【W111について】
ハネベンと呼ばれるモデル、W111の紹介です。
W111は、リヤフェンダー後端が垂直尾翼のような形をしているので略称してハネベンと呼んでいます（ハネベンと呼ぶのは日本だけですが）。
このデザインは、ベルトーネやギヤなどイタリアのカロッテェリアが、1950年代初めに試験的に採用したことが発端となり、その後1956年にクライスラーが市販モデルに採用し、大体的に宣伝したことが一気にアメリカ車全体に広がり、ついには一部のヨーロッパ車も巻き込んだブームとなりました。
この流れにダイムラー・ベンツも乗ったわけですが世間の批評は賛否両論でした。
ベンツが流行に乗ったと・・・。
W111の最大のポイントはもちろんテール・フィンですが、その他に縦長のヘッドライト（これ以降のモデルは縦目となります）、2重パンパー、大きく前後に回り込んだ前後のウインドウ、細いドアサッシなどです。
モデルには、220、220S、220SE、230S、250SE、280SE、300SEがあり、ボディタイプはセダン、クーペ、カブリオレがありました。しかし、クーペとカブリオレには、テール・フィンのデザインは採用されませんでした。
パワーユニットは旧型のW110と同じ直列6気筒SOHCエンジンを搭載しています。サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン、リヤがシングル・ジョイント式のスイングアクスルを採用しています。一部上級車には、V8型エンジン、エア／コイル併用のスプリングにショックを組み合わせたサスペンション、パワーステアリングを装備したモデル（W112）もあります。
1965年にW108/109へ移行、W111/W112は生産終了となりました。

【紹介する車両について】
今回ご紹介する車両は、W111　メルセデスベンツ220Sのセダンモデルです。
アメリカの並行車、エンジンは2.2L直列6気筒SOHCを搭載、トランスミッションは4速オートマチックの組み合わせです。
パワーステアリング、ブレーキブースター、後付けのクーラーキットを装備しています。

【ボディ】
シルバーメタリックのボディカラーは全塗装、前後のメッキバンパーも再メッキされ、きれいな状態でした。テール・フィンのモールはきれいなラインが出ていました。
ただし、細かな劣化やまだ手が入っていない個所が見られます。ボンネットの塗装の浮き、テールライトのメッキパーツの未メッキ、ウインドウガラスモール類の未メッキなどです。

【インテリア】
インテリアは一通り、手が入っていますのできれいな状態でした。
インパネパッドの張り替え、全シートの張り替え、ウッドパネルの張り替え、ドア内張りの張り替え、フロアカーペット製作、天井張り替えなどです。
クーラーは社外品のクーラーキットを装備、効いているのを確認しました。
ハンドルには多少のひび割れが見られました。
元々のラジオは不動ですがグローブボックス内にMDデッキがあり、こちらは聞くことができます。もちろんオートアンテナも可動いたします。

【機関】
駆動方式はFR（フロントエンジン・リヤドライブ）、パワートレインは2.2L直6SOHCソレックス・ツインキャブレター仕様のM180型エンジン(最高出力110ps)と4速ATの組み合わせです。

【足回り】
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リヤがシングル・ジョイント方式のスイングアクスル、ステアリングはリサーキュレーティング・ボール式のパワーステアリング（当時はオプション）、ブレーキはフロントがディスク、リヤがドラムです。タイヤはホワイトリボンタイヤ、サイズはP195/70R13です。

【メンテナンス】
最近整備しました記録を以下に記します。
・イグニッションコイル交換
・スパークプラグコード交換
・アクセルロッド分解/清掃
・キャブレターセカンダリー清掃
・トランスミッションバキュームモジュレーター交換
・スパークプラグ交換
・キャブレターリターンスプリング交換
・エンジンオイル交換
・冷媒ガス充填
・クーラー高圧ホース交換
・ブレーキオイル交換
・アディショナルファン新規取り付け
・オルタネーター交換
・ライト回り点検/シグナルリレー交換
・全輪ブレーキキャリパーシール交換
・ブレーキパイプ交換
・ブレーキホース交換
以上です。


更新記事（2017.11.14）
2017年もあと一カ月と少々となり、オーナー様から年末の大セールを行ないますとお話がありました。現状の360万円から80万円引いて280万円に値下げ、各種イベントの展示車両として、またクラシックラリーの参戦車両として、ぜひ年末年始をこの車と共にお過ごしください。

屋根付き車庫に保管。

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