ジネッタは、1957年にイギリスのクルマ好きのウォークレット四兄弟、ダグラス、トレバー、ボブ、アイバーによって始まります。
初号車はG1、しかし試運転の際、家を出たところでクラッシュしてしまいます。
次のG2は、鋼管スペースフレームにフォードの1.1リッターエンジンを載せ、高い評価を得ることになります。
1960年にはFRP製のボディを採用したG3が登場、翌年の1961年にはジネッタの最大のヒット作であるジネッタG4がロンドン・レーシングカーショーでデビューします。
G4はラウンドチューブのスペースフレームにアイバーがデザインしたFRPのボディを被せた小さなスポーツカー、デビューと同時にサーキットにも姿を現し、話題を集めます。
1964年にはワークスドライバーだったクリス・ミークによって1シーズンに8回の優勝、2位を6回獲得するなど素晴らしい戦績を収めます。さらにホームグラウンドである英国スネッタートン・サーキットでは当時のレーシングマシンであるポルシェ904が保持していたコースレコードを軽々と塗り替えるなど目覚ましい活躍を見せます。
レースでの戦績はすぐに人々の話題となり、すぐに市販車にもフィードバックされ、年間台数も増加、最終的に500台以上の生産が記録されています。
1964年にはG4Rが登場します。4輪独立サスペンション、4輪ディスクブレーキが採用され、ロータスツインカムエンジンが搭載されます。そしてこのG4Rでのレース活動と同時に1966年には本格的なレーシングカーG12が発表されます。
ジネッタ12はミッドシップ・エンジンレイアウトを採用。デビュー戦のシルバーストーンでのレースからいきなりラップ・レコードを樹立、続くスネッタートンでもクラス優勝、また翌年にはブランズハッチで7リッターのシェルビー・コブラ、4.7リッターフォードGT40という強敵を打ち破るなど数々の輝かしい戦績を収め、レース界に一大センセーションを巻き起こしました。オリジナルのG12は50台ほどの生産が記録されています。
1990年に(株)ジーエフティよりG4、G12の再生産を依頼されることになり、トレバー、アイバーそしてトレバーの長男であるマークによりDARE(Design and Research Engineering)社が設立され、2年余の歳月をかけ、オリジナルの作り手によってG4、G12が復活となります。
さて、今回ご紹介するこのDEAR社のジネッタG12です。
コスワースYACのエンジンをミッドシップに搭載、5速のクロスミッションとなります。
現オーナーさんは、約5年前に専門ショップから購入します。休日の趣味の車として楽しまれてきましたが、次の車に乗り換えるためエンスーの杜への掲載となりました。
車自体は、過去に大きなトラブルはなく、現在も完調の状態で維持されています。
通常のG12の燃料装置はウェバーのツインキャブですが、オーナーさんは約2年前にモーテックのインジェクションシステムに変更しています。
コンピュータのセッティングは専門ショップで行っています。
その他の整備として足回りをエナペタルでOH、オルタネータ、スタータを国産品に変更などです。あとはノーマルです。ノーマルとは言ってもそこは純粋なレーシングカーとして生まれてきたG12、侮ることなかれ。
【ボディ】
FRPのボディに目立つようなクラックはありません。結構厚めのERPを使用しています。
ドアの立て付けも問題はありません。サイドガラスは樹脂製、センターの4角の窓を横にスライドさせる簡易的なものです。
【インテリア】
乗り込みにはちょっとしたコツがいる車です。しかし、ドライバーズシートに座った瞬間、戦闘モードに入ります。バケットシートは小さく見えますがしっかりと身体を固定します。シフトノブ、サイドブレーキは運転席シートの右側にあります。
【機関】
エンジンパワーは190PS(キャブ仕様)ありますので、700kgの車体重量には有り余るパフォーマンスです。ミッションはSSG 5スピードのクロスミッション、F3レース用です。
特に不具合はありません。
【足回り】
鋼管パイプAアーム、ダブルウィッシュボーンサスペンションはレーシングカーのそのもの、トーイン・アウト、キャスター、キャンバー等の調整は自由自在、スタビライザーもアジャスタブルです。リヤは独特のダブルアジャストアームと逆Aアームウイッシュボーン+Iトランスアームにスタビライザー、コイルオーバーダンパーの組み合わせによりセッティングは無限大です。
屋根付き車庫に保管。
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。