ヒーレー100は53年にデリバリーが開始され、フロントミッドミッドシップに4気筒2660ccを搭載し、その流麗なスタイリングとともに当時北米を中心に人気を博しました。
ご紹介のクルマは55年式、オーバードライブ付きのBN2と呼ばれるモデルです。 その他ドラムブレーキが拡大されるなどの特徴を持ち、最初期モデルのBN1からマイナーチェンジを施されたモデルです。
またエンジンにはチューニングキットが組み込まれたM仕様です。 ファクトリーモデルではないようですが、中身まで手の入った仕様との事でした。
オーナーさんは有名な英国車を扱うショップにて購入されました。 イギリス本国より輸入されたクルマで、ショップが登録したのを除けば実質国内ではワンオーナーです。
機関は購入後に不具合が出たため、修理・メンテを施しています。
大きな物ではヘッドガスケットの交換を昨年の12月に行っています。 この不具合により各部に影響が出ていたようですが、交換を行ったところ全て解決したそうです。
また、ブレーキもオイルの戻りが悪かったので、今年5月にOHをしました。
現在は不具合も感じず、好調を維持しています。
変更点はサイド出しチューニングマフラー(オリジナルはリア出し)、電動ファンの追加等です。
マフラーはデニス・ウオルシュの手によるもののようで、ビッグヒーレーでは有名なチューナーだそうです。
外装は所々タッチの跡があります。 ただ目立つ大きなキズやヘコミの類はありません。 全体的にキレイに保たれています。 塗装はおそらくリペイントはされているであろう、との事ですが、細部を見ても色が違いませんので、されていても同色へのリペイントだと思います。
メッキパーツもくすんだ感じは受けず、ピカピカでした。
内装はシートにヤレが見られますので、ほぼオリジナルと思われます。
その他はキレイで問題になるような箇所はありませんでした。
幌も傷みはなく、またスクリーンも視界は十分にクリアでした。
2点式のシートベルトを装着しました。
本国にあった時のイベント出走時に写真や、領収書、スペックの証書等が保管されています。 これを見れば、どのような使われ方をしたのか、大まかには分かると思います。
オーナーさんは以前、スプライトでレースに参戦されていました。 2台目のヒーレーとなったこのクルマはハードな使い方から、街中をゆったりと走る向けに購入されています。 トルクで走るタイプですが、後に誕生する通称「ビッグヒーレー」と比較すれば、4気筒ライトウェイトスポーツの要素も兼ね備えているそうです。 クラッチが小さい、1速ノンシンクロ等で発進時には多少のコツが必要なようですが、今の状態でほぼそのまま乗り出せると思います。 サイドマフラーからの音やそのスタイリングで走りと雰囲気を十分に楽しめる1台でしょう。
実車は東京都調布市にあります。