目、3ローターの心臓を持つユーノス コスモです。
90年に発表、時代はまさにバブル経済期、贅沢を身につけたユーノスブランドのフラッグシップモデルとして、この高級パーソナルクーペはその存在感を示しました。
このモデルのクライマックスは何と言っても量産初の3ローターのロータリーを搭載している事、13B搭載のモデルの設定もありましたが、やはり話題は3ローターに集まっていました。 シーケンシャルツインターボで加給し、当時の自主規制枠いっぱいの280馬力を発生、ロータリーファンにとっては相当魅力的に映ったことでしょう。
こちらのコスモは95年式、後期モデルの20Bを搭載したタイプSXです。 95年で生産を終えますので、最終モデルに当たります。タイプSXは後期のみに設定されています。
平成15年10月に約18000kmの距離で購入されました。 現オーナーさんで2代目です。
オリジナルからモディファイが加えられており、パフォーマンスアップが図られています。
【外装】
フロントスポイラー スレイプニル製
サイド 純正オプション(前期のオーナメント発光タイプ)
リアアンダー 純正オプション
ドアミラー ガナドール
ボディカラーはブラックフォレストマイカ、塗装はオリジナルです。 大きなキズやヘコミなど傷みの類は見受けられませんが、ボンネットには部分的にクリア剥げが見られます。 またミラーにも塗装の剥げが出ていました。 サイドのオーナメントは後期では発光しないタイプに変更されましたが、こちらを前期モデルのものにしてあり、夜間にライトと連動して発光します。
尚、修理履歴はFバンパーの交換及び左リアフェンダーの板金があります。
【内装】
ステアリング ナルディGARA4
シート RECARO SR-ZERO
スピードメーター 260kmスケール
追加メーター Defi製 ブースト、水温、油温、油圧、排気温
シートは2脚ともレカロに変更、運転席には乗り降りの際のものと思われる擦れがあります。 ノーマルのシートはありません。 その他ダッシュ、天井など問題ありません。 ステアリングは純正が保管してあります。
インパネを囲うデコレーションパネルがあるのですが、オリジナルではミラノのシンプレス工房製の本杢パネルがおごられており、こちらは希少パーツなため傷めないよう取り外し、現状では代わりのものを装着しています。 本杢パネルは保管していますので、こちらはお付け致します。
【機関】
※CP
RE雨宮 Redom A-type
※吸気系
エアクリナー AUTOEXE(K&M)
エアクリBOX オクヤマ
インタークーラー ARC
インタークーラーホース SAMCO
ドライカーボン導風板
※冷却系
ラジエター ショップオリジナル銅製3層
ラジエターホース オートエクゼ(SAMCO)
※排気系
スポーツ触媒 スターダストファクトリー
オールチタンマフラー(フロントパイプ有) パンスピード
エンジン本体はノーマルで、CP及び給排気系のチューニングを主としています。 元々のパフォーマンスが高いため、実際にパワーチェックしたところ、この仕様で360馬力を発生しているそうです。 これまでトラブルはなく、現在も好調、圧縮比低下の兆候も見られません。 車検は過去3回ともディーラーにて実施、オイル交換は約3000km毎に行っています。
排気系では、コスモは純正で触媒が3つあり、交換となるとかなり高価なパーツとの事で、こちらはスポーツ触媒にて対応しています。
記録簿は前オーナーのものが1枚、現オーナーさんのものが3枚あります。
ミッションも何ら問題ないとの事です。
【足回り】
車高調
ホイール BBS RS-GT 18インチ
タイヤ ポテンザGIII フロント:235/40-18 リア:265/35-18
ブレーキキャリパー フロント:ポルシェ928GTS用 リア:32GT-R用
ブレーキローター フロント:2ピース324mm リア:純正にスリット加工
メッシュブレーキホース フロント:PLOT特注 リア:ショップオリジナル
車高調はAUTOEXEにて1度OHしています。 その際バネレートをフロント12kg リア8kgに変更しており、そのバネレートに減衰力を合わせる為、試作部品で組み直してもらっています。
【補強パーツ】
フロントタワーバー オクヤマ
リアタワーバー オクヤマ
メンバーブレイス AUTOEXE
フロントフェンダー内 埋蔵金
【電装系】
オルタネーター FD純正100A
プラグコード ウルトラ
ヘッドライト HID
フォグランプ HID
ETC
シガーライター照明
キーレスエントリー TYPE-Eより移植
【ナビ オーディオ】
ヘッドユニット ALPINE INA-D300JN
マルチメディアマネージャー PXA-H701
アンプ ALPINE MRV-F407+MRV-T757
スピーカー F:carrozzeria TS-X1700+TS-X1300+TS-X
R:carrozzeria TS-V160
リアスピーカーボード自作
トランク内アンプラック自作
デットニング済
エアコンは平成18年に修理をし、現在も効きに問題ありません。 コスモは発熱量が多く、それは室内まで影響するそうですので、しっかり効く状態を維持しています。
スペアタイヤには軽量なFDの純正17インチを載せています。
現在バッテリーが若干弱り気味です。
リアタイヤがいくらかはみ出ているようで、車検の際は細めのものに交換して対応しています。
リサイクル券(10780円)と自動車税の月割りはご負担をお願い致します。
ユーノス コスモに魅せられたオーナーさん、コスモはこれで3台目だそうです。 これまでの2台と比べコンディションはかなり良いそうで、ロータリーのウィークポイントでもある圧縮比の低下も少ない走行距離に助けられ依然兆候は現れていないとの事でした。 また、後期モデルは各部の改良がなされているようで、その辺りも維持のしやすさに貢献していると見られます。 これまで乗り継いできたコスモの魅力を伺うと、やはり3ローターと内外装のデザインを挙げられていました。 内装は上から見るとよく分かるのですが、グルリと囲うようなデザインになっており、かなり特徴があります。 コンパクトなロータリーエンジンの特徴を活かし、本来はボンネット長を短くできるはずを、あえてボンネットを長く取る贅沢さを感じるフォルムも目を引くところで、おそらくこのようなクルマは現れないだろうとの観点から、その希少性に大きな魅力を見出していることなのでしょう。 3ローターの走りを助手席にて体感させて頂きました。 そのまるで振動を伴わないスムースさはやはりロータリーならではのもの、ひとたび踏み込めばATにして力強い加速を手に出来ます。 低速トルクも十分との事で、走りに不満はありません。 モディファイもやみくもにパワーを追及するのではなく、しっかり補強も考えられており、押さえるべきポイントもコスモを乗り継いできたオーナーさんならではの経験が活かされていることでしょう。 今回家庭の事情によりいよいよコスモから離れる決意をしました。 そんなコスモに魅了され続けたオーナーさんの思いをこのクルマから感じてみるのはいかがでしょうか。
実車は東京都狛江市にあります。