【シトロエンGSについて】
1970年にシトロエン2CVとシトロエンDSの中間モデルとしてシトロエンGSが登場します。空力性能に優れた大胆なデザイン、ハイドロニューマチックの乗り味、油圧ブレーキなど、シトロエンDSから様々な技術を受け継ぎます。
エンジンは水平対向4気筒、トランスミッションは4速マニュアルの組み合わせです。
少数ではありますが自動クラッチもありました。
デビュー時は1000cc、1972年に1200ccを追加し、1973年にはロータリーエンジンを積んだビロトールも登場します。その後、プジョーに吸収されたためビロトールは生産されなくなり、1978年からは1000ccが1100ccに変更され、1986年まで発売が続けられました。
ボディは一見するとハッチバックに見えますが独立したトランクを持つ3ボックスカーです。その後、登場したシトロエンGSAはハッチバックとなります。
サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン、リヤはトレーリングアーム、スプリングはなく前後ともに油圧制御エアサスペンションのハイドロニューマチック、自動車高調整機能と高いロードホールディングで快適な乗り心地を実現させました。
小型大衆車にも関わらず4輪ディスクブレーキを備え、強力なアンチノーズダイブ機構を持っていました。そのため制動時にはフロントダイブすることなく、逆にリヤを沈めながらエレガントに、そして強力に停車します。フロントサスペンションにはDSと同じセンターピボットを採用したため、インボードディスクブレーキとしています。
1971年にはシトロエンとしては初めて、ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞します。 1986年に1984年発表のBXに跡を譲って生産中止となりました。
【ご紹介する車両について】
1975年モデルのシトロエンGSパラスです。現オーナーさんは東京にある有名なシトロエン専門店から購入、個体はスペインからの並行車です。平成28年に新規登録、日本ではワンオーナー車となります。
専門ショップから購入したのは平成27年12月、それから整備をお願いし、手元に来たのが平成28年6月だったそうです。
その間に行なったことは、排気ガス低減装置の取付け、シート生地の張り替え、ドアトリムの張り替え、インパネの塗装、オーディオの取付けなどです。
購入動機は過去に乗っていたシトロンGSAをもう一度味わってみたかったことです。
購入当初は、あちらこちらとドライブします。長距離のドライブも出掛けたそうです。走りも居住性も大変満足していたそうですが、最近はあまり乗れなくなってしまい、次のシトロエンマニアの方にお譲りしたいということで掲載となりました。
【ボディ】
グリーンメタリックのボディカラーは、当時を感じさせるカラーです。おそらくスペインで全塗装をしていると思われます。メッキパーツも輝きがあり、大変きれいな状態でした。
スタイルはハッチバックですがトランクのある3ボックスカー、外見だけではトランクルームが狭そうに見えますがトランクリッドを開けると真四角のスペースが現れ、ゴルフバックが2セット入るそうです。
リヤバンバーの右バンパーガード(ゴム製)にキズがありました(補修してあります)。
【インテリア】
フランス車を強く感じるインテリア、センスの良さを感じます。
全体的にきれいに仕上げてあり、清潔感もありました。
シートはクラシックな生地で仕上げてあり、厚みもありますので高級感があります。
メーターはシトロエンの特長であるボビンメーターです。
ドアトリムも白系のトリムに張替えてありますのでシックな感じを受けます。
フロアコンソールには、ハイドロの調節レバーとオーディオが縦置きに設置してあります。
スピーカーはフロントシートの下に設置してありますのでシート下より振動が体に伝わり、あたかもボディソニックのようですとオーナーさんがお話されていました。
室内の居心地もなかなかで、三角窓はありませんが窓を開けて走行すると結構風が室内へ入ってきます。また、窓を開けても普通に会話ができ、快適な空間でした。
【機関】
空冷式水平対向4気筒エンジンは、コンパクトであるためFFでありながら縦置きのレイアウトを可能としています。横置きのFFよりエンジンが室内から離れており、左右対称のレイアウトであることから走行フィーリングがいいと言われています。
トランスミッションは4速マニュアル、助手席で試乗させて頂きましたが気持ちよくシフトチェンジするオーナーさんは楽しそうでした。
エンジンには排気ガス低減装置が装備しています。これは納車時に専門ショップで行なっています。
特に不具合はありませんとお聞きしています。
【足回り】
サスペンションのハイドロニューマチックに不具合はなく、正常に作動しています。
ブレーキは4輪ディスクブレーキ、ハイドロニューマチックと油圧回路を共有しています。
最近は道路事情(昔は舗装されていない道路が多くありました)がいいため、ハイドロニューマチックの良さを体験できる機会がありませんとオーナーさんがお話されていました。
【メンテナンス】
新規3年車検を取得し、今年の5月に1年定期点検を実施しています。
そのときのメンテナンスは以下の内容です。
・LHMポンプブーツ交換
・LHMオイル補充
・フロントパット交換
・プラグコードセット交換
屋根付き車庫に保管。
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。