キッチリ直してこそ、そのクルマが楽しめる、が信条のオーナーさんが、徹底的に手をかけてきたパンテーラです。 外観はとにかくキレイ! 手間とお金がかなりかかっている事が、一目見ただけでも感じ取れました。
外装がオリジナルなものが少ないですが、このクルマは当時フォードとの結び付が強かった、GTSの仕様に仕上げています。 スーパーカー世代の筆者も、パンテーラと言えば、この赤黒ツートンのスッキリしたエクステリアがイメージとしてありました。 ベースとなった車両は内装の程度が良かったため、天井を張替えた程度で、オリジナルを保っています。 それ以外の外装、機関はかなり手が入っており、全ては書ききれない、との事でしたので、主だったものを挙げておきます。
【外装・装備】
ボディは一度ドンガラの状態にして、板金、塗装が施されています。 特にエンジンルームのキレイさは圧巻でした。 エアコンの配管の処理もボディ内部に這わせる等、気を遣ってあります。レストア途中の写真は保管されていますのでご確認できます。 この手のクルマでも快適性は必要でしょう。 もともと無かったエアコンはしっかり装着されていました。 こちらは全て新品パーツを使っています。 ヘッドライトにはHID(Hi,Lo切り替え式)を装着しました。
【エンジン・足回り】
エンジンは一度オーバーホールしてから、チューニングを施しています。 こちらはパンテーラのスペシャルショップであるスーパークラフトにて行われており、そちらには使用されたパーツ類等の詳細は保管されていますので、ご覧になればレベルもご理解頂けるはずです。 またオーバーヒート対策として、スーパークラフトオリジナルのクーリングシステムが装着されており、オーバーヒートは無縁との事でした。 エンジンにはマイクロロンXA、ミッションにはコンパウンド90が投入されています。 フィーリングとしては、乗っていて楽しいエンジンを目指したそうで、非常に良く回る、ほぼ理想通りに仕上がったそうです。
足回りにはニューショック、ニュースプリング、ニューブッシュ、またブレーキには前後ビッグローター、ビッグキャリパー(ウィルウッド製スーパーライト)、マスターシリンダー、クラッチにはツインプレートクラッチを奢っています。 ホイールは純正と同じデザインの17インチ、タイヤはピレリPゼロです。
その費用は大まかに、ボディ関係で200万円以上、エアコン60万円以上、タイヤ・ホイールで80万円、エンジン関係で400万円くらい、クーリングシステムで60万円、合わせればその費用は1000万円近く掛かっているそうです。
実はこのクルマ、某雑誌でパンテーラの特集で10ページにわたり、掲載された経歴があります。
レストアには3年程費やし、その後完成してから未だ走行が1500km程度とエンジンのナラシも途中といった具合です。 徹底的に手が入れられていますので、このまますぐに乗れることは間違いないでしょう。 程度の良いパンテーラをお探しの方はオススメしたい1台です。
たまに乗りますので、距離は若干延びます。
実車は東京都小金井市にあります。