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マセラティ・ロイヤル 1989年式
車検 2020年12月 走行 56,310km(メーター値) 備考 ディーラー車  複数オーナー
長さ 4910mm 1890mm 高さ 1380mm 重量 2050kg 排気量 4930cc
取材日2017年4月

■■■今回紹介のモデル■■■
1989年7月(平成元年)初度登録のディーラー車の「マセラティ・ロイヤル」になります。

掲載車両の説明の前に「マセラティ・ロイヤル」を少しだけご説明いたします。

【マセラティ・ロイヤルについて】
イタリアのマセラティ社の当時のフラッグシップ「マセラティ・ロイヤル」です。
(ロワイヤルとも言われますが、ここでは当時の正規輸入元のガレージ伊太利屋が使っていた呼称のロイヤルで案内します。)
ロイヤルを語る為に派生元であります「マセラティ・クアトロポルテ」を簡単にご説明します。
イタリア語で4つの扉を意味するクアト・ロポルテは初代が1963年に4,000ccを超えるエンジンを積んだスポーツサルーンとしてデビューしました。そのエレガントなルックスとパワフルな走行性能でその名の通りイタリアの4ドアのサルーンの中では確固たる地位を築きました。
2代目はフランスのシトロエン社の傘下で発表されましたが、ハイドロサスFWD−V6エンジン等、初代の魅力だったイタリアンスーパースポーツ的要素が消え失せ商業的に大失敗を演じました。
その後の3代目がこのロイヤルの派生元となります「マセラティ・クアトロポルテV」です。
親会社はシトロエンからデ・トマソ社に変わり1979年からデリバリーが開始されました。
デザインは悠々たるサイズながら低い全高と直線的なラインが特徴でその存在感は際立っていました。
サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン、エンジンはV8が復活し当然RWDです。内装は本革やウッドパネルを贅沢に用いそれは当時のマセラティ車のセールスポイントとなりました。 
そし1984年に今回ご案内の「マセラティ・ロイヤル」へと改称されました。
その際にエンジンは排気量4,930cc、最大馬力300psへとパワーアップされ、バンパーは大型化されサイドシルの装備、リアのピクニックテーブルなど追加装備されました。また意外ですがこのロイヤルからダッシュボード中央の楕円型の金時計が装備されたそうです。
その重厚感からローマ法王公庁の公用車に選ばれ、映画「ゴッドファーザー」でも主人公がイタリアへ帰国した際の場面でも使われていました。
以上が「マセラティ・ロイヤル」についてです。

では、購入のきっかけからご紹介いたします。
現オーナーさんが今から4年程前にとある自動車屋さんで今回紹介の「マセラティ・ロイヤル」に出会いました。
その自動車屋さんは、朽ちた状態のロイヤルを整備して自分で乗るつもりだったようですが、なかなか整備する時間が取れずに放置状態が続いていたそうです。
そんなロイヤルを見たオーナーさんは、「このままにするには惜しい、自分が次世代に遺せる状態にしてあげたい」と購入を決めました。

購入後ロイヤルを軽井沢にある旧車ヴィンテージカー専門のショップで日常使用出来るようにする事とボディーの修復(特に腐食したサビの部分)、そして車検整備を依頼しました。
無事に車検は取得できましたがエンジンの不具合等々車検取得に関わらない部分は未完了でした。
そのショップでは技術的に問題がありオーナーさんの希望する作業ができないようだと判断しました。

そこで同じ長野県にある旧知のメカニックが経営するショップにロイヤルの現状と希望整備内容を相談したとろ対応してもらえるとのことでロイヤルをそのショップへ整備入庫させました。
先ずは、ボンネットのサビがひどかった為、ボンネットのFRP化に着手しました。
(強度の関係で骨はスチールを残しました。)
FRPの補修は、錆対策で、ボンネットのフレーム(スチール)を残し、鉄板を貼るところをFRPにしてあるので、全てがFRPではありませんので、歪みは、部分的でほとんどありません。
通常のボンネットと同じ部品が取り付けてありますので開閉動作、ロックも同じです。」
その他の整備依頼内容は、ボディーの修復、エンジン調整、キャブ調整等々です。
ボンネットはほぼ完成した頃、ショップのオーナーメカニックが病気になり、そのショップを閉店せざるを得ない状況となってしまいました。(エンジン調整を始めとする機関の整備が作業途中でした。)
失意の中オーナーさんは、このロイヤルを軽井沢の駐車場まで運び保管をしたまま約1年が経過した頃、他に所有している車の修理に預けた千葉県のショップにロイヤルの現在の状況を説明し作業途中の機関の整備作業等を相談したところ、快い返事を得た為整備依頼をしました。
因みに、こちらのショップは、ベンツが専門さんです。
依頼した整備・修理内容は、大きく分けるとボディーの板金と内装(ウッドパネル:運転席側の内装ウッドのクリアの剥離作業が残っていますが、他は、クリアの剥離作業は完了しています)、シートの補修です。(シートはきれいです)。
それと走行に関わる機関の重量整備(エンジン、キャブレター、ブレーキ、足回り等)は、上記ベンツ専門業者さんが、ランボルギーニ、フェラーリなどスーパーカーの旧車をフルレストアしている業者さんに依頼し整備を施したとの事です。(専門分野ごとに2社の業者さんが担当しました。)

下記にその時の作業内容を記載いたします。
(見学の際は作業前後の写真や納品請求書もお見せします。約200万円の作業でした。)

■軽井沢より千葉へ搬送整備(エンジン始動せず、セルモーター回らない状態)
【機関】
・バッテリー充電
・バッテリー廻り配線点検、整理、手直し
・スターター点検、脱着、配線修理
・スターターオーバーホール
・ガソリン抜き取り、給油
・フューエルポンプ点検、ホース手直し
・オルタネーター脱着
・プーリー脱着(広角ベルト用に加工)
・プーリースペーサー加工取り付け
・オルタネーターオーバーホール
・アイドラプーリー脱着、ベアリング交換
・P/Sベルト交換
・A/Cベルト交換
・ハイテンションコード、ディストロビューター脱着、点検
・ハイテンションコード測定、修理、清掃
・キャップ調整、点火時期調整
・スパークプラグ交換 
・キャブレターアッパーボディー脱着
・ニードルバルブ脱着、点検、洗浄
・フロート脱着、点検、洗浄
・フロートチャンバー内清掃 
・メインパイロットエアポンプジェットアイドルスクリュー脱着、点検、洗浄
・フロートレベル調整
・スロットルリンケージがたつき調整
・キャブレター調整
・フロント左右ブレーキ脱着、オーバーホール
・ピストン(大)、ピストン(小)、シールキッド、ブレーキパッド、ブレーキパイプ(左右)以上交換
・フロント左右ホイールハブ脱着、ディスクローター研磨、ナット、ワッシャ交換
・リアサイレンサー、ドライブシャフト、リアダンパーユニット脱着
・リアサブフレーム脱着、マウント(USED)交換 
・リア左右ブレーキキャリパー脱着オーバーホール、ピストン(大)、ピストン(小)、シールキッド、ブレーキパッド、パーキングパッド、ブレーキパイプ(左右)以上交換
・リア左右ディスクローター脱着、研磨
・ブレーキエア抜き
・フェールリッド不開、社外モーターに交換、加工、取付け 
・オーディオ点検、配線取直し
・MD/CDチェンジャー取り外し 
・A/C温度調整、ワイヤー交換、加工取り付け
・A/Cコントロールパネル脱着、点検
(エアコンは現在ガス漏れが発生し冷えません。追加修理が必要です。)

【内装】
・各ドアウッドパネル整形処理
・シートクリーニング、ルームクリーニング
・センターコンソール塗装
・左リアパワーウインド不動、レギュレーター、モーター分解、修理
・トランクダンパー社外品に交換。

以下、板金塗装箇所
【外装、板金】
・左ヘッドライトブラケット、腐食の為作成
・左フロントインサイドパネル、腐食部をステンレスパネル加工取り付け
・左フロントドア、左ルーフサイド、トランク、右ルーフ、右フロントフェンダー、右リアドア各部の腐食穴を整形防錆塗装。

以上の整備は、2016年6月に完了し現オーナーさんの手元に戻りました。
車両は、屋根付きの駐車場に保管しています。
週に1回程度、マンションの広い敷地内を動かしています。

上記の経緯をもって、日常走行に支障の無いレベルまでにオーナーさんの「マセラティ・ロイヤル」に懸けた愛情が注ぎ込まれた車両です。
普通に走れる状態にまで復活させたオーナーさんは、自分の役目はここまでとして、次世代へと繋いでくださる方にこの「マセラティ・ロイヤル」をお譲りしたいと決心しました。
修理と整備が必要な部分は数箇所残っています。
[ウッドパネルのクリアの剥離、補修(ダッシュボード側)が残っています。]
現オーナーさんのお気持ちを引き継いで頂ける方にお譲りしたいとの事です。
取材時には、オーナーさんのお言葉通り取材時には、エンジン一発始動でアイドリングも安定していて取材先の敷地内を悠々と走る姿を見せていただきました。

■■■オーナーさんから一言■■■
「大切な車という世界遺産が次の方に受け継がれることを願っています。」

現車確認、見学については、オーナーさんも多忙な為購入を前提とした上でご連絡をお願い致します。
個人売買の為、消費税、諸費用はかかりませんが、リサイクル料(¥18,100−)のご負担をお願いいたします。現状渡しのノークレームとなります。


【2019年1月7日更新】
■車検整備を行い、一通り点検整備を実施しました。
・マフラーのパイプを左右新規で交換。(マフラーエンドをステンレスパイプにて新規作製。)
・電気系統は、ライト類の配線を整備及び室内デフロースター関係の配線の引き直しを行い、再度点検整備を実施。
・給油口の開閉用アクチュエータの整備、調整。
■オーナーさんから一言
伊豆の急坂なども元気よく走っています。図体が大きい割には小回りが利き、足回りがよいので山道でも安心して走れます。電圧、オイル圧、オイル温度、水温など問題はありません。
日常での走りも問題ないです。千葉から東名をとおり熱海まで安心して走れました。
タイヤは、ブリジストン製REGNO を装着。(取り替え後ほとんど乗っていません。)
もともと要人が乗る車として作られているので、ビトルボ系のマセラッティとは、交渉率は格段に低いです。
部品関係もアメリカのGMと共有のもの多く、アメリカには、かなりの部品が存在しています。
クアトルポルテVの豪華仕様なので、かなりの台数がアメリカでは現役で走っているので、パーツ調達も比較的容易です。
ロイヤルは価格が高騰しているようですが、お好きな方、ご希望があれば、この価格でお譲りいたします。
4年かけてレストアしましたが、海外勤務も多く、ほとんど乗る機会がないので、マセラッティロイヤルを次の代の方にお渡したしたいと考えた次第であります。
長年整備を依頼した業者をご紹介します。板金及び整備でフェラーリ、ランボルギーニ等の旧車レストアを得意とする業者ですのでこの車はとくに安い価格で対応してくれます。

実車は、静岡県東部にあります。

以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。
SOLD OUT
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マフラーエンドをステンレスパイプにて新規作製。 
 
 
 


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エンスーの杜 静岡
TEL/070-6533-8928(スグロ)

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