ワイドフェンダーが迫力のモンスターメルセデス、500Eです。
ベースとなったのはその走りの質感に定評のあるW124、ポルシェとの夢のコラボにて、このスポーツセダンはさらなるパフォーマンスを得て完成します。
今回の500Eは91年モデル、いわゆるポルシェラインにて製造されたモデルです。
新車並行にて国内デリバリー、その後数人のオーナーを経て現オーナーさんの元に来ました。
購入はほぼ4年前、約89000kmで個人売買にて購入されます。
購入当初は外観を後期型の仕様にされており、整備状況もあまり思わしくなかったそうです。
ならばと現オーナーさんが一念発起、新車時のコンディションに近づけるべく手を入れてきました。 変更されていたパーツをノーマルへ、モディファイの加わっていないオリジナルの状態に戻しています。 よって現在はほぼオリジナルのコンディションに保たれています。
外観は全体的にキレイに保たれています。
それでも年式、使用なりの小キズはあります。 ドアエッジのキズやフロントリップに擦れたと見られる小さな塗装のハゲ、飛石が確認できました。
塗装は傷みを感じないもので、ツヤも十分にあります。
マフラーの1本の出口に小さなヒビが入っていますが、音が変わってしまうようなことはありません。
内装はレカロの革張りCクラシックが目を引きます。
表面にはシワやスレなどの傷みは見られません。 座った感じもヘタリはなし、電動の動作も全て正常に機能します。 レザーでは嬉しいシートヒーター付です。
またこちらを支えるシートレールはローポジションのもので、異様に上がってしまう傾向のあるシートなだけにキチンとしたセッティングが行われています。
オリジナルのシートは保管していますので、お付け致します。
その他ダッシュはキレイでした。 ドア内張りも問題ありません。
傷みとしてはシフト周りのウッドパネルにヒビが確認できました。 また天井に垂れが見られます。 ただ完全に垂れてしまっているようには見えないため、オーナーさんもさほど気にせずに乗っています。 シフトノブにはオーディオを取り外した際に出来たキズがありますが、ノブが別にありますので気になる方は交換して下さい。
エンジンはこれまで止まってしまうようなトラブルの経験はありません。 むしろ悪くなる前に早めの部品交換を心がけてきたためトラブルを未然に防ぐ結果につながったと思われます。
整備明細が残されており、かなり細かなものまで交換されていますが、ここではこれまでの修理・交換箇所の代表的なものを挙げておきます。
・ミッションOH
・ラジエター交換
・ショック4本交換(純正 新品)
・リアロアアーム交換(新品)
・コンパニオンプレート交換
・ステアリングセンターロッドリンク・ブッシュ交換
・エンジン・ミッション・Fロア、アッパー ブッシュ交換
・水温センサー・油圧センサー交換
・イグニッションコイル2個交換
・デスビローター・キャップ交換
・プラグコード・プラグ(イリジュウム)交換
・エアコンファンレジスター交換
・ラジエターサブタンク交換
・ヒュエルレギュレーター・フィルター・ポンプ・リレー交換
・ハーネス交換
・ポスケーブル交換
・ブレーキローター・パッド交換
・ホース類交換
・オルタネーターOH などなど
部品交換は多岐に渡ります。 これらは明細が保管されていますので、見学時にご確認いただけます。
エンジン・ミッションは現在も好調、水温も安定しており、オイル漏れも見られません。
エアコンは効きに問題ないそうです。
サンルーフ、オートクルーズも正常に機能します。
不具合は細かなところではヘッドライトワイパーは動きますが、ウォッシャーが出ないそうです。
エアバッグの警告灯が付くためランプを外しています。 こちらはエアバッグ自体には全く問題ないため、こちらも気になる方はディーラーでリセットして下さい。
現在装着のオーディオは取り外します。 代わりにナカミチ製の6連装CDデッキをお付けします。
ETCはこのままお付け致します。
リサイクル預託金(¥16310)と自動車税の月割りはご負担をお願い致します。
整備明細を見ると、かなり細かなところまで手の入った印象です。 トラブルを起こす前に先手を打つメンテを心がけてきました。 そこには良いコンディションで500Eの走りを楽しみたいとのオーナーさんの思いがあります。 またその年代に造られたクルマを味わいたいとの事からオリジナルを重視し、外装等をわざわざ戻す作業もしています。 コンディションを見るとその思いは十分に伝わってきました。 助手席にて割と長い時間乗せていただきましたが、エンジン・ミッションに問題は感じません。 重い車重をグイグイと引っ張る感覚はこのクルマのクライマックスのような印象です。 軽快さはスポイルされるものの、頑強なボディと車重を活かした走りは重厚かつ滑らかな乗り味です。 高速道路も走って頂きましたが、そこでの安定感や加速感は魅力的であり、高速クルージングこそがこの500Eの真価を発揮するステージであると感じました。 しっかりとメンテされている安心感があり、17年を経過しようとしていますが、未だ色あせない走りを披露してくれました。 コンディションからして、しばらくはこのままで楽しめると感じる印象を受けます。 元祖モンスターメルセデス、ポルシェの手が加わった誕生のプロセスを感じながら、その走りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
実車は東京都青梅市にあります。