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オースチン ヒーレー スプライトMkI 1958 年式
車検 27年4月 走行 9,715マイル(レストア後の距離) 備考 中古並行車(北米仕様) 国内ワンオーナー 左ハンドル ETC  レストア済み  1275ccエンジン換装
長さ 3410mm 1350mm 高さ 1180mm 重量 670kg 排気量 948cc
取材日2014年12月7日

「カニ目」の愛称で知られるヒーレースプライトマーク1です。
必要最低限の装備しか持たなないシンプルさからくる軽快な走りが身上のスポーツカーは、愛嬌たっぷりの見た目とのコンビで、当日からの人気は相当なものであったと聞きます。

今回ご紹介致しますそのカニ目、58年式の最初期モデルに当たります。ここ日本へはオーナーさんが平成4年に輸入、登録を終えてから現在まで国内ワンオーナーです。オリジナルのエンジンからのコンバート等、現在に至るまでをそれらトピックを交えながらコンデションを見てまいりましょう。

現オーナーさんが手にしたのは1990年頃の事、当時アメリカはカリフォルニアにてそのクルマと出会います。カリフォルニアにあったクルマ、そのメリットはサビが少ない事にありました。そんな環境下にあったカニ目は決して悪いコンデションとは言えないものの、よりオーナーさんの理想に近づけるべく購入後即レストアに取りかかる事に、そこで白羽の矢を立てたのが、当時オースチンヒーレー専門として名を馳せた、その名も「THE AUSTIN HEALEY STORE」でした。そこのボス、ゲイリー氏はカニ目でレースをしており、ヒーレーの世界ではつとに有名なショップで、オーナーさん自身も後に訪問した際には、そのパーツのストック状況を見ただけでも驚きの光景であったそうです。

そこで約1年がかりで行われたレストアとは、ではその内容を挙げていきます。
最大の特徴としてはエンジンにありましょう。オリジナルの948ccから後のモデルに搭載される事になる1275ccへのエンジンに換装、それをさらにボアアップにより最終的には1310cc程にしてあります。キャブにはSUツインの1 1/4を採用、ハイカムにLCB等で、そのスペックは約85psを6800回転で発揮するにまで高められています。そこではさらなるスペックアップも望めたそうですが、街乗り主体を考えていたため、あえて抑えたと言う仕様です。その他強化オイルポンプ、フライホイールの軽量化を施し、ミッションには1275cc用をリビルトして使用、そこには強化クラッチが組まれており、そのスペックを受け止めています。とここまではカリフォルニアにて、日本に来てからも使用する上での細かなマイナートラブルを出し切るべく、少しずつ手を入れています。ラジエターのコア増し交換等、日本での使用に耐えるコンデションへと仕上げました。

現在も機関は好調、何ら不具合は感じておりません。オーバーヒートの兆候もなし、強化オイルポンプにより油圧もしっかり維持されています。滲みは見えるもののオイル漏れと呼べるものも見受けません。ミッションも問題なし、シンクロも強力との事です。

足回りはオリジナルを踏襲、リアトレーリングアームを交換をしました。
ブレーキはレストア時にマーク2のディスクへと変更しましたが、さらなるパフォーマンスアップを望み、約2年前にDBA製ドリルドローターにHawk社製のレーシングパッドのコンビを組みました。その際フロントスタビライザーを装着してあります。リアブレーキのドラムとシューも交換済みです。

外観はほぼオリジナルのルックスです。フレームオフこそしていませんが、レストア時に傷みを補修、ブリティッシュグリーンへとオールペンしました。そこから約23年を経過していますので、いかにもレストア後のピカピカとは言わず、程よくヤレてきている印象です。小キズや塗装のクラックが散見されますが、大きなサビや腐りは見られません。特にカニ目のウィークポイントでもあるリアリーフ付け根もしっかりしていますのは、高さがしっかり維持された車高で判断できます。

アンダーフロアにはメクレのような状態のものが確認できました。ただ、それは外側だけのもののようで、内側に穴が開いているような事はないので表面的なものと見ています。

内装も手を入れているため傷みは見受けません。メーター類もオリジナルレイアウトです。シートは張替えを行い、いまだ破れはなく張りも十分です。その他機能上で問題になる箇所はありません。

幌は一部破れがありテープで補修しています。過去に使用したのは数回との事、現在は装着するには若干キツくなっています。他にトノカバー、サイドスクリーンが付属します。

ホイールは今や希少なオリジナルです。

ヒーターは問題なく効きます。

距離はレストア時に0にリセット、よって22年間で9700マイルを刻みました。

事故、修復歴は現オーナーさんではありません。現地でのものは不明です。

エンジンは1275ccですが、車検証では948ccの記載です。尚、打刻は一致しています。

ETCはこのままお付け致します。

平成26年度の自動車税とリサイクル券(10070円)は価格に込みますので、清算は不要です。

これまで複数台の旧車を乗り継いできたオーナーさん、その経歴をうかがうと、やはり軽快な走りを見せるライトウエイトスポーツにその傾向は感じられました。そこにいくとこのカニ目などはかなりオーナーさん趣向にマッチした向きがあり、現に22年間という長きに渡り維持されてきたのも、そこにはカニ目の魅力が秘められていると見るべきでしょう。一見オリジナルもエンジン換装などパフォーマンスアップがなされていて、オーナーさん好みの仕様であるのも見て取れます。ではどこまでそれは走りに表れているのか、冬晴れの中オープンで試乗に出かけました。始めにこのカニ目を知り尽くしているのは始動の時からもそれは分かります。そこにはいわゆる負担をかけないいたわりを感じまました。そのおかげか、アイドリングも安定、低速でぐずるようなシーンはありません。幹線道路に出て前が空いたのをきっかけにアクセルを踏み込めばどこまでも回ろうとする加速が展開されました。ともすれば上が苦手とも思えるOHVエンジンはタコメーターを振り切らんばかりの勢いで回ります。見た目からくる愛嬌のあるルックスとは裏腹に、それは明らかにイメージは覆りました。それでも本来の厚みのあるトルク特性が残されているようで、 低速も犠牲になっていない辺りはセッティングの妙と言えるでしょう。少しの距離でしたがハンドルも握らせて頂きました。特徴的だったのはそのクラッチ、レリーズがカーボンであるためストロークの浅い割とダイレクト感を伴うもので、また1速がノンシンクロのため2速をなめてからのシフト等、クラシックに乗っている感を十分に味わえました。これまで手を加えつつしっかりメンテしてきているため、良好なコンデションでその走りは味わえますが、やはりそこは車齢50年を超えるもの、見た目の愛らしさの裏に秘めるパフォーマンスは相当なものと見ますので、維持するにはそれなりの心構えが必要とのオーナーさんの言葉を付け加えておきます。カニ目に決して侮れない走りを望む方には、それに応えるだけの存在感を見せるコンデションの持ち主です。

実車は東京都にあります。


以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。
 SOLD OUT
画像クリックで拡大出来ます
  運転席フロアの状態。シャーシ側のメクレの影響は見られません。
タイヤサイズは前後とも145SR13 このようなクラックが見られます。
  見た目はノーマル然としていますが、コア増ししてあります。
プラグ立ては雰囲気にマッチしたアイテム。 オースチンヒーレーストアでレストアされた証のプレート。
ウィークポイントのリーフの付け根はこのようにしっかりしています。 フロントのディスク化によりブレーキは強化されています。
下から覗くとこのようなメクレが左右に確認できます。
 


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