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メルセデス・ベンツ 280S(W108) 1970年式
車検 31年1月 走行 36,000km (メーター読み) 備考 コラムオートマチック 左ハンドル
長さ 4900mm 1810mm 高さ 1440mm 重量 1500kg 排気量 2770cc
取材日2017年1月

通称「縦目」と呼ばれるW108型、メルセデス・ベンツ280Sです。

縦目のモデルは多種多様であれこれとありますが、このモデルは1967年から1972年に約9万3千台が製造されました。そのうち、日本に輸入されたのはその1割もなかったと思われます。
今回のメルセデスは新車時から世代を超えて維持されてきた貴重なお車ということもあり、じっくりと紹介させていただきたいと思います。

【外装】
いわゆる「黒塗り」のボディは新車時からのオリジナル塗装で、事故や板金で塗り直したということは聞いていないし記憶にも無いとのことでした。オリジナル塗装であり、また、取材時に洗車されていなかったこともあり、「ピカピカ」な状態とまでは言えず、曇ったかんじもありました。ただ、基本的な状態は悪くありませんので、磨き込めばピカピカになりそうです。

ちなみに私の友人も縦目を所有していましたが、この頃の塗装は今の塗装のようにギラギラしたものではなく、落ち着いた雰囲気でしたので、それもあるのかもしれません。
メッキ類は程度も良く、錆浮きなどは見られませんでした。コストダウンなど考えもしなかった頃のメルセデスですから、さすがというしかありません。

余談となりますが、同じドイツの工業製品として私は1955年製のライカを所有しておりますが、このライカも新しくなる程にメッキの質を含め、品質が悪くなっていきます。車もカメラも似たところがあるものだなと改めて感じました。

ボディの凹みや傷などは、ごく微細なものは別としてほとんど無いと言っても良いコンディションです。
しいて挙げるとすれば、バンパーに付いているゴムの部分に一部、傷と亀裂がありました。
(画像でご確認下さい)。

保管は2年前までは雨風が当たらない実家のガレージで、それまでも新車からずっと雨風、紫外線を凌げる場所でしたので、ボディのコンディションは良いほうだと思います。
錆びやすいと言われるフェンダー裏側に少し腐食がありましたが、それ以外は下回りも含めて綺麗でした。(画像でご確認下さい)。

現在は実家を手放されたこともあり、ボディカバーを2枚重ねてかけ、マンションの駐車場に置かれているそうですが、工場に置かせていただいていた時期もあるため、屋外に駐車しているのは実質的には1年間です。

【内装】
内装もオリジナルの状態ですので、年式なりの痛みはあります。シートの明らかなヘタリは感じませんでしたが、運転席腰の部分の生地の擦れ、また、シートの染みなどもありました。ただし、清潔感はありますので、薄汚れて汚いというものではなく、経年変化ととらえていただけたらと思いますし、むしろ年式を考えると程度は上々とさえ思えます。

シートはシュロのクッション+金属ばねを使っており、昔の良いソファに座っているようなくつろぎ感があります。最近、比較的新しいSクラスに乗る機会がありましたが、こちらは単なる発泡ウレタンのシートで、昔のシートを知っている者からすると、やや残念に感じたことを思い出しました。そんなふうに思えるような、くつろぎ感、安らぎ感のあるシートです。

その他、窓周りの木のモール部分など、細部に年式なりの劣化が見られました。

【機関】
エンジンは130型、6気筒。この6気筒エンジンはオイルと水回りをしっかりメンテナンスしてやれば丈夫で耐久性も高く、熱にも強いため夏場でも十分に実用できるものだと言われています。

また、280Sは古典的なキャブモデルで、クラシック・メルセデスの雰囲気を強く残しており、キャブのため整備性が良いというのも、これから維持していく上でもメリットとなると思います。

機関は快調でエンジンの始動性も良く、異音無く回転もスムーズです。パワーは特別速いわけではありませんが、排気量が2800ということもあり、必要にして十分というかんじでしょうか、現代の道路状況でも何のストレスも無く走れます。
足回りも硬すぎもせず、軟すぎもせず、車の性格に合ったもので、後部座席は本当にくつろげる、暖か味があるとでも言っていいような印象でした。

使用状況ですが、普段の足としては使用されておらず、旧車イベントに出す際や、調子の維持の為にたまに乗られる程度とのことです。

タイヤはヨコハマの205/80R14で2014年製。装着して2000Kmも走られていないということで、山は9.5分以上あります。

わかっている不具合箇所は以下のとおりです。
・オドメーター、トリップメーター不動(中のギアが割れているのかもしれません)
・クーラーガス抜け(入れても1年程度でガスが抜けるそうです)
・ステアリングからクラクションが鳴らない(接点不良?)のため、ステアリングの右奥にクラクションのスイッチを付けられています。

【後付けパーツ】
基本、フルノーマルです。
後付けはクーラーの他はカーナビとスピーカー、マットくらいです。

【整備履歴】
整備は先代の時から付き合いのある民間の整備工場に長年依頼されています。
「細かい記録簿は取っていないが、工場が持っているのではないかな」とのことでした。

整備や点検はきちんとされ、また、気になるところがあれば整備工場に依頼されて来られましたが、いわゆるカーマニア、エンスーと呼ばれる人とは少し違って、大らかさのあるオーナー様で、マニア的な神経質な維持はされていないようです。

そのぶん、オリジナル性が強く残っているように感じました。
ちなみに今回のご依頼もオーナー様から直接のものではなく、車好きのご友人の依頼により、オーナー様と連絡を取って取材させていただきました。

【取材担当者からの一言】
今回のお車ですが、銀行が新車で購入したもので、現オーナー様のお父様は新車時よりこのお車の専属運転手をされていたそうです。頭取(社長)を乗せて、昭和の熊本の町を走られていたのでしょう。
当時のお父様の颯爽とした姿が目に浮かぶようです。

お父様はとても大切にこのお車の手入れをされ、退職の際に、このお車を譲り受けられ、とても大切に維持されてきました。お父様がお亡くなりになった後は、その御遺志により現オーナー様が大切に維持されてきました。そのため、新車時からのナンバーがそのまま付いており、今となってはとても大変貴重なものだと思います。

人に歴史があるように、車にも歴史がある。オーナー様のお話しを聞かせていただき、そのようなことを強く感じました。
オーナー様は、昨年の熊本震災で被災され、別にお持ちの車で一時的に車中泊生活を余儀なくされたそうですが、このお車はたまたま工場に預けていて無事だったそうです。

オーナー様は病気をされたこともあり、健康上の理由から思い出深いお車の譲渡を決心されました。
「最善か無か」の理念のもとに製造されたこの時代のメルセデスは今のベンツにはない重厚かつ上品なたたずまいがあり、自動車歴史遺産とも言える貴重なお車です。ちょっとに乗ってみようか、ではなく、本当に好きで長く愛していただける方に購入していただきたい一台です。

新車時からの貴重なナンバーが付いていますから、個人的には熊本の方に所有していただけたら嬉しいのですが・・。

高画質の写真をたくさん用意させていただきましたので、こちらからご覧下さい。
http://yahoo.jp/box/Exx_Lk
(画像の右下にある「大きいサイズで見る」をクリックすると画像が拡大されます)

スライドショーはこちらから(こちらは画質があまり良くありません)
http://yahoo.jp/box/4ArASN

実車は熊本県にあります。

個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル委託料金、自動車税(月割り)がある場合は別途頂戴いたします。

以上の記事内容は、オーナーさんのコメントと取材をもとに作成したもので、わかる欠点なども含めて記事を作成しておりますが、不具合箇所、整備履歴、修復歴などに関して取材時に完全に把握することはできませんし、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。エンスーの杜より無理に購入を勧めることはございませんので、最終的にはご自身でご確認の上、購入をお決め下さい。

SOLD OUT
画像クリックで拡大出来ます
 
 
 
 
 
 
 
 
 
メッキ類どこも綺麗です
 
 
 
 
 
 
ゴムに亀裂あり
 
 
フェンダー裏の錆の状態
 
トランク綺麗です
 
 
 
 
 
 
 
 
 
モールと内貼ウッドに痛みあり
 
下回り
 


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